ルメール騎手とのコンビで安定した強さを発揮
パワーあふれる古馬トップクラスのダート戦だけに、負担重量はそれほど大きなポイントではない可能性はある。ただ、再三1分34秒台の決着になる東京ダート1600mだけに、1-2キロの差が最後の詰めに影響する危険はある。
59キロモズアスコット、58キロサンライズノヴァの実績を評価しつつも、57キロの5歳馬タイムフライヤー(父ハーツクライ)から入りたい。
4歳夏にダートに方向転換した当初は、途中からかかり気味になって後半の伸びを欠いたが、ダート3戦目になった昨年のこのレースは1分34秒8。今年も対戦する当時6歳のワンダーリーデル(父スタチューオブリバティ)の0秒2差2着。
前半1000m通過58秒6の厳しいレースになったのが、この馬には好結果につながった。自然に中位追走の形になり、流れが速いので行きたがる面も見せず、自身「59秒3-35秒5」のムリのないバランスで2着に押し上げることができた。
スパートのタイミングが難しい馬だけに、再三の乗り替わりで勝ちきれないでいたが、この夏からC.ルメール騎手とのコンビが成立し、もっとも良さが生きる中位差しの戦法で、目下2連勝。今回もコンビが連続した強みは大きい。
昨年が56キロで1分34秒8。ひとまわりパワーアップした今年、昨年より1キロ増だけの別定57キロなら、昨年以上の中身も期待できる。
父は遅咲きの成長株を送ることのほうが多いハーツクライ。母の父ブライアンズタイムも、種牡馬としての晩年はフリオーソなどタフなダート巧者を送り続けた。母タイムトラベリングの全兄は、ジャパンCダートなど通算16勝もしたタイムパラドックス。この兄妹といとこの間柄になるのが、1996年のJRA年度代表馬に輝いた大器サクラローレル。古馬GIを破格の内容で2勝した。
タイムフライヤーは5歳後半だが、完成された強さを発揮するのはこれからだろう。負担重量は重くても、モズアスコット、サンライズノヴァは軽視できないが、ダートに慣れてきた好気配のエアスピネルが相手本線。伏兵にはレピアーウィットを加えたい。