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【ジャパンC予想】JCの予想と世代比較論

  • 2020年11月24日(火) 12時00分

「弱い世代」にもJC勝ち馬及び活躍馬は存在する


 今週のJCは3歳の牡牝三冠馬に一昨年の牝馬三冠馬アーモンドアイが加わり、他にGI馬5頭(登録6頭)、GIの2、3着歴がある馬5頭という豪華メンバーで争われる。

 3歳のスター2頭が揃ったことで、よく言われるのが「世代のレベル」だ。マイルCSでサリオスが負けた直後なので、なおのこと気にする人がいるかもしれない。

 そもそも、世代のレベル差というのはどれくらいあるものなのか、調べてみた。

 まずは「芝1800m以上の別定or定量GIIと芝2000m以上古馬GI(それぞれ牝馬限定戦を除く)」における成績(カク地カク外は除く)。GIIを入れたのは対象レース数を増やすためである。

 グレード制が導入された年に生まれた1984年産世代以降を対象にすると、当該条件で勝率が低いのは2005年産、2010年産、1992年産、2006年産、2001年産の順。複勝率だと2006年産、2010年産、1997年産、2013年産、2005年産となる。平均出走頭数の影響もあるが、こればかりは仕方ない。

 これらが「弱い世代」ということになるが、2005年産はディープスカイが3歳時にJCで2着、2006年産にはブエナビスタがおり、2010年産にはエピファネイアがいて3歳時にはデニムアンドルビーがJC2着している。1992年産はなんとJCにのべ2頭しか出走しておらず(当時はカク外が強い時代でもある)、1997年産はJCで[1-0-0-9]だがタップダンスシチーが勝っている。2001年産は[0-2-1-9]、2013年産は[0-0-0-13]で2013年産だけはJCで全く通用していないが、そのような数十世代に一度レベルのことが、今年の3歳馬で再び起きうるだろうか。

 その2013年産も古馬中長距離GIを最終的には3勝している。古馬芝中長距離GIを勝てなかった世代というのはグレード制導入以降無く、かなりレベルが低いと体感していた1986年産でもオサイチジョージが、前出の2005年産もアーネストリーが宝塚記念を勝っている。

 ちなみにJCで全く馬券に絡まなかったのは前出の2013年産以外に1994年、1992年、1987年、1986年の各年産があるが、20世紀については外国馬が強かったせいもある。

 いずれ今年の3歳世代もJCで馬券になると考えた場合、それが「今年である」「今回参加の2頭である」という可能性を、わざわざ排除する必要は無いのではと思う。 

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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