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【ジャパンC予想】豪華メンバーの揃った一戦

  • 2020年11月27日(金) 18時00分

3強で決まるのか食い込む馬が出てくるのか


 豪華メンバーの揃ったジャパンC。いわゆる3強で決まるのか食い込む馬が出てくるのか、日曜が楽しみで仕方ないというファンの方も多いことだろう。

 コントレイルは菊花賞が辛勝となったが、それでも勝ち切るあたりはさすが。2400mへの距離短縮はプラスだし、本来は牡馬三冠馬が主役になるべきところだ。調教師の評価ではベスト距離は2000mとのことだが2400mに不安があるわけではない。簡単ではないローテだが当該週になってデキも上向き、悔いのないレースができそうだ。

 デアリングタクトはこのレースと相性のよい牝馬、しかも3歳馬ということで人気を集めそう。3歳時のジェンティルドンナやアーモンドアイが勝っているので、ファンとしては買いやすい面がある。3強の中では2400mがいちばん合いそうにも思える。ただ本来は古馬、牡馬の壁があるもの。アタマ決め打ちまではしづらい。

 アーモンドアイは理想のレース選択なら香港カップなのだろうが、コロナ禍で遠征の不自由さもありここを選んだ。一昨年楽勝しているレースだが、当時は絶好の馬場と展開。荒れ馬場で2400mとなると、距離適性の上限としてきわどい話になる。一方で、よく不安視される「牝馬の引退戦」は実際に調べてみるとむしろ好成績であり、マイナス材料にはならない。

 カレンブーケドールは1枠1番を引いた。例年なら絶好枠だが、インがかなり荒れている今年の状況でこの枠が良いのかどうかは分からないし、それはアーモンドアイにも言える。一方で展開を握るのはおそらくこの馬。行きたい馬を行かせたうえで、道中どこからレースを動かすか。自身はスタミナ・持続力型なのでそういう競馬をするだろうが、それが成功すると同厩のアーモンドアイには向かない競馬となる。

 キセキも内寄りの枠を引いた。いろいろな競馬をしている馬だが、この枠なら先行チームに加わって持続力・スタミナ寄りの競馬に誘導したほうがよいのではないだろうか。浜中騎手も先行の競馬を得意としている。

 スタミナ色の強いレースになった場合はグローリーヴェイズにも出番がありそう。枠は外だが、過去のジャパンカップを見ると真ん中よりはむしろ外のほうがいい。

 ワールドプレミアも菊花賞馬でスタミナ寄りだが、11カ月ぶりでこのメンバーはなかなかしんどい。昨年の有馬記念も前が止まったところに遅れ差しが届いた感がある。今回は上位人気馬を切りづらいので、ここまで手を回せるかという問題もある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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