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【弥生賞ディープインパクト記念予想】今年は堅いほうの弥生賞に!

  • 2021年02月28日(日) 18時00分

■弥生賞ディープインパクト記念(GII・中山芝2000m)フルゲート18頭


★3行でわかる! 弥生賞DI記念 攻略の糸口

1.狙ってオイシイのは4〜6人気や7〜9人気。中穴狙いで!
2.勝率や連対率が高いのは真ん中より外。脚質は前優勢
3.前走最速上がり前走1人気距離延長関西騎手も◎!

データ特注推奨馬
 ★ダノンザキッド

 クラシック制覇を目指す、世代トップクラスが集う弥生賞DI記念。昨年のように、上位人気がキッチリ上位を独占するようなケースもある。しかし、1番人気は[4-2-0-4]とイメージほど強くはなく、内容的には2番人気のほうが優秀なほど。また、意外に「中穴」が強いというのも特徴で、4〜6番人気や7〜9番人気あたりは狙ってみる価値が大いにある。堅く決まる年なのか、それとも波乱が期待できる年なのかを、しっかり見定めたい。

 そして、内枠有利ではないという点にも注意が必要だろう。少頭数となるケースが多いレースなのだが、それでも内枠の勝率や連対率は意外なほど低め。複勝率だけは高いので「内枠の人気薄を3着で狙う」のはアリだが、1着候補や2着候補は、中〜外枠に入った馬から選んだほうがいい。脚質については、中山芝らしく「前」が優勢。中団よりも前のポジションが取れる馬を重視して、馬券を組み立てたい。

 あとは、前走での上がりが最速であること、前走1番人気に推されていること、前走で芝1600mや芝1800mに出走していた距離延長組、1〜2月の早生まれ、関西所属騎手が騎乗することなども、弥生賞ではプラスとなる材料。現時点では、断然の1番人気に推されるであろうダノンザキッドが、データ特注推奨馬となる。今年は「堅く決まるほう」の弥生賞になる──というのが見立てだが、果たしてどうか。

【コース総論】中山芝2000m Aコース使用

・コースの要所!

★人気サイドの信頼度が高めのコース。10〜12番人気の「3着付け」も狙い目。
★外枠のほうが好成績で少なくとも内枠有利ではないコース。勘違いに注意!
★上がり最速馬は好成績も、やはり先行勢が優勢。予想の軸足は前に置きたい。





 中山芝2000mは、4コーナーを回って直線に入ったところがスタート地点。最初のコーナー進入まで400m以上あることや、スタート直後に急坂が待ち構えていることなどから、序盤のラップはそう速くはならない傾向にある。起伏が小さめの内回りコースを走るが、中盤以降は息を入れるポイントが少なく、一貫して速めのラップが刻まれる。この流れでも踏ん張れるような、スタミナや底力が要求されるコースである。

 総合力を問われるコースであるためか、人気サイドの信頼度が高め。1番人気を筆頭に、上位人気は優秀な結果を残している。中山なので展開的な紛れは相応にあるが、人気薄で目立っているのは「10〜12番人気の複勝率の高さ」程度で、狙い打つのはなかなか難しそうなイメージ。穴を買うにしても、人気サイドからのヒモとして狙ったほうが効率はいいと思われる。

 注意したいのが枠番。中山芝というだけで「内枠有利」というイメージだが、中山芝2000mはそのパターンに合致しない。極端に大きな差があるわけではないが、じつは外枠のほうが高信頼度で、回収値も高いのだ。少なくとも、外枠が割引材料になるコースではないのは間違いなし。脚質にもよるが、外枠のほうがいいケースも意外に多いというのを、しっかり覚えておきたい。

 脚質面はおおむねイメージ通りで、やはり先行勢が優勢。上がり最速馬は優秀な結果を残しているが、それでも差し優勢といえるほどではない。前々からの押し切りがもっとも多い勝ちパターンで、逃げた馬がそのまま逃げ切るケースも少なくはないコース。逆に、道中で後方に置かれてしまうと、勝ち負けに持ち込むのはかなり難しい。予想の軸足を、ここでは「前」に置いておきたい。

【レース総論】弥生賞DI記念(GII) 中山過去10回

・レースの要所!

★人気馬が強いが、狙ってオイシイのは4〜6番人気や7〜9番人気などの中穴。
★勝率や連対率が高いのは外で、複勝率が高いのは内。トータルでは外が優勢。
★脚質面はかなり「前」が強いが、前走で最速上がりだった馬は買うのが正解。
★前走1番人気馬や距離延長組が好成績。関西所属騎手の活躍も目立っている。










 牡馬クラシックの登竜門と呼ぶにふさわしいレースが、弥生賞DI記念。近年は少頭数になるケースが多いが、それも「勝ち負けにならない馬を出すべきではない」と考える陣営が増えたせいだろう。昨年は3番人気以内に推された馬が、そのままワン・ツー・スリー。1番人気の信頼度は並程度ながら、基本的には人気サイドが強いレースといえる。

 ただし、狙ってオイシイのは中穴。ふたケタ人気の大穴はサッパリの結果に終わっているが、4〜6番人気や7〜9番人気の好走率は意外に高く、狙っていく価値が十分にある。ちなみに一昨年は、ここが上位を独占して馬単69140円、3連単45万7370円と高配当に。堅く決まるパターンなのかそうではないのかを、出走メンバーの「質」から推測して、臨機応変に立ち回る必要性がありそうだ。

 次に枠番データ。弥生賞DI記念は出走頭数が少ない(過去10年は最高でも15頭)ので、通常とは異なるデータの区切り方をしている。面白いのが、勝率や連対率が高いのは中〜外枠で、内枠は複勝率や複勝回収値が高いという点。これもおそらく、出走頭数の少なさが大きく影響している。トータルで考えると外のほうがベターだが、3着が期待できそうな「内枠の中穴」は、しっかり押さえておくべきである。

 脚質はコースデータ以上に「前」が優勢。少頭数のレースが混じっているので、ある程度は先行勢優勢になって当然なのだが、それにしても偏っている。また、上がり最速馬と2〜3位の馬の成績差が小さいというのも、前優勢のレースである裏付けといえそうだ。しかし、過去10年で6勝をあげている「前走での上がり最速馬」は、買う価値が大アリ。オープン特別〜重賞で出されたものならば、信頼度はさらにアップする。

 前走での人気や着順については、「前走1番人気馬」がもっとも好内容。勝率24.0%で単勝適正回収値120.0というのは、高く評価してしかるべき内容だ。それとは対照的にサッパリの結果に終わっているのが、前走10番人気以下馬と前走6着以下馬。このレースにはあまり出走してこないパターンではあるが、もし出てきた場合はサクッと「消し」評価にして問題なさそうだ。

 前走でも芝2000m戦に出走していた組が多く出走してくるが、じつは前走で芝1600m戦や芝1800m戦に出走していた「距離延長組」のほうが好内容。信頼度の高さと回収値の高さを両立しているので、出走してきた場合には人気薄でも侮れない。逆に、前走芝2000m組で好走しているのは、上位人気に推された馬ばかり。人気薄での激走は期待できないパターンなので、注意が必要である。

 アノマリー系のデータからは、生まれ月別での成績を紹介したい。完成度の高さが問われる世代限定戦でもあるので、結果との因果関係がないわけでもない。ここはやはり「早生まれ」の馬のほうが強いレースで、なかでも1〜2月生まれの馬はトータル[4-6-7-19]で複勝率47.2%、複勝回収値148という抜群の成績。昨年や、マカヒキが勝った2016年など、この組が上位を独占した年もある。

 最後に騎手関連データ。継続騎乗組のほうが好成績なイメージだったが、実際は乗り替わり組との差は小さく、ほとんど気にする必要なし。それよりも、信頼度の高さと回収値の高さを両立している、関西所属騎手をプラスに評価すべきだ。外国人騎手よりも信頼度が高いというのは、けっこうなレアケース。関東所属騎手との比較では、天と地ほどの大差が出ている。

【血統総論】


 血統面では、ディープインパクト産駒、スクリーンヒーロー産駒、ロードカナロア産駒をプラス評価の対象とした。爆発力が魅力なのはステイゴールド産駒だが、産駒がいない世代なので致し方なし。今後その座を期待できそうなのは、ギャップ値がプラス圏で信頼度の高さもある、スクリーンヒーロー産駒だろうか。あとは、ロードカナロア産駒が見せているコース適性の高さも素晴らしい。今後も要注目だろう。

★出走想定馬 総論×各論

 本稿執筆段階で出走の意向が把握できているのは、わずか10頭。フルゲートが埋まることは少ないレースだが、それにしてもこの頭数はいささか寂しい。バットを振らないことには当たらないのだから、出走馬がもっと増えて欲しいというのが正直なところだ。人気を集めそうなのは、ホープフルSの勝ち馬であるダノンザキッドや、ルメール騎手が騎乗予定のシュネルマイスター、京成杯の2着馬タイムトゥヘヴンあたりか。

 現時点でのトップ評価は、1番人気になるのが確実視されるダノンザキッド。ここまで3戦して無敗で、上がりはすべて最速。東京スポーツ杯2歳SとホープフルSという、クラシックに繋がる重賞を2つも制しているのだから、人気になって当然だ。末脚のキレ一辺倒のタイプではなく、好位で流れに乗れる競馬センスのよさも、この馬の大きな長所。中山での好走実績があるというのも強みとなる。

 二番手評価にシュネルマイスター。今年は非常に少ない「芝1600mや芝1800mからの距離延長組」で、前走は1番人気1着で上がりも最速。さらにルメール騎手が継続騎乗予定であることなど、こちらも買い材料はかなり豊富だ。父のKingmanは名マイラーで、本馬も中距離の適性については未知数だが、母系に入っている欧州の血はスタミナ寄り。少頭数で落ち着いた流れになりそうなここならば、あっさりこなせる可能性が高い。

 三番手評価にゴールデンシロップ。未勝利を勝ったばかりの身で格上挑戦となるわけだが、その内容は高く評価できるもの。数少ない距離延長組であることや、前走での上がりが最速だったことなど、2月生まれであることなど、買い材料もけっこう多い。ただし、父Havana Goldなど未知数なところが多い血統で、短距離戦のほうが強いゴドルフィンの所有馬であることなどは、懸念材料となりそうだ。

 以下はタイトルホルダー、タイムトゥヘヴン、テンバガーという評価の序列。かなりの少頭数となりそうな上に「堅そう」との見立てなので、これ以上は手を広げられない。ゴールデンシロップが上位に食い込んだ場合でも、相手は紛れない可能性のほうが高いはず。確実性を重視した馬券で勝負したほうがいい年となりそうである。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



最近のGIが堅すぎて(#^ω^)ビキビキ

 勝った03カフェファラオを上位に評価していなかった時点でジ・エンド。いや、かなり強い馬だというのはわかった上での低評価なので、こればっかりは致し方なしデスネ。参考にして馬券を買ってハズレだったという方には、申し訳ないとしか言いようがない(陳謝)。つーか、最近のGIにおける1番人気が強すぎて死ねる。アタイ、プライベートではけっこう穴党なのよね……。

※コース&血統データは2016年以降、レースデータは2011年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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