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【日経新春杯予想】条件適性高そうなダイワキャグニー/古澤秀和

  • 2021年01月15日(金) 18時00分

このレースに一番合いそうなダイワキャグニー(c)netkeiba.com、(撮影:下野雄規)


 今週は「中京2200m」で日経新春杯が行われます。このレースについて馬体的見地を中心に分析していきたいと思います。

【レースの指針】

◆逃げ有利

 まずこのコースと聞いてすぐに思い浮かぶのが「逃げの有利さ」です。例えば外伸びの馬場になっている時でも前への警戒が薄くて人気薄の逃げ馬が逃げ残っている印象を受けます。実際にデータを調べてみても逃げ馬の回収率が突出しています。また、先週の馬場傾向を見ると内がしっかりと伸びています。ですので、今回は特に脚質的に逃げ馬というのは必ず考えておかなくてはなりません。

◆パワーやスタミナといった要素の求められる馬場

 先週の競馬を見るとパワーやスタミナといった要素が求められる馬場状態でした。寿Sでメイショウサムソン産駒のツーエムアロンソが単勝114倍の人気で穴をあけたのがその典型です。切れる脚がなくても前目に付けてスタミナで押し切れるようなタイプがここでは理想でしょう。

【馬体分析】

アドマイヤビルゴ
 一目見て素晴らしい馬体になってきました。ディープインパクト産駒にしてはツナギの角度が深めで、上体の締まりの良い筋肉の性能をフルに発揮できるのはこのツナギのおかげでしょう。上体も素晴らしく、皮膚の薄さが目に付きますし、肩の角度も理想的。トモの肉付きも良くなっていますし、正に無駄なくきっちりと仕上がっています。馬場的にはベストとは言えませんが、こなせる範囲と言えるでしょう。

ヴェロックス
 トモの厚みが目に付きます。仕上げとしてはやや余裕がありそうですが、走れるだけのデキにはあると思います。パワーがあるので、馬場はこなせそうです。


サトノインプレッサ
 腹回りがボテっとして見えますが、トモや肩回りを見ると仕上がっていますし、これは体型と言えるでしょう。色々な条件を使われていますが、体型的にはこれくらいの距離が合うと思います。皮膚を薄く見せて筋肉の張りも上々。立ち姿も力強さがあって良いデキだと思います。馬場は合うとは言えませんがこなせる範疇でしょう。

サンレイポケット
 ジャングルポケット産駒で母父がワイルドラッシュ。字面的に今の馬場はピッタリでしょう。前のツナギはやや立ち気味で飛節も直飛節気味。筋肉量は程良く、筋肉の質も今の馬場に合っているでしょう。仕上がりも良さそうで、ここは好走が期待できそうです。

ダイワキャグニー
 筋肉量が豊富で、7歳のセン馬とは思えない見栄えの良さです。ツナギが極端に深く、飛節も曲飛気味。トモの筋肉量と張りが非常に目立ちます。骨も太めでパワータイプなので今の馬場も合っています。脚質的にも同型との兼ね合いだけでしょうが、逃げてしまえばチャンスは十分でしょう。写真がある中では最も適性が高いと思います。

【総括】

 写真のある馬の中ではダイワキャグニーがこのレースに一番合っているでしょう。写真以外の馬ではレイホーロマンス辺りも面白そうです。ハンデや枠順、今週の馬場といった要素を加味して結論はウマい馬券で公開したいと思います。



■プロフィール
古澤秀和(ふるさわひでかず)
 2002年に雑誌「競馬王」でデビューしたのを機に、プロ予想家としての活動を開始。中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。

 必ず開催競馬場に足を運び、生の馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。それを基盤としながら、血統やレースリプレイ、過去データ分析などのファクターを絡めて予想している。

 主に各馬の「適性」を見極めることに注力し、「適性外の条件で惨敗」→「適性条件で巻き返し」というパターンに重点を置いた予想を展開。これにより、複勝10倍を超えるような穴馬も高頻度でピックアップしている。

高回収率をたたき出す馬券のプロたちは、どのような視点で重賞レースにアプローチをしているのか。ときに冷静に、ときに大胆に直球勝負で攻める予想家たちの熱き見解は必見。 関連サイト:ウマい馬券

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