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【フェブラリーS】ルメール騎手による最初の“20秒”が全てを決めた

  • 2021年02月25日(木) 18時00分
哲三の眼

無観客でもウイニングランはしっかりと(撮影:下野雄規)


今年最初のGI、フェブラリーSで勝ったのは1番人気のカフェファラオでした。結果だけを見れば1番人気の馬が順当に勝利したレースですが、その裏には勝つべくして勝ったルメール騎手の驚くべき技術があると哲三氏は言います。特に注目したのはスタート後の20秒。そのわずかな時間でルメール騎手が見せた勝利への方程式を哲三氏が解き明かします。

(構成=赤見千尋)

展開を読むのではなく、展開を“作った”


 JRAでの今年最初のGIフェブラリーステークスは、1番人気カフェファラオが強いレースを見せてくれました。騎乗したクリストフ(・ルメール騎手)はいつも巧いですが、今回の騎乗はパーフェクトだったと感じます。これまで勝って来たGIレースの中でも、思い描いたものがパーフェクトに近い形で表現出来たのではないでしょうか。

 当日のダートの馬場状態、その中でどこを通った方がいいのかということだったり、メンバー構成や枠の並びを踏まえての相手へのプレッシャーの掛け方だったり。プレッシャーを掛けつつ、自分の馬をどう活かすかというところも含めて、すべてパーフェクトだったように僕には見えました。

 若干スタートダッシュはついていなかったけれど、やや追っ付けて行って、先行しようとする馬たちにプレッシャーを掛けました。ハナを切った松山(弘平)君、少し外にいる馬たちも先行するタイプで、その馬たちに楽に先行させていない。

 好スタートを切ってハナに立つと、すぐに抑えてスローペースにしようとするジョッキーもいます。おそらく息を入れて楽をしようという考えなのでしょうが、それだと周りの馬たちにとっても楽なんです。クリストフは

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1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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