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【阪神JF予想】決め脚のある中穴を狙うのが面白い!

  • 2020年12月06日(日) 18時00分

■阪神ジュベナイルF(GI・阪神芝1600m外)フルゲート18頭/登録20頭


★3行でわかる! 阪神ジュベナイルF 攻略の糸口

1.中穴が強いコース&レース。4〜6番人気はガチで買い!
2.枠番や脚質は馬場次第も決め脚の要求度は非常に高い!
3.前走2着以内や戦績2戦、2月生など数字の「2」に注目!

データ特注推奨馬
 ★サトノレイナス



 阪神ジュベナイルFは、簡潔にいえば「決め脚勝負」のレース。過去10年、このレースを4位以下の上がりで制したのは、2015年のメジャーエンブレムしかいない。昨年はレシステンシアが逃げ切ったが、上がりは最速。当然ながら好走馬は、前走でも「3位以内」の速い上がりを使っていた馬が大半を占める。

 また、近年は意外に堅く決着するケースが多く、5番人気以内馬はトータル[10-6-7-27]という好成績。前走での上がり3F順位が3位以内で、かつ当日5番人気以内に推された馬に限れば、連対率34.9%、複勝率44.2%という信頼度の高さとなる。本命や軸馬は、この条件を満たす馬の中から選ぶべきだ。

 枠番はフラットなので、とくに気にする必要なし。脚質はやや差し優勢だが、このあたりは当日の馬場バイアスや組み合わせ次第となる。あとは、前走が2着以内であることも、好走の必要条件。キャリア2戦以内や2月生まれなど、強い材料の多くが数字の「2」に関するものであるのも、面白い特徴といえるだろう。

 データ特注推奨馬は、ルメール騎手が継続騎乗する見通しであるサトノレイナス。唯一のディープインパクト産駒で、その他にも買い材料がじつに豊富である。今度は重賞勝ち馬との対戦になるが、それでも無傷の3連勝で突破できそうなプロフィルの持ち主である。

【コース総論】阪神芝1600m外 Bコース使用

・コースの要所!

★中穴ゾーンが強い傾向。4〜6番人気の1着付けや7〜9番人気はかなり狙い目。
★枠の内外による影響が小さいフラットなコース。勝率は外枠のほうが高い。
★直線の長い外回りで急坂もあるので中団からの差し優勢。末脚のキレ重要。





 今年はマイルCSも開催された、阪神芝1600m外。スタート地点は、バックストレッチのやや2コーナー寄り地点である。最初のコーナー進入までそれなりに距離があり、しかもコーナーが大回りなので、道中はゆったり流れての上がり勝負となりやすい傾向にある。末脚のキレ味が、高いレベルで要求されてくるコースだ。

 まずは人気別成績だが、4〜6番人気や7〜9番人気など、中穴ゾーンの強さが目立つ。人気サイドの信頼度は「並」程度なので、ちょっとひねって買ったほうが面白そうな印象を受ける。勝率と単勝適正回収値の高い4〜6番人気の1着付けや、複勝率と複勝回収値の高い7〜9番人気の2〜3着付けがオススメか。

 次に枠番について。簡潔にいえば「フラット」で、信頼度はほぼ横並び。勝率に関しては外枠のほうが高いほどだ。ただし、複勝率と複勝回収値に関しては、内枠である馬番01〜06番が少しだけ高くなっている。A→Bコース替わりのタイミングでもあり、このあたりは少し意識して馬券を買ったほうがいいと思われる。

 脚質面は、やや差し優勢。最後の直線が長い外回りコースで、ゴール前が急坂でもあるので、末脚のキレ味は大きな武器となる。とはいえ、勝ち馬は先行勢から多く出ており、上がり最速の馬よりも2位のほうが勝率が高かったりもするので、実際は「先行勢と中団待機組がほぼ互角」といったところ。つまりは展開次第、馬場次第である。

【レース総論】阪神ジュベナイルF(GI) 阪神過去10回

・レースの要所!

★堅く決まるケースが近年は多いが4〜6番人気は素晴らしい成績。買い推奨。
★中枠である馬番07〜12番が高信頼度。内枠と外枠はそれほど差はなさそう。
★やはり決め脚の有無はかなり重要。前走2着以内であるのが好走の必要条件。
★キャリア2戦の馬や1〜2月生まれ、関東馬&関東所属騎手の好成績も目立つ。










 レースの平均配当は、単勝641円、馬連6113円、3連複5万3952円。3連複平均だけが飛び抜けて高いのは、5番人気→15番人気→10番人気で決まった2012年(勝ち馬ローブティサージュ)の影響である。近年は堅く決まるケースのほうが多く、あっても中波乱程度。7番人気以下馬はトータル[0-3-3-112]と、イマイチな結果に終わっている。今年も、極端に荒れるケースは考えづらい。

 枠番は、中枠である馬番07〜12番が高信頼度。とはいえ、内枠と外枠で信頼度に大きな差が出ておらず、コースデータでも「フラット」との結論が出ていることから、データ母数の少なさによる単なる偏りである可能性が高い。また、前述したようにA→Bコース替わりのタイミングであることや、例年とは違って阪神が連続開催中であることも、今年は大きく影響するはず。掲載しておいてアレだが、過信は禁物なデータだ。

 脚質面は差し優勢だが、これも例年とは馬場が違うので何ともいえない部分アリ。ただ、このレースが「高いレベルの瞬発力を要求するレース」であるのは、今年も変わらないと思われる。前走距離別では、「前走の距離が長いほど高信頼度」という傾向で、もっとも信頼度が高いのは芝1800m戦からのローテ。逆に、前走で芝1200m戦に出走していた組は、1頭も馬券に絡めていない。

 好走の必要条件といえるのが、前走で「2着以内」であること。前走3〜5着から馬券に絡んだ馬がいないわけではないが、信頼度や回収値の低さから、リスクとリターンのバランスが悪い印象だ。また、レースキャリアが浅い馬のほうが強いというのも、このレースの大きな特徴。キャリア2戦が最良で、さすがに1戦だと信頼度は下がるが、単勝適正回収値120.9、複勝回収値116と爆発力はかなりのものだ。

 あとは、1〜2月に生まれた馬が好成績であるのも、ぜひ覚えておきたいところ。完成度に大きな差が出る時期でもあり、数ヵ月の差がイメージ以上に大きいようだ。騎手関連データからは、継続騎乗組が8勝で乗り替わり組が2勝と、前者のほうが明らかに強いのを覚えておくべき。あとは、関東所属騎手が好成績で、外国人騎手よりも強いレベルだというのも、ぜひ押さえておきたい。

【血統総論】


 血統面では、ディープインパクト産駒、キズナ産駒、マツリダゴッホ産駒をプラス評価の対象とした。当コースにおけるディープインパクト産駒の強さはまさに「圧倒的」で、勝利数2位のダイワメジャーにトリプルスコア以上をつける大活躍。それと互角に張り合っているのがキズナ産駒で、こちらは回収値の高さも素晴らしい。モーリス産駒やドゥラメンテ産駒もコース適性は高そうだが、いかんせんまだデータ不足。

★特別登録馬 総論×各論

 フルゲート18頭に対して20頭がエントリー。このままいけば、収得賞金400万円の馬は7分の5の抽選となりそうだ。アルテミスSで能力の高さをあらためて証明したソダシや、ファンタジーSをレコード勝ちしたメイケイエールなど、現2歳世代牝馬のトップクラスが顔を揃える、楽しみな一戦となった。

 トップ評価は、データ特注推奨馬でもあるサトノレイナス。ほぼ全項目でプラス評価を獲得しており、データ的には満点に近い存在といえる。ディープインパクト産駒らしく、キレ味の鋭さも文句なし。じっくりとレース間隔を開けての出走も、ノーザンファームの期待馬らしい使われ方といえる。文句なしの本命候補だ。

 二番手評価にメイケイエール。小倉2歳Sの覇者がファンタジーSも快勝して、暮れの主役級の座にまで駆け上ってきた。さらなる距離延長や外回りコースがどうかだが、こればっかりはやってみないとわからないこと。まだまだ余裕が感じられた前走の勝ちっぷりや血統から、こなせる可能性が高いとみての高評価である。

 三番手評価にインフィナイト。前走のサウジアラビアRCでは牡馬のステラヴェローチェに完敗だったが、不良馬場も大きく影響していたはずだ。ブラックスピネルやモーヴサファイアの妹で、スタミナも十分にありそうなタイプ。良馬場ならば、もっとキレのある末脚も使えそうだ。どのような走りが見られるか、楽しみな1頭である。

 以下は、オパールムーン、ソダシ、ポールネイロンという評価の序列。意外だったのが、1番人気になりそうなソダシの評価が伸びなかったことだ。好走の必要条件は満たしているのだが、強調材料には欠ける──というのが現時点での評価。一本かぶりの人気になるようならば、ちょっと割り引いて考えてみるのも面白そうだ。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



馬単1点でよかったじゃねえか説(#^ω^)ビキビキ

 直前と直後に盛り上がりすぎて、馬券画像の保存をワスレテタ。勝負馬券はご覧のとおり、02アーモンドアイを1着に、06コントレイルを2着に固定した3連単フォーメーション6点でございまする。そして結果は……05デアリングタクトが「消し」勝負だったのでハズレ。それでも、逃げた04キセキも含めて上位人気各馬が本当にいいレースをしたと思うので、悔いは(ほとんど)ない! こういうレースが、また観たいねえ。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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