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【ダイヤモンドS予想】東京の長距離戦は荒れるのが伝統

  • 2021年02月19日(金) 18時00分

6歳のいまようやく本物になった馬とは…


 2020年の勝ち馬ミライヘノツバサ(16番人気)、2012年の勝ち馬ケイアイドウソジン(15番人気)が物語るように、典型的なステイヤーの少ない近年の長距離戦は伏兵が台頭して当然であり、難解なのがごくふつうのパターン。もともと東京の長距離戦は荒れるのが伝統で、秋の天皇賞が3200mだった当時、頭数は必ずしも多くなかったのに、1番人気馬が「18連敗」もした歴史がある。また、今回は有力馬の乗り替わりが多すぎる。

 実績は下でも、屈腱炎を克服して立ち直り、6歳の今春復活を示すナムラドノヴァン(父ディープブリランテ)を狙いたい。4歳2月、今回と同じ内田博幸騎手が乗って東京2400mの箱根特別(当時1000万下)を上がり33秒1で差し切ったあと、屈腱炎で5歳夏まで1年5カ月の長期ブランクがあった。

 戦列に戻って半年、3勝クラスで【0-0-0-6】と立ち直れないでいたが、格下馬として挑戦した今年1月の万葉Sを3分03秒9の好時計で快勝、見事に復活した。中京の3000mは使われていない距離で、基準タイムになるが、万葉Sが京都3000mのオープン特別として行われてきた1997年-2020年の間にこれより速い勝ち時計はなく、阪神大賞典3000mに3分03秒5(2020年の0秒5差6着)の好タイムを持つ、今回も対戦するタイセイトレイルを差し切って3着に下しているから、見事なオープン特別勝ちだった。

 ここまでの4勝、2着2回はすべて2200m-3000m。父ディープブリランテの産駒は、日経新春杯2400m制覇のモズベッロ、中山金杯のセダブリランテス、牛若丸ジャンプSのヒロシゲセブンなど、総じて長丁場は苦にしない。また、ナムラドノヴァンの祖母Punctiliousパンクティリオス(父デインヒル)は、ヨークシャーオークス(12F)1着,愛オークス(12F)2着など長距離をこなし、3代母Robertetロベルテ(父Robertoロベルト)は、仏ドーヴィル大賞(2500m)1着、仏ロイヤルオーク賞(3100m)3着など長距離向きだった。

 脚部難で1年以上も休んだので、6歳とはいえ、いまようやく本物になったとしていい。

 負担重量51→53キロなら、引き続き軽量。連対6回はすべて左回り「中京、新潟、東京」に限られるサウスポーであり、今回は東京で勝っている内田博幸騎手に戻った。快走の期待をしていいだろう。

 3走前の2600mの快レコードが光るポンデザール、今回は軽快に動いたボスジラ、同じく好調教のオーソリティ本線に、伏兵にも注意したい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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