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あるはずのものがない! アラブに騎乗したら想定外のことが起きました /ドバイより

  • 2021年03月05日(金) 12時00分
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▲人生初! アラブのレース騎乗前 (提供:坂井瑠星)


3/27(土)のドバイゴールデンシャヒーンに挑むため、ジャスティン(牡5、栗東・矢作芳人厩舎)と共にドバイに滞在中の坂井瑠星騎手。現地ではすでに騎乗依頼が舞い込んできており、先週はアラブのレースに騎乗。騎手人生初ということもあり、ジョッキー達から話を聞いて臨んだのですが……まさかのハプニング発生。

※このコラムは無料でお楽しみいただけます

ゲートを出せるのか、かなり焦りました


 netkeibaをご覧のみなさん、こんにちは。坂井瑠星です。今回のコラムでは、先週騎乗したアラブのレースについて書きたいと思います。

 前回のコラムで書いた通り、2月27日にドバイのSharjah競馬場でアラブのレース3鞍に乗せていただきました。

 アラブ種の馬に乗るのは初めてだったので、念入りに周りのジョッキー達から話を聞いてから臨みました。しかしパドックで跨った瞬間に違和感が。

「タテガミがない!!」

 全体的にサラブレッドより小さいことや、元気が良くてやんちゃな馬が多いと言うことは聞いていましたが、タテガミがないというのは聞いていなかったので驚きました。

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▲パドックでタテガミがないことに驚く! (提供:坂井瑠星)


 僕はいつもタテガミを持ってゲートを出すので、かなり焦りました。

 それでも無いものは仕方ないので(笑)、手綱の長さや鐙の踏み方を変えて、自分のバランスだけで出しました。

 その結果、トップスタートを切って先行することができました。もしかしたら、タテガミがない方が良いのかもしれません(笑)。

 ダート1200mの直線競馬で行われたこのレースでしたが、終始手応えがないまま徐々に下がっていき、結果は13着でした。

 その後の2鞍も同じ条件で行われて、8着11着と良い結果を出すことは出来ませんでしたが、素晴らしい経験になりました。「アラブで勝つ」という新しい目標もできました。

 そして、この日はもう一つ驚きの出来事が。

 全てのレースが終わって帰る準備をする…前に、なんと追い切りがあったのです。

 最終レースが16時45分発走で、その30分後くらいから始まるというのです。依頼を受けた調教師に指定された場所で待っていると、予定通りに馬がやってきました。

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▲レース後にまさかの追い切り (提供:坂井瑠星)


 アラブの追い切りに乗るのも初めてなので比較はできませんが、良い動きだったと思います。動画を撮ってもらったので是非見てください!(↓内側が坂井騎手)


 アラブの馬に乗ること、そしてレース後に競馬場で追い切りをすることは日本ではまずありえないことなので、これも貴重な経験でした。

 朝3時半に起きてジャスティンに乗り、その後車でゴドルフィンに移動して調教に乗り、午後は競馬場に行ってレースをし、またその後に追い切りに乗って運転して帰る…というハードスケジュールでしたが、僕は暇な時間が嫌いなので、とても充実していて楽しかったです。

 次の日の3時半起きは、さすがに辛かったですが…(笑)。

 今週も5日(金曜日)と7日(日曜日)にレースの騎乗依頼をいただいたので、多くのことを学べるように頑張りたいと思います!

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▲☆おまけ☆担当の武村助手と同じ方向を見るジャスティン (提供:坂井瑠星)

1997年5月31日、東京都生まれ。父・坂井英光は大井競馬所属の調教師、叔父も元騎手の坂井薫人という競馬一家。同期には荻野極、木幡巧也、藤田菜七子ら。2016年に栗東・矢作芳人厩舎でデビュー。2019年、ノーワンでフィリーズレビューを勝利し重賞初制覇。2020年には、ダノンファラオでジャパンダートダービーに勝利し交流GI初制覇を飾った。日本だけの騎乗でなくオーストラリア、ドバイなど多くの海外遠征にも挑戦している。

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