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気合の一鞍入魂で今年10勝目! なのにレース後は顔が真っ青!?

  • 2020年12月01日(火) 18時01分
日曜日の阪神8Rでは、アサカディスタンスで直線一気! 胸のすく競馬で今年10勝目をマークした小牧騎手ですが、なぜかレース後は顔が真っ青だったとか…!? 今週の『太論』では、その勝利をじっくりと振り返りつつ、今週末の登録馬についても期待のほどを語ってくれました。(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

追いっぱなしも覚悟の上、一生懸命に乗りました


──先週は、日曜日の阪神8R(3歳上2勝クラス・ダ1800m)をアサカディスタンスで勝利。おめでとうございます!

小牧 ありがとう。一鞍入魂やったから、ホントによかったわ。レース後、検量室前に上がってきたとき、顔が真っ青になってた。

──なぜですか?

小牧 息切れして(苦笑)。

──それだけタフな競馬だったということですね。

小牧 もう3コーナーから追いっぱなしやったからね。でも、今回はそれも覚悟の上。前回、良馬場で砂を被ったら嫌がったので、今回は頑張って外を回そうと思ってた。一生懸命に乗りました。

──好スタートからスッと下げて後方の外に構えましたが、あれは狙った位置取りだったんですね。

小牧 うん。前回は良馬場で砂を被って力を出せんかったからね。前々回に1勝クラスを勝ったときは、不良馬場だったでしょう。だから、直線で馬群を縫うような競馬ができたんやけど、良馬場ではそうはいかんから。

──なるほど。水分を含んだダートは舞い上がらないから、被ることがないと。

小牧 そうやねん。もうちょっと砂を被ることに慣れてくれたらいいんやけどなぁ。

──それって経験するうちに慣れるものなんですか?

小牧 ん〜、慣れてくれなアカンね。そうじゃないと、良馬場のときは毎回外々を回ることになってしまう。砂を被っても大丈夫になれば、もっと楽に勝てるようになるしね。それにしても、久々にあんなに疲れたわ。まぁこの前は1頭だけやったから、余計に疲れたのかもしれんけど。準備運動を入念にして、万全の状態でレースに向かったんやけどなぁ。レース中はもう必死やった。ゴール板を過ぎたら一気に力が抜けたんやけど、馬もなかなか止まらんくて。馬自身は、まだまだ余力があったんやろうね。

──1勝クラスを勝ち上がるまでに8戦を要した馬が、わずか2戦で2勝クラスを余力十分に勝ち上がったわけですが、ここにきてどんな変化があったのですか?

小牧 今ね、ものすごく具合がいいんですわ。調教でも競馬でも、すごく元気がいい。以前にはそこまで感じなかったことやから、身が入ってきたというか、心身ともに充実してきたんやろうね。あとは、さっきも言ったように、競馬をもうちょっと覚えてくれたら。まぁ課題があるということは、そのぶん伸びしろがあるということやから、なんにせよ楽しみや。

 僕自身もね、乗り数が少ないなかでもひとつ勝ててよかったわ。ひとつ勝つと気持ちが切り替わるというか、やっぱり気分がいいね。前の日のニホンピロコールがちょっと残念な結果だったのもあって、余計にホッとしたわ。ニホンピロコールもね、もっと走ると思うんやけどなぁ。

──ニホンピロコールは初ダートでしたね。

小牧 うん。まだ力を出し切れていないというか…。やっぱり芝のほうがいいかもしれんね。次はどこを使うかわからんけど、もっともっとよくなるはずや。今でも十分、背中からはいいモノを感じるからね。

──さて、今週はキングフォルテ(5日・阪神9R・鳥取特別)、セレッソフレイム(6日・阪神9R・さざんか賞)、ニホンピロタイド(6日・阪神11R・りんくうS)の登録がありますね。

小牧 ニホンピロタイドは楽しみにしてるんやけど……入らんのと違う?

──りんくうSには、29頭登録していますからね。

小牧 せやろ? セレッソフレイムも楽しみや。1200mに戻るのもいいし、自己条件なら上位にこられる力はあるからね。キングフォルテはズブいところがあるから、3回使って変わってくるんちゃうかなと思ってる。2番手かハナのどちらかで、外を回れば大丈夫。あの馬も砂を被ったらダメやから。

──今週からは3場開催に戻ります。

小牧 うん。少しでも乗り馬が増えてくれたらいいな。去年、一昨年は8勝やったけど、今年はなんとか2ケタに乗ったし、1000勝まであと98勝、コツコツ頑張りますわ(笑)。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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