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【AJCC予想】中穴重視のスタンスで適度に攻めろ!

  • 2021年01月17日(日) 18時00分

■アメリカJCC(GII・中山芝2200m)フルゲート17頭


★3行でわかる! アメリカJCC 攻略の糸口

1.ふたケタ人気が大不振のコース&レース。狙いは中穴!
2.展開は完全に「前」優勢前走チョイ負け組が巻き返す。
3.5歳以下馬は高信頼度。大型馬乗り替わりもプラス。

データ特注推奨馬
 ★該当なし

 別定戦で、GI級の実績馬もコンスタントに出走してくるアメリカJCC。このレースと、開催コースである中山芝2200mに共通するのが「中穴の好走率は高いが、ふたケタ人気はメチャクチャ弱い」という点だ。多頭数になったとしても、ふたケタ人気馬はバッサリ「消し」勝負がオススメ。よほど強い買い材料でもなければ、手出し無用といえる。

 そして、共通するもうひとつの傾向が「先行勢の強さ」である。この時期特有のタフな馬場が影響しているのか、後方からの競馬となった馬は惨憺たる成績。中団待機組も意外なほど差せておらず、2〜3着に食い込むのが精一杯という結果だ。ある程度は前のポジションが取れないと、勝ち負けできないレース。具体的には、4コーナーを5番手以内で回れそうな馬を重視すべき一戦である。

 レース傾向から重視したいのが、前走が「着差0秒5以内での負け」だった馬がよく巻き返してきていること。逆に、前走で1秒0以上の着差をつけられていた馬は、かなり厳しい。あとは、5歳以下馬が高信頼度であること、大型馬の活躍が目立つレースであること、鞍上の乗り替わりがプラスに働くこと、ステイゴールド系が高いコース適性を見せていることなども、注目すべきポイントだ。

 出走予定馬の評価は一長一短というところで、データ特注推奨馬は今週も該当ナシ。上位拮抗の混戦模様で多少は波乱含みというのが、1週前時点での見立てである。

【コース総論】中山芝2200m Cコース使用

・コースの要所!

★中穴の好走率が高いコースで4〜6番人気が絶好調。ふたケタ人気は期待薄か。
★内枠が高信頼度で外枠はやや不利な傾向。勝つには真ん中よりも内が欲しい。
★ハッキリ先行勢優勢で後方からでは届かない。好位が取れる馬を重視すべき。





 4コーナーから直線に入った地点からスタートする、中山芝2200m。ホームストレッチをフルに使う形態なので、最初のコーナー進入までには十分な距離がある。使用するのは外回りコースで、しかも直線の急坂を2回も上るなど、起伏の大きさもかなりのもの。タフな馬場となりやすい時期でもあり、スタミナもかなり要求されそうだ。

 まずは人気別成績だが、目立っているのが「中穴」の強さ。4〜6番人気が14勝をあげる大活躍で、単勝適正回収値は135.2という高さとなった。同様に7〜9番人気もけっこう馬券絡みしているが、ふたケタ人気になると信頼度は一気にダウン。極端な大荒れはないので、ここはチョイ荒れを狙うのがもっとも効率がいい。

 枠番データからは、内枠有利の傾向が見てとれる。とくに大きいのが勝率の差で、単純に内外を比較したデータにおいても、なんと2倍以上もの大差が出ている。単勝適正回収値についてもハッキリと「内>外」であり、勝ち負けに持ち込むには「真ん中よりも内」の枠番がほしいところ。外枠を引いた馬は、少し評価を割り引きたい。

 そして脚質面は、イメージ以上に「前」優勢。逃げた馬の成績はイマイチだが、4コーナーを5番手以内で回った先行勢は、圧倒的なまでの強さを見せている。中団から差した馬は、届かず2〜3着に敗れるケースが多い様子。最速上がりをマークした馬でも意外に勝てておらず、後方からの追い込みはまったく届いていない。馬場バイアスにもよるが、基本的にはかなり前重視の姿勢で、馬券を買うべきコースといえる。

【レース総論】アメリカJCC(GII) 中山過去10回

・レースの要所!

★人気サイドの信頼度はなかなかのもの。穴では7〜9番人気の活躍が目立つ。
★コースデータほど内枠有利ではないが、脚質はやはり圧倒的に先行勢優勢。
★高齢馬の好走も多いが信頼度が高いのは5歳以下馬。前走の「格」も重要。
★前走着差が0秒5以内の「チョイ負け組」が狙い目。大型馬の強さも要注目。










 レースの平均配当は、単勝939円、馬連4099円、3連複1万1071円と、やや低めの水準。少頭数での開催も多いので、そこを加味すると波乱傾向は強くも弱くもない「並」程度といったところだろう。人気サイドの信頼度はけっこう高く、3番人気以内馬はなかなかの好内容。人気薄では、7〜9番人気が複勝率16.7%、複勝回収値104という素晴らしい結果を残している。ふたケタ人気は、全滅に近い惨状だ。

 枠番データは判断が難しいところだが、もっとも内容がいいのは「やや外」である馬番09〜12番。外枠がいいわけではないが、コースデータほどには内枠有利ではない──というのが結論となるか。ただし、脚質面はコースデータと同様にハッキリと先行勢優勢。連対馬の80.0%を4コーナーを5番手以内で回った馬が占めているのだから、もう「差せない」くらいの前提のほうがいい。

 6歳以上馬もけっこう馬券絡みしているレースだが、信頼度が高いのはやはり5歳以下馬。なかでも5歳馬はたいへん優秀で、高く評価してしかるべきだ。また、前走で出走したレースの「格」が重要であるのも、アメリカJCCの大きな特徴。前走がGIII〜自己条件だった馬も2〜3着にはくるが、勝つのは前走で有馬記念や菊花賞、金鯱賞に出ていた組。当然ながら今年も、前走GI組が中心となる。

 前走での着順や着差からの分析では、前走が「勝ち馬から0秒5以内の着差で惜敗」していた組が狙い目といえそう。前走重賞組でこの条件を満たす馬は、トータル[6-2-5-21]で連対率23.5%、複勝率38.2%、単勝適正回収値111.0、複勝回収値117という、文句なしの好結果を残している。また、前走での着差が1秒0以上だった馬は期待薄で、とくに近年はこの傾向が強まっている。前走大敗からの巻き返しは、期待薄だ。

 タフな馬場での開催となりやすいのが影響しているのか、大型馬の強さも目立っているところ。昨年は2着ステイフーリッシュ、3着ラストドラフトと、当日の馬体重479キロ以下馬が好走しているが、これはレアケースなのである。勝ち負けするにはある程度以上の馬格が欲しいところで、当日520キロ以上ならば文句なし。馬体重の増減については、ほとんど気にする必要ナシだ。

 最後に騎手関連データ。関東所属騎手が[5-5-7-79]と多く馬券に絡んでいるが、これは出走数の多さに起因するもの。内容的には、関西所属騎手や外国人騎手のほうが、はるかに優秀といえる。あとは、鞍上の乗り替わりがマイナスどころかプラスに働いているのも、注目すべきポイントといえそうだ。

【血統総論】


 血統面は、ディープインパクト産駒、ルーラーシップ産駒、ドリームジャーニー産駒、オルフェーヴル産駒をプラス評価の対象とした。中山芝らしく、ステイゴールド系が高いコース適性を発揮。御大であるステイゴールドの産駒も、信頼度はさほど高くはないが、回収値はきわめて優秀だ。ルーラーシップ産駒が見せている強さも要注目で、おそらくはベスト条件。このコースに出走してきた場合、ノータイムで「買い」が正解だ。

★出走予定馬 総論×各論

 本稿執筆時点で、出走の意向が把握できているのは15頭。これならば少なくとも、少頭数での開催とはならないだろう。注目が集まりそうなのは、菊花賞の2着馬アリストテレスや、3着馬のサトノフラッグ、2番人気に推されていたヴェルトライゼンデなどの、明け4歳馬。5歳以上馬では、この路線の安定勢力であるステイフーリッシュ、ラストドラフトなども侮れない。先行勢もそれなりに揃って、ピリッとした流れになりそうだ。

 トップ評価はアリストテレス。無敗の三冠馬にクビ差まで迫ったというのは、やはり高く評価してしかるべきだ。また、コントレイルがジャパンCで2着と結果を残したというのも、本馬がここで通用する能力を有していることの証明となる。競馬センスのいい馬で、スッといい位置が取れるのは大きな魅力。成長により馬体重がさらに増えて、当日480キロ以上になっていれば、さらに期待できる。あとは、初の中山がどうかだけだ。

 二番手評価に、昨年の2着馬であるステイフーリッシュ。詰めの甘さは相変わらずだが、昨年も芝の中長距離路線で存在感を発揮したように、その力は侮れないものがある。中山芝ではすべて馬券圏内と好相性で、父ステイゴールドという血統も強み。鞍上が石橋脩騎手に乗り替わる予定であるのも、このレースに関してはプラスに働く。予定通り年明けに帰厩して、このレースに向けての調整も順調なようだ。

 三番手評価にラストドラフト。こちらも昨年の好走馬で、今年はアルゼンチン共和国杯2着からの臨戦となる。鞍上は、三浦皇成騎手に乗り替わる予定だ。5歳馬であるのは大きなプラスで、前走が0秒2差の2着であるのも強調材料。有馬記念を除外されて、目標をこちらに切り替えたカタチだが、在厩での調整でいい状態を保っているようだ。中団よりも前のポジションが取れるならば、ここでも面白い。

 四番手評価に、陣営が「前に行く」とコメントした場合のタガノディアマンテ。気性的な乗り難しさがある馬だけに取捨が難しいが、逃げた前走のステイヤーズSのように、積極策ならば上位争いできる可能性を秘めている。しかし、中団〜好位でうまく流れに乗るような競馬はできないので、それ以外の場合は「消し」が適切か。後方からの競馬になると期待薄のコース&レースであるのは、前述したとおりだ。

 以下はウインマリリン、ジェネラーレウーノ、サトノフラッグ、ヴェルトライゼンデという評価の序列。現在の中山芝は外からの差しが届くバイアスにあるので、外枠に入った馬でも評価は割り引かない方向でいきたい。また「中穴重視」のスタンスも、忘れないようにしたいところ。そういう意味では、アリストテレスよりもステイフーリッシュやラストドラフトから入ったほうが面白いと思われる。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



最後方からでは厳しい(#^ω^)ビキビキ

トップ評価だった11レゾンドゥスリールから流す馬券で勝負したワケですが、道中でケツを走っていた時点で「ああ……ねえな……」ってカンジ。1着の12ピクシーナイトと03ルークズネストの両方が低評価だったのもあって、まったくもって冴えない結果になってしまったでござる。参考にしていただいた方、誠に申し訳ない(切腹)。

※コース&血統データは2016年以降、レースデータは2011年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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