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【共同通信杯予想】共同通信杯の+1キロ組

  • 2021年02月09日(火) 12時00分

加増なし組と回収率を比較すると…


 今年の共同通信杯、人気になるのはおそらく朝日杯2着のステラヴェローチェだろう。

 この馬を評価する場合、まずは斤量1キロ増の57キロという点について考えなくてはならない。

 1キロ加増された馬の成績は牡馬56キロが基本となった2003年以降で[4-3-1-15]。他に+2キロで勝ったストーミーカフェがいる(2005年)。[4-3-1-15]は勝率17.4%・複勝率34.8%となり、加増なし組の勝率7.3%・複勝率25.1%よりも高い。少し背負ったところでグループとしての能力差がより強く作用する、ということだ。

 ただ、回収率は加増なし組が単61%・複87%に対し、+1キロ組は単45%・複33%。比較しないでも後者の低さは明らかだ。人気になるのでよほどの頻度で上位に来ないと回収率は整わない。

 さらに、+1キロ組のうち前走が1600mだった馬は[0-2-0-8]で複回収率22%。+2キロだったストーミーカフェを入れても[1-2-0-8]で回収率が単20%・複30%。正直馬券上の魅力があるとは言い難い。

 能力があることは明らかな馬なので完全に切ることは難しいにしても、2・3着までに終わることを意識した3連単を組もうかと個人的には考えている。

 ちなみに、+1キロで連対した2003年以降の馬7頭のうち前半の3頭には後のGI馬が1頭(アドマイヤムーン)しか入っていないが、直近の4頭はディープブリランテ、ゴールドシップ、イスラボニータ、アドマイヤマーズとすべてそれ以降のGIを勝っている。ステラヴェローチェがここでも連対してくるようだといよいよリアルにGI級の期待がかかるということになるが、それはまた後のお話である。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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