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【根岸S予想】米国色濃い血が騒ぐ、産駒初のJRAダート重賞制覇へ

  • 2021年01月30日(土) 18時00分

ロードカナロアが典型的なダート巧者になっていた可能性


 種牡馬ロードカナロアは、まだJRAのダート重賞を勝っていないことで知られる。アーモンドアイ、サートゥルナーリア…などが大活躍。海外及びダート交流重賞を含むと、すでに通算40の重賞を制しているが、ダート交流重賞は2020年のJpnII兵庫CSを勝った現4歳バーナードループの1勝にとどまる。

 しかし、出足好調の今年は、全国種牡馬総合ランキング目下1位(1月29日終了現在)であり、JRAのダート限定ランキングも2020年は4位だったが、今年は現在少差の2位に進出している。トップホースが芝の重賞に集中するだけのことでロードカナロア産駒がダート不得手なわけではない。さすがにそろそろ初重賞制覇の時期にきている。

 ロードカナロア(父キングカメハメハ)自身の血統背景は、父母両系ともにアメリカ色が非常に濃く、とくに母方に配されてきた種牡馬はStorm Catストームキャット…Cormorant(リボーの孫)…In Realityインリアリティ…とさかのぼり、5代母Syrian Seaシリアンシー(父ボールドルーラー)は怪物セクレタリアトの全姉になる。父が万能型のキングカメハメハでなかったら、典型的なダート巧者だったかもしれないほどである。

 ステルヴィオは初ダートなので、さすがに昨年の勝ち馬モズアスコット(初ダートながらGI安田記念馬)のようにいくかの心配もあるが、レッドルゼルの全6勝はダート1200-1400m。東京コース【1-1-0-0】。古馬オープンでも前走のGIIIカペラS小差2着など【2-2-0-1】。あと一歩で重賞制覇がみえている。迫力の末脚が東京で生きるだろう。

 レッドルゼルの7代母Black Helenブラックヘレン(USA産。22戦15勝)は、ダートの活躍馬として多くの名馬物語に登場する米殿堂入りの名牝で、その母は世界を代表する繁殖牝馬La Troienneラトロワンヌ(FR産)。

 もう5代血統表からはみ出てしまう世界だが、武蔵野Sを連勝し、メイセイオペラの勝った1999年のフェブラリーS2着のエムアイブラン(12勝)の5代母がブラックヘレンであり、2020年のフェブラリーSを16番人気で2着したケイティブレイブの7代母ベイビィリーグは、ブラックヘレンの半妹になる。

 レッドルゼルの相手は、距離適性、目下のデキの良さ、負担重量を重視して、ヘリオス、スマートダンディー、テイエムサウスダンが本線。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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