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愛国障害の祭典ダブリン・レーシング・フェスティヴァル

  • 2021年02月10日(水) 12時00分

10馬身差の圧勝で10連勝を飾る快挙


 この時季恒例の「ダブリン・レーシング・フェスティヴァル」が、2月6日と7日の両日にわたってレパーズタウン競馬場で開催された。

 初日の準メインとして行われた、スティープルチェイス2マイル路線のG1ダブリンチェイス(芝17F57y)は、オッズ1.4倍の圧倒的1番人気に推されたシャカンプルソワ(セン9、父ポリシーメイカー)が、後続に8馬身差をつけて快勝。前年に続くこのレース連覇を果たした。

 仏国産馬で、祖国で4戦1勝の成績を残した後、16/17年シーズンから愛国のウィリー・マリンズ厩舎に加入したシャカンプルソワ。小さな故障が次々と発生し、ようやく出走態勢が整ったのが19年3月で、シャカンプルソワは3年ぶりの出走となったナースのビギナーズチェイス(芝16F)を31馬身差で快勝。これを皮切りに6日のダブリンチェイスまで7戦し、6勝をマーク。G1制覇は、19年5月のG1ライアンエアノーヴィスチェイス(芝16F)、昨年のG1ダブリンチェイス、前年2着の雪辱を果たした昨年12月27日のG1パディーズリワーズクラブチェイスに続き、4度目となった。

 次走は、昨年は蹄を傷めて出走出来なかった、チェルトナムフェスティヴァル2日目のG1クイーンマザーチャンピオンチェイス(芝15F199y)の予定で、ブックメーカーの前売りではオッズ1.67〜1.91倍の圧倒的1番人気に推されている。

 初日のメイン競走として行われた、ハードル2マイル路線のG1愛チャンピオンハードル(芝16F)も、オッズ1.91倍の圧倒的1番人気に推されていたハニーサックル(牝7、父スラマニ)が、2着以下に10馬身差をつけて圧勝。このレース前年に続く連覇を果たすとともに、ハードルデビュー以来継続している無敗の連勝記録を“10”に伸ばした。

 愛国南部のウォーターフォード郡を拠点とするヘンリー・ド・ブロムヘッド厩舎から、18年11月にハードルデビューしたハニーサックルは、18/19シーズンが4戦し、G1メアズノーヴィスハードルCSファイナル(芝20F)を含む4連勝。2季目の19/20年シーズンも4戦し、G1愛チャンピオンハードルやチェルトナムフェスティヴァルのG1メアズハードル(芝19F200y)を含む4連勝。そして、今季初戦のG1ハットンズグレースハードル(芝20F)に続き、6日のG1愛チャンピオンハードルを制して10連勝を達成している。

 次走はチェルトナムフェスティヴァル初日(3月16日)のG1チャンピオンハードル(芝16F87y)の予定で、ここで昨年のG1チャンピオンハードルを含むG1・3勝馬エパタン(牝7、父ノーリスクアットオール)との、牝馬頂上決戦が実現する。ブックメーカーは、この2頭に3.0〜3.5倍のオッズを掲げ、横並びの1番人気としている。

 そして、2日目(7日)のメイン競走として行われたスティープルチェイス3マイル路線のG1愛ゴールドC(芝24F107y)は、2番人気(3.75倍)のケムボーイ(セン9、父ヴォワドゥノール)が逃げ切りで制し、4度目のG1制覇を果たした。

 シャカンプルソワと同様に、愛国の伯楽ウィリー・マリンズが管理するケムボーイは、ハードルを1シーズン跳んだ後に、18/19年シーズンからスティープルチェイスに転身。2シーズン目の19年12月にレパーズタウンのG1サヴィルズチェイス(芝24F)を制しG1初制覇。同シーズン終盤には、エイントリーのG1ベットウェイボウルチェイス(芝24F210y)、パンチェスタウンのG1パンチェスタウンゴールドC(芝24F120y)を連勝している。19/20年シーズンは一転して未勝利に終わったが、今季は、前走G1サヴィルズチェイスで2着になった後、G1愛ゴールドC制覇と、調子を取り戻している。

 チェルトナムフェスティヴァルでは、3日目のG1ステイヤーズハードル(芝23F213y)と4日目のG1ゴールドC(芝26F70y)に登録がある同馬だが、チェルトナムはこれまで4度走り、5着、4着、落馬、7着と相性が悪く、マリンズ師は4月8日にエイントリーで行われるG1ベットウェイボウルチェイスに向かう可能性を示唆している。

 これから、シーズン終盤のビッグレースが相次ぐ欧州障害競走に、日本の皆さまもぜひご注目いただきたい。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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