スマートフォン版へ

【マイルCS予想】データ的には上位拮抗の混戦模様!

  • 2020年11月15日(日) 18時03分

■マイルCS(GI・阪神芝1600m外)フルゲート18頭/登録17頭


★3行でわかる! マイルCS 攻略の糸口

1.上位人気の取りこぼし多発。中穴の1着狙いが面白い!
2.枠番は中枠重視で、脚質は差し優勢4歳馬が鬼強い。
3.乗り替わりはプラスに働く。前走3番人気以内馬重視で。

データ特注推奨馬
 ★現時点ではなし

 今年は阪神芝1600m外での開催となるマイルCS。レース傾向が大きく変わらないとすれば、上位人気の取捨はかなり慎重に行いたい。過去10年で1番人気馬は未勝利で、3番人気以内まで範囲を広げてもたったの3勝。それに対して4〜6番人気は5勝と、1着馬が紛れる傾向が強い。「1着に中穴、2着に人気馬」という買い方が面白そうなイメージだ。

 阪神芝1600m外はかなりフラットなコースだが、上級クラスでは中枠である「馬番07〜12番」がハッキリと好成績。馬場バイアスにもよるが、ここに入った馬は評価を少しプラスしたほうがいい。そして、脚質に関してはやや差し優勢。極端なスローペースにでもならないかぎりは、中団から鋭い脚で伸びてくるタイプに展開が向くことだろう。

 あとは、4歳馬が他を圧倒する強さを見せていることや、ローテが不問であること、距離延長組が意外なほど強いこと、前走での「人気」が今回の結果につながる傾向にあること、前走マイナス体重だった馬が強いこと、乗り替わり組が8勝と大幅に勝ち越していることなども、注目すべきポイント。データ面で文句なしといえる存在が見当たらないため、データ特注推奨馬は「ナシ」とした。

【コース総論】阪神芝1600m外 Aコース使用

・コースの要所!

★中穴ゾーンが強い傾向。4〜6番人気の1着付けや7〜9番人気はかなり狙い目。
★枠の内外による影響が小さいフラットなコース。勝率は外枠のほうが高い。
★直線の長い外回りで急坂もあるので中団からの差し優勢。末脚のキレ重要。





 桜花賞など、数々の重賞が組まれている阪神芝1600m外。スタート地点は、バックストレッチのやや2コーナー寄り地点だ。最初のコーナー進入までそれなりに距離があり、しかもコーナーが大回りなので、序盤〜中盤のペースはそれほど速くはならないケースが多い。3コーナー過ぎの下り坂からレースが動き始めて、直線に入ってからの瞬発力勝負というのが、オーソドックスなレースの流れである。

 まずは人気別成績だが、人気サイドの信頼度はいたって普通。1番人気の勝率の高さはなかなかのものだが、だからといって極端に強いわけではない。内容のよさが目立っているのは、4〜6番人気や7〜9番人気といった中穴ゾーンだ。勝率と単勝適正回収値の高い前者は1着で、複勝率と複勝回収値の高い後者は2〜3着で狙うのがオススメ。10〜12番人気も侮れず、高配当をけっこう狙いやすいコースといえるだろう。

 次に枠番だが、こちらはきわめてフラット。外のほうが勝率が高く、内のほうが複勝率が高いという傾向は見受けられるが、1レース単位で気にする必要があるレベルではない。その時期の馬場バイアスや脚質との兼ね合いのほうが、はるかに重要といえる。基本的には「どこに入っても大きな差はない」というのが結論だ。

 脚質面は、やや差し優勢。最後の直線が長い外回りコースで、ゴール前が急坂でもあるので、末脚のキレ味は大きな武器となる。ただし、このあたりは組み合わせやペース次第で、序盤〜中盤がスローならば先行勢も残せるし、超ハイペースになれば後方待機組の浮上もありうる。他のコースよりもさらに、ペースや展開の読みが重要だと考えるべきだ。

【レース総論】マイルCS(GI) 京都過去10回

・レースの要所!

★1番人気はなんと未勝利。3番人気以内馬を「2着固定」で買うのが面白い。
★中枠である馬番7〜12番が文句なしの好内容。トップクラスだと中枠有利?
★「差し→先行」決着を想定。中団から最速の上がりを使える馬が1着候補。
★4歳馬が圧倒的に強いレース。鞍上が乗り替わる馬の勝率の高さも要注目。











 先週のエリザベス女王杯と同様に、例年とは違って阪神で開催されるマイルCS。コースの変更により、例年の傾向とはまったく異なる結果となるケースも、十分に考えられる。京都コースの適性が低く、本来ならば通用しない馬でも、今年に関しては話が別。コース実績の有無は、しっかり確認しておく必要があるだろう。

 枠番と脚質については、過去のデータを掲載する意味がまったくないので、今回は「2010年以降に阪神芝1600m外で行われた18頭立てのGI〜GII」を集計対象としたものを掲載している。コースデータと比較することで、レースレベルが高くなるとどのような変化が生じるのかも確認してみたい。

 では、マイルCSの人気別成績から。驚かされるのが1番人気の弱さで、なんと未勝利。3番人気以内に範囲を拡大しても、トータル[3-9-2-16]とたったの3勝だ。やたらと2着にはくるがなかなか勝てない──というのが、このレースの上位人気馬。ここを2着固定で狙うフォーメーションや、4番人気以下馬の単勝で勝負するのも面白そうだ。

 目立っているのが5勝をあげている4〜6番人気馬の強さで、単勝適正回収値170.7、複勝回収値100と爆発力も十分。8番人気や13番人気で勝った馬もいるレースだが、もっとも効率がいいのはこのゾーンだろう。コースデータでも「中穴が強い傾向」が見受けられるだけに、なおさら狙ってみる価値アリ。7〜9番人気や10〜12番人気は、2〜3着のヒモで狙うのがベターだろう。

 参考レースの枠番データでは、中枠である馬番07〜12番が素晴らしい内容。信頼度は飛び抜けて高く、回収値やギャップ値の高さも文句なしだ。対照的にいまひとつの結果に終わっているのが、内枠である馬番01〜06番。トップクラスの対戦になると、戦い方の選択肢が多い中枠が有利となり、逆に少ない内枠はマイナスに働くのかもしれない。

 参考レースの脚質面は、コースデータと同様にやや差し優勢。4コーナーを11番手以下で回った後方待機組も、意外なほど多く馬券に絡んでいる。最速上がり馬の信頼度も高く、中団から一気の脚で突き抜けられるようなタイプがもっとも有利。「差し→先行」での決着を想定して、馬券を組み立てるのがいいはずだ。

 マイルCSの年齢別成績からは、4歳馬が飛び抜けて強いレースであるのが見てとれる。勝率、連対率、複勝率のいずれも段違いの高さで、これだけを理由に馬券が買えるほど。それに次ぐのが5歳馬や3歳馬で、6歳以上の高齢馬にはちょっと手を出しづらい。ちなみに出走予定の4歳馬は、アウィルアウェイ、アドマイヤマーズ、ヴァンドギャルド、グランアレグリアの4頭である。

 次に前走レース別成績だが、こちらはコレといった傾向なし。さすがに前走が自己条件やオープン特別だと格が足りないが、重賞であれば「不問」という結論となる。有力馬については近年、前哨戦を使わない「ぶっつけ本番」スタイルが確立されつつあるので、なおさらだ。長期休養明けでも、仕上がっていれば問題なく買える。

 意外だったのが、距離延長組の成績が意外にいいという点だ。天皇賞・秋などからの距離短縮組のほうが強いイメージだったが、連対率や複勝率がもっとも高いのは、スワンSやスプリンターズSからのローテとなる距離延長組。ここ2年は不振な結果に終わっているが、そろそろ巻き返しがあっても不思議ではなさそうだ。

 前走の人気&着順別で集計したデータからは、前走での着順よりも「人気」のほうが重要だと結論づけられる。前走4番人気以下から勝った馬は、2012年のサダムパテックだけだ。前走が4〜9着だった馬が巻き返してくるケースはけっこうあるが、前走が10着以下だと全滅。ふたケタ人気馬も1勝しているとはいえ、アテにはできない。

 アノマリー系データからは、前走と今回の馬体重ネタをご紹介。マイルCSはなぜか、前走が「マイナス体重」だった馬が強いレースなのである。そのなかでも特注レベルで「買い」なのが、「前走マイナス体重→今回プラス体重」というパターン。毎年のように上位を争っているので、軸馬はこの条件をクリアした馬から選ぶのがいいかもしれない。

 最後に騎手関連データ。GIながら、鞍上が乗り替わる馬のほうが勝率が格段に高いという点に注目したい。継続騎乗組はトータル[2-8-3-74]で勝率2.3%、単勝適正回収値31.4と、1着では買いづらい内容。複勝率や複勝回収値に関しても乗り替わり組のほうが高いとなると、評価はおのずとこちらが上になる。

【血統総論】


 血統面では、ディープインパクト産駒、ステイゴールド産駒、ヴィクトワールピサ産駒をプラス評価の対象とした。信頼度の高さはディープインパクト産駒、爆発力ならばステイゴールド産駒といった印象で、どちらもコース適性の高さはかなりのもの。桜花賞馬ジュエラーを送り出しているヴィクトワールピサ産駒も、じつはコース適性が非常に高い。これは、覚えておいて損はないはずだ。

★特別登録馬 総論×各論

 巷はジャパンカップの話題で持ちきりだが、その前週に行われるこのマイルCSも、なかなかの好メンバー。スプリンターズSで脅威の末脚を見せたグランアレグリアを筆頭に、インディチャンプ、サリオス、アドマイヤマーズ、レシステンシア、ラウダシオンなど、この路線の一線級が多数エントリーしてきた。残念ながらフルゲートは割り込みそうだが、出走馬のレベルは申し分ない。

 トップ評価はグランアレグリア。しかし、1番人気がサッパリ勝てていないことや、不器用な脚質など、評価を割り引く点は存在する。前走のド派手はパフォーマンスは、展開が向いた面があるのも事実。先行勢が少ない組み合わせとなりそうなのも、懸念材料といえる。過去最強クラスのポテンシャルを持つバケモノだが、2〜3着に惜敗するケースも十分あるというのが、現時点での見立てだ。

 二番手評価にアドマイヤマーズ。前哨戦のスワンSは3着に敗れたが、本馬は使ってよくなるタイプ。休み明けで58キロを背負っていたのを考えれば、悪くない結果といえる。先行勢が少ない有利な組み合わせで、3歳で香港マイルを制したトップクラスの能力を、再びここで発揮できる可能性アリ。4〜6番人気に推されそうなのも、このレースにおいては大きなプラスといえる。

 三番手評価にサウンドキアラ。スワンSでの大敗で一気に評価を落としそうだが、前走は枠番も展開も不向きだった。春にはマイルGIで2着に好走している実績馬で、中団やや前でうまく立ち回れば、それほど差はないはず。阪神芝の適性も高く、距離がマイルに伸びるのもいい。人気薄での激走候補として、上位評価の一角にあげておきたい。

 四番手評価がインディチャンプで、五番手評価にレシステンシア。以下はラウダシオン、サリオス、ヴァンドギャルドという評価の序列である。サリオスの評価が低いのは、単純にプラス評価となった項目が少ないから。能力的には遜色なしだが、人気で買いたいパターンではない。人気サイドで1頭だけ消せと言われれば、データ的にはこの馬となる。

 いずれにせよ、上位拮抗の混戦模様というのが現時点での見立て。グランアレグリアの「一強」オッズになるようならば、その他の馬の単勝を買うなどの「逆張り」に妙味がある。軸馬や相手など、ちょっとひねり気味に狙うほうがベターな雰囲気。レースはもちろん、馬券的にもかなり面白い一戦となりそうである。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



……年イチ級で悔しいんだけどコレ(#^ω^)ビキビキ

上位評価だったのは05ユーキャンスマイル、18オーソリティ、02ラストドラフトの3頭。結果は、1着が18オーソリティ、2着が02ラストドラフトで、馬連6680円という美味しい配当でございました。で、素直にその3頭を買っていれば大儲けだというのに! 外枠を理由に18オーソリティの評価を下げて、4頭ボックスを買ったワケですよ(大後悔)。一撃で取り返す大チャンスを逃して、アタイもう心が折れそうです……。

※コース&血統データは2016年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング