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【エリザベス女王杯・武蔵野S・デイリー杯2歳S・福島記念予想】秋の女王を決める一戦!! 土日4重賞の出走予定馬の状態を分析!

  • 2020年11月11日(水) 18時00分

連覇のかかるラッキーライラックの状態は?


 今週はエリザベス女王杯。秋のGIは単勝1倍台の1番人気が連勝を続けているだけに、netkeiba.comの予想オッズでは2倍前後の支持を集めているラッキーライラックが連覇なるか気になるところです。

 そこで。個人的には札幌記念と今回の1週前の立ち写真を見比べた時に、やけにお腹回りがスッキリしているので、松永幹夫調教師に直接、そのあたりを聞いてみました「馬体重は530キロくらいありますから、細いということはないんですけどね。冬毛が伸びてきたので、見映えが良くないのかも知れません」と教えていただきました。

 確かに他の馬についても、冬毛が伸びていたりします。この時季の牝馬にはよくあることですし、冬毛と競走能力の関係については、分からないこともたくさんあります。そうなると、やっぱり止まった見た目よりも動かした時の雰囲気を重視したくなる、それが個人的な見解です。

【武蔵野S/タイムフライヤー】

 昨年2着のレースですが、ローテーションが違う今年。しかも連勝して勢いがあるのが今回です。マリーンSは函館競馬場のレースでしたが、栗東の坂路でしっかりと時計を出してのレース。それゆえに今回もどこかのタイミングで坂路の速い時計があるかと思いましたが、それはありません。

 その分、1週前追い切りがCWで6F80秒台。ここでしっかりやって、最終追い切りは軽めという内容。前走時の最終追いも軽かったので、それと比較すれば、今回の方がまだ強い負荷といえると思います。調教パターンは昨年と完全に変わりましたが、これが今のタイムフライヤーにはベストなのでしょう。あとは滞在競馬ではなく、輸送競馬になってもこのパターンが合うかどうかです。

【デイリー杯2歳S/レッドベルオーブ】

 前走の未勝利戦はレコード勝ち。当時の2着4着はきっちりと勝ち上がっており、メンバーレベルも決して低くなかったと思います。左回りを連戦して、初めての右回りという実戦ですが、追い切りでは常に右回りを経験しているだけに、それに対する心配は大丈夫かなと思います。

 2ヶ月ほどレース間隔はあきましたが、坂路とCWを併用して、きっちりと仕上げられています。最終追い切りはCWでの併せ馬でしたが、少し行きたがるかなというところもありましたが、速くなりすぎることもなく、きっちり走ることができていたと思います。最後まで余裕ある動きだったところを見ると、まだ伸びしろがある状態でのレースとなりそうですから、それでどこまでのパフォーマンスを見せてくれるか、楽しみなところです。

レッドベルオーブ

最後まで余裕のある動きを見せたレッドベルオーブ(写真右、11月11日撮影)


【福島記念/アドマイヤジャスタ】

 前走が札幌記念で10着。2走前の函館記念を勝利しているとはいえ、15番人気だったことを思えば、やっぱりアテにならないタイプ、そんな評価になっても仕方ないかも知れません。ただ、函館記念では最終追い切りでパシュファイヤーを着用していましたが、前走時の最終追いでは着用していませんでした。

 それが今回。画像をご覧いただければお分かりのように、パシュファイヤーを着用しています。その効果なのか、追いかけられる展開にも楽な手応えで走ることができていましたし、時計的にも6F83.7秒なら、鳴尾記念の時に近い雰囲気で走れていたと解釈していいと思います。昨年は12着に敗れたレースではありますが、今年はちょっと違うと思います。

アドマイヤジャスタ

いい雰囲気で走れていたアドマイヤジャスタ(写真手前、11月11日撮影)


【エリザベス女王杯/ラッキーライラック】

 昨年は府中牝馬Sからのローテーションでエリザベス女王杯を制覇。今年は札幌記念からになるので、レース間隔があいています。その分、調教内容の比較が一概にできない今回ではありますが、1週前追い切りがCWで併せ馬に先着するという内容は同じです。

 最終追い切りはC.ルメール騎手が跨った3頭併せ。前にグランメテオールとダンスディライトが先行し、4コーナーから最後の直線に向くところで前に追いついてくる感じでした。1週前追いとの比較で言えば、ちょっとがむしゃらさがあった先週に比べると、今週の方が落ち着いた走り。にも関わらず、時計は6F81.1秒、4F51.6秒と速い内容でした。この動きから初コンビは問題ないというよりも、むしろ期待の方が大きくなりますし、連覇に向けて、しっかり態勢整ったといった感じがします。

ラッキーライラック

連覇に期待を持てる動きを見せたラッキーライラック(写真奥、11月11日撮影)


【エリザベス女王杯/ラヴズオンリーユー】

 昨年は秋華賞に出走する予定がありながら、それを延期してエリザベス女王杯参戦という経緯。オークス馬の力を示す3着という結果ではありましたが、今年は府中牝馬Sでひと叩きして、ここに照準を合わせるようなローテーションを組んできました。

 それだけに、中間の調教内容には非常に興味がありましたが、2週前追い切りが坂路、1週前追い切りがCWという内容。中3週なのに、2週前に坂路4F55.4秒はさすがに動くなあという印象でしたが、それがもっと強かったのが1週前。VTRで確認した走りでは、あんなに軽く走っているのに、時計は6F78秒台。やっぱりスピード能力は相当です。それだけに追い切りをやりすぎることを懸念されたような、最終追い切り坂路4F55.9秒。このあたりをどう評価するかということになりますが、少なくとも前走時の最終追いよりは負荷がかけられています。

◆次走要注意

・11/8 奥羽S【スマートランウェイ】(2人14着)

 約6ヶ月の休養明けでしたが、連勝時とは違う形で惨敗。それ以上に休み明けで標準程度の追い切り本数しか消化できなかったことが敗因ではないかと考えます。3走前が休み明け大敗からの巻き返しでしたが、この時が追い切り本数強化。次回もローテーションの倍くらいの追い切り本数があれば、しっかりと巻き返してくるでしょう。

[メモ登録用コメント] [ダート中距離]追い切り本数ローテの倍なら勝ち負け。

◆開催おすすめの調教適性

<福島芝1200m>
◎最終追い切りがトラック馬場で馬なりのラスト1F最速ラップ
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
○調教タイプが馬ナリ平均坂路か乗込坂路

 11月7日の福島8R。2着リヴェールが最終追い切り場所がCWで馬なりのラスト1F最速ラップだったので本命。そして、1着と3着が坂路で4F目最速でしたが、3着が14番人気で3連複31720円という高配当になりました。

 ちなみに7番人気9番人気だった4着5着も調教適性に該当。ずっと良馬場で行われている今開催の福島ですから、この調教傾向は最終週まで継続されるものと思います。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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