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ニホンピロマリブで挑むエリカ賞「自分との戦い、頑張ります」

  • 2020年12月09日(水) 18時01分
先週は鳥取特別に出走したキングフォルテで、見せ場十分の2着。悔しさを滲ませながらも、「やっぱり力があるね」と小牧騎手。次走が楽しみになりました。今週はこのほか、さざんか賞のセレッソフレイム、新馬のキクノクライフの走りをじっくり回顧。さらに、ニホンピロマリブで挑むエリカ賞についても、意気込みを語ります!(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

前走は申し訳ない競馬に…なんとか巻き返したい!


──土曜日の鳥取特別(阪神9R・3歳上2勝クラス・ダ2000m)のキングフォルテは、見せ場十分の2着。もちろん結果は残念だったのですが、いい走りだなと思って見ていました。

小牧 惜しかったねぇ。競り勝ったかと思ったところで、外からビュッとこられてしまったわ。でも、今回はうまいことスタートを出てくれたのがよかった。

──出ムチ4発で位置を取りに行きましたね。

小牧 うん。あれくらい気合いを入れないと行かんから。でも、その前のレースで積極的な競馬をしたぶん、今回はいつもより楽に行けたね。隣(3着のアジャストザルート)もいいスタートを切ったから出ムチを入れたけど、もうちょっとスンナリ行けたら、もっと面白かったかもしれん。

──先週おっしゃっていた通り、やはり砂を被らずに運べることがポイントですか?

小牧 そうそう。そうすれば、あれくらい走れる能力はあるから。今回の競馬で、改めてチャンスはあるなと思った。

──続いては、さざんか賞のセレッソフレイム(12月6日・阪神9R・2歳1勝クラス・芝1200m・5着)。直線ではいい脚を見せてくれましたが…。

小牧 ひと脚は使えたね。ただ、もうひとつ(前に)行くことができんかった。スタートも一番と言っていいくらい出がよかったから、下げるつもりはなかったんやけど、結果的に後ろになってしまって。1勝クラスの1200mということもあって、速い馬が揃い出したね。

──そうだったんですね。終いを生かす競馬を選択したのかと思っていました。

小牧 いやいや違うねん。本当は好位で競馬をしようと思ってた。まぁ脚はあるから、この馬もチャンスはすぐに回ってくると思う。ただちょっとね、2走前くらいからイレ込みがきつくなってきたわ。牝馬だけにね。

──パドックの段階から必死になだめていましたよね。馬場入りのときもイレ込みが目立っていましたし。

小牧 うん。もうちょっと落ち着いてくれたらと思うけど、まぁ牝馬やから、ある程度は仕方がないところもある。まだ2歳やしね。2歳といえば、キクノクライフもいい走りやった(12月5日・阪神6R・2歳新馬・ダ1800m・4着)。スタートがあんなにいいとは思わんかったわ。

──まさにロケットスタートでした。

小牧 追い切りがもうひとつうまいこといかんかったから、どうかなぁと思ってたんやけど、思った以上に手応えを感じられる走りやった。直線でかわされてからも、バテずに頑張っていたし。

──走っている姿がすごくカッコいい馬ですね。

小牧 そうそう、キレイな馬でしょ? 僕もそう思う。兄弟も走っているし、楽しみやね。また1頭、楽しみな馬が増えたわ。

──さて、今週はエリカ賞(12月12日・阪神9R・2歳1勝クラス・芝2000m)にニホンピロマリブが登録しています。

小牧 うん。なんとか巻き返したいね。前走は申し訳ない競馬になってしまったから…。とはいえ、人間が気負ってもいいことはないから、折り合いに気をつけて、馬の能力を発揮することだけを考えて乗ってきますわ。

──エリカ賞といえば出世レース。大事な一戦になりますね。

小牧 それは僕も重々わかってる。なんとかね、この馬の強さを見せられるように…。自分との戦いやね。頑張ります。

──では、最後にひとつ質問を。「小牧騎手と同世代で、園田時代からのファンです。自分はコロナをきっかけに飲食業を辞め、新たに物流の仕事を始めました。今は独立するのが夢です。この年で夢なんて…と思われるかもしれませんが、小牧さんもなにか夢はありますか? 同世代として、励みになるような答えを待っています!」

小牧 夢はいっぱいあるよ。年齢なんて関係ない。今の僕の夢は、GIを勝つことです。ジョッキーとしては、それに尽きるね。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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