好走パターンで追い切った馬とは!?
今週から東京開催がスタート。というわけで、今週末の重賞はフェブラリーSに向けたステップレースの根岸Sと、シルクロードS。例年なら京都競馬場で行われるシルクロードSですが、今年は中京競馬場。ということは、高松宮記念と同じ舞台になるということで、非常に楽しみな一戦です。
しかし、特別登録を見て驚いたのが、クリノガウディーの出走馬決定順位。21頭の登録で19番目。賞金順だと出走できないという状況でした。ただ、ハンデが58キロになったということで、アローワンスを含めたハンデ上位3頭の優先出走に抽選で該当する可能性が出てきました。
昨年の高松宮記念を1位入線した馬が出走できるかどうか、というモヤモヤはありますが、でも1勝しかしていませんもんね。やっぱり勝って賞金を足すというのは重要なことで、そういった意味では、先週のアリストテレスのようにGIで2着好走した後に、きっちりと勝ち切ること、これが大切ですね。
【根岸S/タイムフライヤー】
昨年はチャンピオンズCからフェブラリーSへ直行というローテーションでしたが、今回は根岸Sをステップにすることを選択。松田国英調教師のコメントとして「テンションを上げていきたい」ということで参戦の意図を明確にされています。
これまで、東京のダート重賞は武蔵野SとフェブラリーSを使っていますが、2019年の武蔵野Sは2着で2020年が5着だった点には調教内容の違いがあると思っています。それがCWでの1週前追い切りの併せ馬。2020年は単走に対して、2019年は併せ馬。併せることで気持ちを乗せる、これが重要なのかもしれません。そういった意味で、今回の1週前追い切りはCWでC.ルメール騎手が跨って、3頭併せを課されていますし、最終追い切りも併せ馬。厩舎最後のGIに向けて、その準備は整ったというところでしょう。
厩舎最後のGIに向け根岸Sへ挑むタイムフライヤー(1月20日撮影)
【根岸S/レッドルゼル】
重賞初挑戦となったプロキオンSは1番人気の支持を受けつつも8着。これは距離ではなく、全体的な調教内容がさほど強い負荷ではなかったところに、最終追い切りが坂路4F56.0秒と遅い時計になったことが多分に影響していると考えています。そういった意味では、今回の調教内容がどういったものか、気になるところですが、2週前追い切りと1週前追い切りは坂路で4F51秒台。過去にここまで攻めたことはないだけに、この内容は高く評価すべきでしょう。
そして、最終追い切りは4F55.0秒。微妙な数字ではありますが「2週続けて速い時計で負荷をかけたので、今朝は息を整える程度」と安田隆行調教師。前走カペラSが4F54.3秒の最終追いだったので、関東への輸送というくくりで見れば、重賞2着時に似た調整内容と判断してもよいかもしれません。
過去一番に攻めたレッドルゼル(1月13日撮影)
【シルクロードS/モズスーパーフレア】
昨年と同じローテーションで高松宮記念へ向かうということで、今年もシルクロードSから始動。昨年は2週前追い切りが4F51.2秒、1週前追い切りが4F50.5秒、最終追い切りが4F50.3秒という坂路での時計の出し方。週を追うごとに時計を詰めていましたから、状態は良かったと思います。ただ、結果4着というのはハンデや展開、馬場状態などが影響したものだと思います。
今年は2週前追い切りが4F52.5秒と遅めだったこともあってか、1週前追い切りが4F49.8秒。一気に時計が速くなります。そして、最終追い切りは4F52.7秒。ここでまた、一気に時計が遅くなっています。2F24.1秒と後半速いのはよいと思いますが、高松宮記念を勝った時は2F24.0秒ですが、4Fも48.9秒と超速い時計でした。もちろん当時はGI獲りを狙っての究極の仕上げですから、それとの比較はナンセンスな部分もありますが、速い時計を出して好走するというこれまでのパターンを考えると、さほど高い評価はできません。
【シルクロードS/ラウダシオン】
今回は小倉2歳S以来の芝1200mとなりますが、調教パターンはこれまでマイルを走ってきた時と変わりありません。デビューからの2戦でも坂路で速い時計を出したのは1本しかなく、そもそもがCWでの追い切りがメインとなって、ここまでの成績を築き上げてきています。
今回は1週前追い切り、最終追い切りともにM.デムーロ騎手が跨るパターン。これはNHKマイルCや富士Sと同様になるため、好走パターンといってもよいでしょう。2週とも単走で追い切るパターンも同じですが、富士Sとの違いは最終追いの時計。6F82.5〜5F67.3〜4F53.2〜3F39.7〜1F12.5秒と速い時計が出ましたから、これはNHKマイルCのパターンです。あとは距離だけでしょう。
好走パターンで追い切ったラウダシオン(1月27日撮影)
【シルクロードS/ライトオンキュー】
北海道シリーズでの好走が目立っていますが、重賞勝ちは京阪杯。当時の調教内容を振り返ると、かなり早い段階から時計を出し、1週前追い切り、その週末、そして最終追い切りと坂路での2Fがすべて23秒台。もともと追い切りでの動きが素晴らしい馬ではありますが、3本続けてこんな動きをすることが重賞勝ちのパフォーマンスにつながると判断してよさそうです。
今回は1週前追い切りと最終追い切りが坂路で2F23秒台。週末追い切りは課せられていなかったので、時計が出ていないということになります。スプリンターズSの時は最終追い切りが4F54.3秒と全体時計が遅いのに、2Fが24.7秒とこれまた遅い時計だったのがどうかと思いましたが、そういった意味では今回の方が勝った京阪杯とよく似た仕上げ。個人的には坂路での動きを見ていると、左回りもかなり合うと思います。
◆次走要注意
・1/23 3歳新馬【トラストドーベル】(2人4着)
調教VTRでの動きを見ていると、いかにも芝向きの走法でしたが、雨で軽いダートなら大丈夫と判断して本命。ただ、結果的に1800mが2分も要してしまうようなダートで最後は伸び切れませんでした。これは芝替わりでの一変に期待します。
[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップなら勝ち負け。
◆開催おすすめの調教適性
<東京芝2000m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ
○週末追い切り以降の坂路馬場で4F目最速ラップ
☆最終追い切りが坂路馬場で2F目以降12.9秒以下
レース数は少ない条件ですが、開幕週のメインレース。昨年の白富士Sは8番人気、9番人気、5番人気の決着でしたが、◎○、◎○、○の調教適性に該当していました。☆に関しては、該当好走はなかったものの、2019年1回東京開催では好走例があり、2020年も人気薄で掲示板という馬がいたので、今年は馬券圏内の好走があっても、と調教条件を掲載しておきました。
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