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【フェブラリーS予想】今年はダート界の新星が優勢!?

  • 2021年02月14日(日) 18時00分

■フェブラリーS(GI・東京ダ1600m)フルゲート16頭


★3行でわかる! フェブラリーS 攻略の糸口

1.人気サイドが強いコース&レース。7〜9番人気も狙い目。
2.外枠重視の姿勢を推奨。最速上がり馬は2〜3着が多い
3.前走馬体増5歳馬距離短縮組継続騎乗栗毛も◎!

データ特注推奨馬
 ★レッドルゼル


 荒れるときはドカン!と荒れるフェブラリーS。昨年も最低人気のケイティブレイブが2着に激走して、ファンをアッと言わせている。それだけに波乱傾向が強いイメージなのだが、実際には人気サイドが強く、人気薄もふたケタ人気馬は狙わないほうがいい──という傾向のレースだったりする。ふたケタ人気馬はトータル[1-1-0-66]で複勝率2.9%と、実際にはそれほど上位にきていないのだ。

 コースの特徴もしっかり馬券に反映させておきたいところ。東京ダ1600mは、よく知られているように「外枠有利」なコース。長く芝を走れる馬番13〜16番に、多少なりとも芝をこなせるタイプの馬が入った場合は、高く評価してしかるべきだ。また、勝ち負けに速い上がりが要求されるタイプのコースではあるが、最速上がり馬が2〜3着に負けるケースが多いというのも特徴。中団よりも前で競馬できる馬のほうが、勝率や連対率は高い。

 特注データとして当欄で掲載するのは、前走での「馬体重増減」別での成績。ご覧のとおり、前走がプラス体重だった馬が非常に強い。信頼度が高いのはもちろん、回収値も大台である100を超えているのだから文句なし。こちらは、人気薄でも狙ってみる価値アリといえる。逆に、前走がマイナス体重だった組で狙えるのは「上位人気馬」のみ。4番人気以下に限ればトータル[0-1-0-45]と、全滅に近い惨状なのだ。

 あとは、5歳馬や距離短縮組、鞍上の継続騎乗、栗毛と栃栗毛の馬も強いので、ぜひ覚えておいてほしい。データ特注推奨馬にあげたのは、前走で根岸Sを制しているレッドルゼルだ。ダ1400mからの距離延長となるのがマイナスではあるが、それを補ってあまりある強調材料の多さ。勢いに乗ってのGI制覇を期待する。

【コース総論】東京ダ1600m

・コースの要所!

★基本的に人気サイドが強いコース。穴馬の妙味があるわけではない点に注意。
★1レース単位で気にするほどではないが、やはり外枠のほうが少しだけ有利。
★瞬発力の要求度が高いダート戦。速い上がりを繰り出せるのは、大きな武器。





 バックストレッチ、2コーナー奥の引き込み線がスタート地点。芝を150m以上も走ってからダートコースに進入する形態で、しかも外枠のほうが芝の区間を走る距離が長いため、序盤でスピードに乗せやすいという特徴がある。芝コース適性もある先行タイプが外枠に入った場合には、序盤からかなり有利に立ち回れるはず。逆に、芝がまったくダメというタイプだと、このメリットをまったく活かせないので注意が必要だ。

 まずは人気別成績だが、基本的に人気サイドが強いコースであるのは間違いなし。1番人気は、2着が56回に対して1着が100回と、キッチリ勝ちきっている。3番人気以内の複勝率は50.0%を超えており、複勝回収値も優秀だ。もっとも妙味があるのは中穴である4〜6番人気で、単勝適正回収値がもっとも高いのもこのゾーン。7番人気以下も相応に馬券に絡んではいるが、その内容は可もなく不可もなしといったところか。

 次に枠番について。前述したように「芝をこなせる馬ならば外枠のほうが有利」なコースで、実際にデータを確認しても、外のほうが少しだけ高信頼度。馬番01〜04番だけがギャップ値マイナスであるのに、このコースの特徴がよく出ている。1レース単位で気にするほど大きな差ではないが、馬券を買う回数が上がれば、これを意識しているかいないかで大きな差が出ることだろう。

 脚質面は、データ上では先行勢優勢といえる内容なのだが、クラスが上がるにつれて差し優勢にシフトしそう。逃げた馬よりも先行勢全体のほうが高信頼度であることや、最速上がり馬の連対率が50%以上もあるのが、その証明だ。4コーナーを11番手以下で回った馬が、これほど勝てるダートコースは珍しい。最後の直線も長く、瞬発力の要求度が非常に高いのは間違いない。

【レース総論】フェブラリーS(GI) 東京過去10回

・レースの要所!

★人気サイドが強く中穴はイマイチ。最低人気が2連対と大穴の激走も多い一戦。
★コースデータ以上に外枠の強さが目立つ。馬番13〜16番はプラス評価の対象。
★最速上がり馬は高確率で馬券に絡むも2〜3着が多い。勝率が高いのは先行勢。
★5歳馬や距離短縮組、継続騎乗組の強さが目立つ。最後に迷ったら栗毛を選択。










 レースの平均配当は、単勝3349円、馬連1万4784円、3連複2万342円という尋常ならざる高さ。2014年のコパノリッキー(16番人気1着)と昨年のケイティブレイブ(16番人気2着)と、最低人気が2回も連対していることで、平均値がグンと押し上げられている。いかにも波乱傾向が強そうだが、[4-2-2-2]の1番人気を筆頭に、上位人気の信頼度はかなりのもの。回収値も非常に高く、トータルでみれば人気サイドのほうが強い。

 実際に人気別成績を確認しても、中穴ゾーンの4〜6番人気は複勝率20.0%、複勝回収値66というイマイチな結果で、10〜12番人気も[0-0-0-30]と全滅。実際にもっとも妙味があるのは、7〜9番人気である。「二度あることは三度ある」だけに断言まではできないが、ふたケタ人気は軽視して、人気サイドから7〜9番人気に流すような馬券が、ここは正解となることだろう。

 枠番データでは、外枠に入った馬がコースデータ以上の活躍をみせている。具体的にいえば、馬番13〜16番がトータル[6-5-0-37]で複勝率22.9%、複勝回収値162という、素晴らしい結果を残しているのだ。単純に内外を比較したデータにおいても、外のほうが高信頼度かつ高回収率。ギャップ値が飛び抜けて高いのも馬番13〜16番と、外に入った馬を重視したほうが好結果を呼び込めそうだ。

 注意したいのが脚質面。瞬発力の要求度が高いコースで、実際にレースデータでも、最速上がり馬は連対率58.3%、複勝率83.3%という鉄板級の信頼度を誇っている。しかし、[2-5-3-2]という結果を見てもわかるように、2〜3着に取りこぼすケースが多いのである。最速上がり馬が勝ったのは、過去10年で2回だけ。勝率や連対率が高いのは、4コーナーを5番手以内で回った先行勢のほうなのである。

 年齢別成績では、連対率と複勝率のいずれも頭ひとつ高い5歳馬に注目。昨年は4頭が出走してすべて4着以下に終わったが、上位を独占した年もある。同様に4歳馬も勝率や回収率が高く、ここは実績で勝る古豪よりも、若くて勢いのある馬のほうが狙ってオイシイ印象。ただし、7歳以上馬も6回の馬券絡みがあるように、高齢馬がダメというわけではない。昨年は、1〜4着までを6歳以上馬が独占している。

 前走に関しては、東海Sや根岸Sといった前哨戦を使われてきた組、もしくはチャンピオンズCからの直行組が優勢。勝ち馬のほとんどが、このパターンに該当している。川崎記念や東京大賞典といった交流重賞からのローテは、1着は少ないが2〜3着が多いのが特徴だ。前走距離別では、根岸Sなどからの距離延長組よりも、東海SやチャンピオンズCからの距離短縮組のほうが優勢であるのを、しっかり覚えておきたい。

 因果関係のよくわからない系の小ネタからは、「明るい毛色の馬が強い」というデータを紹介したい。具体的にいえば、栗毛&栃栗毛の馬が妙に強く、しかも人気薄で穴をあけているのだ。ちなみに昨年の1〜3着馬であるモズアスコット、ケイティブレイブ、サンライズノヴァの3頭は、いずれも栗毛。一昨年の1着馬インティと3着馬ユラノトも栗毛、2018年の勝ち馬ノンコノユメも栗毛。本当によくわからないレベルの強さだ。

 最後に騎手関連データだが、ここはGIらしく継続騎乗組が好成績。複勝回収値については乗り替わり組のほうが高いが、信頼度の差を考えると、継続騎乗組を重視したほうがいいと思われる。あとは、関東所属騎手の成績が低調で、関西所属騎手や外国人騎手のほうが信頼度が高いというのも、覚えておきたいポイントである。

【血統総論】


 収得賞金から出走が可能と思われる16頭は、父がすべてバラバラ。あまりにも珍しいケースなので、すべてをズラリと掲載してみた。なかなか甲乙つけがたいラインナップなのだが、内容の優秀さからプラスに評価したのは、ヘニーヒューズ産駒(ワイドファラオ)とキングカメハメハ産駒(エアスピネル)、シニスターミニスター産駒(ヤマニンアンプリメ)。信頼度と回収値の両方が高いので、要注目である。

★特別登録馬 総論×各論

 前哨戦である東海Sをオーヴェルニュが、根岸Sをレッドルゼルがそれぞれ制するなど、ダート界の新旧交代が進んでいる印象。サンライズノヴァ、インティ、ワンダーリーデルといった「古豪」が勝つのか、それとも勢いに乗った新星がここも制するのか。南関東からはミューチャリーも参戦して、16頭による熾烈な戦いが繰り広げられそうだ。

 トップ評価は、特注データ推奨馬にもあげたレッドルゼル。根岸Sからの距離延長組であるのが懸念材料ではあるが、距離延長はこなせそうな印象を受ける。東京ダ1600mはこれが初出走となるが、東京コースに向く決め脚の鋭さは証明済み。芝をこなせる素養があるのは、外枠に入った場合にプラスに働く。5歳馬であることや川田騎手が継続騎乗予定であるのも、このレースで勝ち負けするうえでの強みといえる。

 二番手評価に、3連勝で東海Sを制したオーヴェルニュ。スッと前の位置を取れる出脚とセンスのある馬で、前々からの押し切りが多いフェブラリーSにも向きそうなタイプ。ただしこちらは、東京ダートでの好走実績がないのが割引材料となる。あとは、1週前の段階でまだ「騎手未定」というのも、GIという大舞台を考えると不安が残る。魅力と不安の両方がある──というのが正直なところか。

 三番手評価にサンライズノヴァ。昨年のフェブラリーSでは、この馬らしく素晴らしい末脚で追い込んできた。脚質が脚質だけに展開に左右されるが、東京ダ1600mはこの馬の持ち味を生かせるベストの条件。混戦模様となりそうな今年ならば、久々のダートGI制覇も十分にありうる。このレースで異様に強い「栗毛」のパワーを、今年もぜひ見せてほしいものだ。

 四番手評価にソリストサンダー。じつはこのレースに「前走ダ1700m組」が出走するのは、過去10年で一度もない椿事だったりする。前走ローカル場で出走しているような組に勝てるレースではない──といってしまえばそれまでだが、2走前には武蔵野Sでサンライズノヴァと僅差の2着に好走しているのだから、侮れない側面アリ。東京ダートでの好走実績もあり、人気薄になりそうな馬ではもっとも食指が動く。

 以下はワンダーリーデル、アルクトス、ミューチャリー、インティ、ワイドファラオという評価の序列。あとは枠番次第、当日の人気次第である。個人的には、極端な人気薄や「前走マイナス体重の4番人気以下馬」は、徹底的に軽視するスタンスでいきたいところ。その上で、それなりに張り合いのある配当を狙っていく所存だ。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



なんかメチャ悔しいんだが(#^ω^)ビキビキ

もう完全に「荒れる」という前提で買っているのは、馬券画像をご覧のとおり。あれだけ「内の中穴を買え」と繰り返した以上は、そりゃ買いますよ。そうしたら、内の大穴04カテドラルが飛んでくるという(唖然)。けっこうクサいと思っていて、でも直前で12番人気だからここからは入れず、悶絶。絶対に獲れた馬連万馬券だよなあ……。

※コース&血統データは2017年以降、レースデータは2011年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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