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春の盾獲りへ 地力の高さを証明したアリストテレス

  • 2021年01月25日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・1/24 アメリカJCC(GII・中山・芝2200m)
 好位を追走したアリストテレスが残り200mで先頭に立ち、ヴェルトライゼンデ、ラストドラフトの追撃を抑えて1番人気に応えました。昨年秋の菊花賞ではコントレイルの三冠制覇に最後まで抵抗し、結果的にクビ差及ばなかったものの、名ステイヤーの片鱗を感じさせる見事な走りを披露しました。

 父エピファネイアは芝2500m以上で連対率39.1%と抜群の成績。ハーツクライやステイゴールドが強かったこのカテゴリーは、いずれエピファネイアのものになるのではないかと予感させます。800mの距離短縮となった今回は、最終追い切りで遅れたように目一杯の仕上げではなく、水分をたっぷり含んだ馬場コンディションも初めてだったので、人気ほどの信頼性はなかったのですが、地力でねじふせました。

 母の父にディープインパクトを持ち、なおかつサドラーズウェルズのクロスを持つエピファネイア産駒は、38戦20連対(連対率52.6%)と圧倒的な成績を収めています。芝2000m以上に限ると11戦9連対(連対率81.8%)。この配合パターンは鉄板です。現時点で天皇賞・春の最有力候補と言えるのではないかと思います。

・1/24 東海S(GII・中京・ダ1800m)
 インティの逃げを3番手でマークしたオーヴェルニュが最後の直線で先頭に立ち、アナザートゥルース以下の追撃を抑え、初の重賞挑戦でいきなり金星を挙げました。芝3000mの万葉Sを勝ったヴォージュの半弟で、父はナカヤマフェスタからスマートファルコンに替わりました。地味な種牡馬から複数の活躍馬を出した母ギュイエンヌ(現役時代3勝)は素晴らしい活力を秘めています。

 父スマートファルコンはダートの大種牡馬ゴールドアリュールの代表産駒の1頭で、帝王賞、東京大賞典、JBCクラシックなどダートのビッグレースを勝ちまくり、重賞を計19勝しました。種牡馬としては地方競馬で数頭の重賞勝ち馬を出していますが、中央競馬ではこれが初めてです。社台スタリオンステーションからレックススタッドに移動して種付け頭数が大幅に減ったのですが、この勝利を機に盛り返してくるかもしれません。母方にブライアンズタイムを持つパターンはほかにアシャカダイキ、ワンダーウマスなどが出ています。

今週の血統注目馬は?


・1/31 刈谷特別(2勝クラス・中京・芝1600m)
 登録馬の父のなかで中京芝1600mに強い種牡馬はエピファネイアとロードカナロア。前者は連対率44.1%(34戦15連対)、後者は連対率30.0%(80戦24連対)と優秀です。当レースにはエピファネイア産駒ノルカソルカ、ロードカナロア産駒パルマリアが登録しています。どちらも有望です。

今週の血統Tips


 先週は全国的に雨模様でしたが、土日の競馬で目立った種牡馬はキズナです。6勝、2着2回、3着2回と大爆発しました。とくに日曜日は9頭が出走して5勝、2着1回と、手が付けられない勢いでした。キズナ産駒は芝・ダートを問わず走れるのが強みで、ほぼ芝専用だった父ディープインパクトとはキャラクターが異なります。馬場状態も不問で、乾いた馬場でも湿った馬場でも変わらずに走ります。

 ダートに関していえば脚抜きのいい馬場が得意で、良・稍重の連対率は18.2%、重・不良は28.8%と大きな開きがあります。キズナ自身は芝馬で、本格的なダート血統ではないので、雨が降ってパワーよりもスピードが活きるダートになると、勝ちタイムが速くなって産駒が浮上してきます。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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