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【東海S】「1年半の休養を乗り越えて…」大樹レーシングクラブが語る タイキフェルヴールへの“期待と想い“

  • 2021年01月21日(木) 18時01分
ノンフィクション

▲重賞初制覇へ挑むタイキフェルヴール(撮影:小金井邦祥)


3歳時にはドバイへ遠征し、前走・師走S(L)では屈腱炎を乗り越えて勝利を収めたタイキフェルヴール。サマーセールでは「お人形さんみたいに全く動かなくてボーッとしていました」と買い手がつかなかったのが、BTCの坂路で育成を進めると一変。世代上位の動きを見せるようになり、一口クラブ・大樹レーシングクラブで追加募集が行われると満口になりました。

その期待に違わぬ活躍を見せ、いよいよ重賞獲りに挑むタイキフェルヴール。今週末24日のGII・東海Sを前に大樹レーシングクラブの涌田裕介氏に伺いました。

(取材・文=大恵陽子)

他の馬の後ろに隠れてくっついていくような仔


――ビクトリーホースランチ生産馬のタイキフェルヴールが一口クラブ・大樹レーシングクラブ所属としてデビューすることになった経緯を教えてください。

涌田裕介氏(以下、涌田氏) 大樹レーシングクラブはビクトリーホースランチの生産馬を募集馬としてラインナップしています。タイキフェルヴールの場合はサマーセールに上場したんですが、比較展示でお人形さんみたいにまったく動かなくてボーッとしていて(苦笑)。「(落札の)声が掛からないだろうなぁ」と思っていたら、やはり声がかからなくて、牧場名義で走らせる話を進めていました。ところが、BTCの坂路で調教を進めていくと動きがとても良くて、急遽、追加募集という形で2015年産にラインナップされました。

ノンフィクションファイル

▲募集時のタイキフェルヴール(写真提供:大樹レーシングクラブ)


――生産・育成ともに行うビクトリーホースランチの同世代の中でも坂路での動きが抜けていたんですね。

涌田氏 ビクトリーホースランチの生産馬はみんな、近隣のBTCで調教を行うんですがその中でもかなり気合いの入った走りを見せて、とても目立っていましたので、追加募集にラインナップする運びとなりました。フリオーソ産駒が当時は未知数な部分もあったので、自信はもちろんあったんですが、そんなに人気することはないだろうなって思っていたら、早々に満口になってくれました。それがオープン馬にまでなってくれたので、会員さんたちの相馬眼には驚きです。

――すごいですね!会員の方々はどんな理由で出資を決められたんでしょう?

涌田氏 半姉エヴェリーナの新馬勝ちがプッシュ要素にはなったと思いますし、「お父さんのフリオーソを応援していました」という方もいました。

――それにしてもタイキフェルヴールのキャラの変わりようも面白いですね。

涌田氏 初仔のエヴェリーナがすごくいい馬体で生まれてきたので、2番仔のタイキフェルヴールの第一印象は半姉と比較すると「細くて、か弱い馬だな」という印象でした。前走の返し馬では暴れ散らしていたように、激しい気性の持ち主になっていますが、当時はどちらかというと控えめなタイプで、他の馬の後ろに隠れてくっついていくような仔でした。本当に、すごく変わったなって思いますね。

――育成をはじめてここまで変わる馬って多いんですか?

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