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最終週に目標クリア! ニホンピロスクーロでの勝利を最速回顧

  • 2021年03月02日(火) 18時01分
初めて芝のレースでコンビを組んだニホンピロスクーロでしたが、外から豪快に伸びて見事に勝利! ローカルの小回りならではの難しいレースで、いくつか勝利につながるポイントがあったそうです。今回の『太論』では、レース中の心境と、そのときどきの判断をじっくりと回顧。最後には、今週末にコンビを組む佐賀の真島元徳調教師とのエピソードも!(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

土曜日は乗り馬がいなくて…スクーロに懸けてた!


──ニホンピロスクーロに騎乗した鳥栖特別(2月28日・小倉12R・4歳上1勝クラス・芝1800m)で今年2勝目をマーク。おめでとうございます!

小牧 ありがとう。今年は最低でも月に1勝はしたいと思っていたから、最終週にギリギリ達成できてよかったです。

──さっそくレースを振り返っていきたいんですが、好スタートから押して3番手。2コーナーで外からコスモミローディア(9着)とブランシェット(8着)が上がってくるなど、難しいシーンもあったのでは?

小牧 そうやね。ニホンピロマリブのときもそうやったけど、スタートを決めて自分のペースを作ろうとすると、ああやってほかが動いてくる。そこがローカル小回りの難しいところや。なんせみんなジックリ行かへんから。

──なるほど。ああいう展開になると、やっぱり一緒に動いていきたい衝動にかられるものですか?

小牧 そうなんやけど、速い流れに巻き込まれたくなかったから、今回は我慢しました。とりあえず外の2頭を行かせてから、すかさず外に出したけどね。そこからはジックリ乗らんと、思い切って乗っていきました。それが逆によかったと思う。あそこがポイントやったね。

──3、4コーナーで一旦手応えが悪くなったように見えましたが。

小牧 そうやねん。前回乗った(国分)恭介も「3、4コーナーで気の悪さを出した」って言うとったけど、今回もホントに手応えがなくなって。でも、直線は伸びるはずやと思ったから、ここが踏ん張りどころやと思ってね。一生懸命に動かしましたわ。

──最後こそ際どい勝負になりましたが、直線はグイグイ伸びましたね。

小牧 うん。すごくいい脚やった。最後は2着馬にかわされるかと思ったけど、なんとかしのいでくれたね。

──ゴールした瞬間、勝ち負けがわかったんですか?

小牧 ちょっとだけ残っただろうなと思ったよ。芝で乗るのは初めてやったけど、いい走りやった。あと、馬が大きくなってるわ。力を付けてるんやね。ただ、やっぱりちょっと気の悪いところがあるね。

──そういえば、ゲート内で立ち上がって、上のパイプに顔面をぶつけたことも…。

小牧 そうそう。今回はゲートこそおとなしかったけど、やっぱりズブい。あれだけ押して行ったのに、スッと折り合いが付き過ぎるし。まぁそれはわかっていたし、直線であれだけ伸びてくれることを思えば、逆にそこがあの馬のいいところかもしれんね。僕としては、ニホンピロさんの馬で勝ててよかったわ。乗せてくれるだけで本当にありがたいといつも思っているからね。土曜日は乗り馬がいなかったから、先週はスクーロに懸けてました。人気やったしね。

──最終的には1番人気になりましたね。

小牧 あ、そうなんや。ずっと3番人気やと思っていたから、それは知らんかった。僕があの1鞍に懸けていたことをファンも知ってたんかな(笑)。

──さて、今週ですが、土曜日の小倉メイン(八代特別・4歳上2勝クラス・芝2000m)に佐賀のエアーポケットが入ってますね。

小牧 そうやねん。真島元徳調教師から依頼をいただいてね。もともと真島さんは佐賀競馬の有名なジョッキーで、大井の真島大輔くんは息子ですわ。

──調教師ご本人からお電話があったとか?

小牧 うん、電話がありました。園田から中央に乗りにきていた頃は、よく佐賀の馬で小倉に乗りに行かせてもらってたんです。途中から地元の馬と一緒じゃないと乗りに行かれへんようになったんやけど、最初はどこの競馬場の馬でも乗りに行けたんでね。当時はずいぶん助けてもらいました。お世話になったんですわ。

──長いお付き合いなんですね。

小牧 思えば、JRAに移籍できたのは、そうやって助けてくれた真島さんたちのおかげやね。あと、今週はまたドルチェリア(3月7日・小倉12R・由布院特別・4歳上2勝クラス・ダ1700m)に乗りますわ。笹田先生とも相談して、今回はちょっと考えた競馬をしようと思ってる。最近は同じ競馬になってしまっているから、じっくり構えてみてもいいかな。なにしろ調子はいいからね。楽しみにしといて。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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