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【ジャパンC予想】高速馬場ではないが瞬発力型優位の舞台

  • 2020年11月28日(土) 19時00分
毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。

 すでに多くの報道でも触れられている通り、今秋の東京芝コースの内寄りは傷みが進んでいる。前2年とは全く違う設定。アーモンドアイが「2分20秒6」の驚異的なレコードで制した2年前は逃げたキセキが2着に粘って、完全に「内&前」が優位だった。

 スワーヴリチャードが勝った昨年も週末の雨の影響で重馬場だったが、それでも勝ったスワーヴリチャードは内ラチ沿いをピッタリと通って「内」の利がある状況だった。2着カレンブーケドールも好位から粘り込んだ形。

 ただ、今年は土曜のレースを見ても、各馬が内寄りを明らかに避けて通っている。最内1番枠からキタサンブラックが逃げ切った15年と似た状況。当時最内1番枠から逃げ切ったキタサンブラックは最後の直線では傷んだインにあえて寄らず、馬場の中央を通って押し切った。現在の東京も確かに直線で伸びる部分は「中〜外」だが、コースのスイッチが利く中〜長距離戦で前の馬が外に張り出す展開になってくると、単純に差し優位ともいえない。

 時計の出方は土曜11R・キャピタルS(芝1600m)を参考にしたい。道中5番手から馬場の中央を伸びた快勝した1番人気ピースワンパラディの勝ち時計は1分32秒8。過去3年のキャピタルSの勝ち時計は17年ダイワキャグニーが1分32秒6、18年グァンチャーレが1分32秒6、昨年ドーヴァーの1分35秒8(不良)は道悪で参考外だが、今年は高速馬場とはいえないまでも、ある程度時計も出ている。前3週と比べると速くなっている印象。

 ジャパンCは強力な逃げ馬が不在。S〜Mペースから、直線は中〜外を通る馬の攻防か。先にコースを選べる先行馬(キセキ?カレンブーケドール?)の粘り込みは穴パターンとして想定しておきたいところ。内寄りは傷んでいても、決して時計は遅くないので、瞬発力型優位の舞台といえる。

スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。

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