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【早春S予想】一族得意のコースで好勝負を期待

  • 2021年02月05日(金) 18時00分

大種牡馬がもたらす輸入牝馬の多様性と価値


 2月4日終了時点で、全国種牡馬総合ランキングは滑り出し抜群のロードカナロアがトップだが、先週、東京で6勝(中京、小倉を合わせると9勝)もした常勝ディープインパクトが、早くもスパート開始。東京メインの早春ステークスには6頭もの出走馬を送り込んできた。

 17歳の若さで早世したこともあるが、他の種牡馬の晩年に見られることの多い産駒の活力の陰りがまったくない。今年で10年連続ランキング1位のあと、さらにもう2、3年首位堅持も可能だろう。事実上の最終世代は今年の2歳馬(現在までの血統登録数109頭)になる。

 早春Sの出走馬は、サトノラディウス、ゼーゲン、リリーピュアハート…などの6頭、いかにもディープインパクト産駒らしく、その母はみんな外国産馬。伏兵パルクデラモールの母レディシャツィは南米ペルーのダービー馬(ダ2400m)で、ペルーとUSAで17戦7勝。ペルー3歳牝馬チャンピオンであると同時に、ペルーの年度代表馬だった。

 サンデーサイレンス、その代表産駒のディープインパクトがあれほど大成功(活躍)しなかったら、輸入牝馬はこれほど多様で、かつ、ここまでレベルは高くならなかっただろうと考えられる。大種牡馬の存在は大きい。

 リリーピュアハートの母リリーオブザヴァレー(2007年生、父ガリレオ)はフランス産。3歳秋のG1オペラ賞2000mで、オークス馬ソウルスターリングなどの母スタセリタ(仏米でG1・6勝)を破った星がある。リリーピュアハートの全兄ヴァンキッシュランは、東京2400mの青葉賞1着など8戦【3-3-1-1】のまま故障で引退し、今年2021年に2歳馬をデビューさせる新種牡馬。

 リリーピュアハートの全3勝中の2勝は東京2400m【2-0-0-1】で、スタートでつまずいて置かれる不利のあったオークス9着はデアリングタクトと0秒7差だった。全兄と同様、東京2400mに対する適性は高い。前走(阪神2400m)も格上がりで0秒3差だけ。得意の東京でハンデ53キロなら好勝負だろう。

 直前の併せ馬では遅れたが、大きく追いかけてのもの。ここを目標にピタリと仕上がっている。

 同じディープインパクト産駒のサトノラディウス、同馬が勝った1年前の箱根特別(東京2400m)で0秒1差2着のパルティアーモが相手本線。ハーツクライ産駒の上がり馬レティキュールのほか、人気薄のディープインパクト産駒を買いたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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