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【フェブラリーS】カフェファラオはダート路線の主役として長く活躍するだろう

  • 2021年02月22日(月) 18時00分

キャリアを積むごとに心身ともにタフに成長するだろう


 一連のダートGIで快走してきたビッグネームが少なかったため、全体レベルはあまり高くないのではないかとされ、上位人気は割れた。その中で1番人気に支持されることになった、ただ1頭の4歳馬カフェファラオ(父American Pharoah)が1分34秒4の時計で抜け出して快勝。大きく展望の広がる新チャンピオンとなった。

重賞レース回顧

カフェファラオが新チャンピオンに君臨した(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規


 一方、わずか2頭だけの出走だった8歳馬エアスピネル(父キングカメハメハ)、ワンダーリーデル(父スタチューオブリバティ)が快走して、2着、3着に健闘。

 映像では、サウジアラビアで鮮やかなワン・ツーを決めた6歳コパノキッキング、7歳マテラスカイのスプリント戦、さらには3歳の1勝馬ピンクカメハメハが抜け出したサウジダービー、残念ながら流れに乗れなかった6歳チュウワウィザードのサウジCのレースが流れるなど、きわめて多彩なダート戦が展開された日となった。

 4歳カフェファラオの記録した1分34秒4(前後半46秒5-47秒9)は、2016年にモーニンが記録した1分34秒0(重馬場)に次ぐレース史上2位、良馬場ではフェブラリーSの最速タイムだった。1997年にGIとなったこのダート重賞を制した4歳馬は、2006年カネヒキリ、2009年サクセスブロッケン…など、25年間に合計「9頭」もいて、ダートGI路線の主役として長く活躍するケースが多い。

 2003年に4歳で勝ったゴールドアリュールは、4-5歳時に連勝したコパノリッキー、2017年にはゴールドドリームの父となり、父子制覇を達成。種牡馬としても大成功した。

 2015年の米3冠馬American Pharoahアメリカンファラオ【9-1-0-1】は、2017年生まれの初年度産駒からダノンファラオ(ジャパンDダービー)、そして今回のカフェファラオ(フェブラリーS)。日本でも2頭のGI勝ち馬を送り、同じ初年度産駒のFour Wheel Driveフォーウィールドライブ(4戦3勝)は今春から日本で種牡馬としてスタートする。

 この種牡馬は、前出の名種牡馬ゴールドアリュール(父サンデーサイレンス、母ニキーヤ)と同じファミリー出身になる。ゴールドアリュールの3代母ヴェイグリーロイヤル(1974年)は、輸入されたフォーウィールドライブの5代母でもある。

 カフェファラオは、これで東京ダート1600m【3-0-0-0】。好スタートから好位のインで流れに乗り、終始スムーズだった。毛を刈ったせいかダート巧者のベテランホースの中に入るとまだ若く未完成の印象を与えたが、着差以上に危なげないレース内容だった。

 今後、ダートのビッグレースが集中する1800-2000mに対する不安はないと思える。ただ、時計を要する交流GIのタフなダートコンディションはちょっと気になるが、キャリアを積むごとに心身ともにさらにタフに成長するだろう。

 2着に突っ込んだ8歳エアスピネルは、7歳の昨年からダートに転じてダート【0-2-1-2】。もまれる位置からシャープに伸びて、上がり35秒2はメンバー中の最速。きわめて惜しいレースだった。母の全兄エアシェイディ(父サンデーサイレンス)は、9歳春の日経賞を2着の星もある。ベストのマイル戦ならこのあともまだ活躍できるだろう。

 同じく8歳ワンダーリーデルも元気いっぱいだった。最近の好走パターンの追い込み策ではなく、勝ったカフェファラオをマークする積極策で、インからしぶとく伸びて0秒4差だけ。激しいレースを戦い抜いてここが36戦目。GIであわやのシーンを演出したから素晴らしい。横山典弘騎手の「ここまで仕上げた厩舎スタッフも、馬もすごい」のコメントが印象的だった。

 4着レッドルゼル(父ロードカナロア)は、最後までしっかり伸びて上がり35秒5は2位タイ。苦しくなってからもあきらめずに伸びていた。今回が初の1600mだったから価値がある。まだ5歳なので、出走できるレースの幅が確実に広がった。

 2番人気に支持されたアルクトス(父アドマイヤオーラ)は、落ち着いて身体をゆったり見せる好気配。スムーズな好位追走から伸びかかったが、追い比べになって失速してしまった。クラスが上がってからここまでは、絶えずレース間隔を取っての出走だったが、体質強化の今回は根岸Sを叩いての中2週での出走。追い切りでの反応の良さから万全に近いと思えたが、勝負どころから反応できなかったあたり、目に見えない前走(59キロで激走)の疲れが少なからず影響したということか。立て直して巻き返したい。

 残り200mまで先頭を奪い返して見せ場を作った5着のエアアルマス(父マジェスティックウォリアー)は、被されるのを嫌った積極策。前半1000m通過は58秒5。途中から絡まれた結果、良馬場にしてはちょっと厳しいペースになってしまった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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