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2年ぶり開催「ガルフストリーム2歳セール」今年はアロゲート産駒に注目

  • 2021年03月10日(水) 12時00分

実は超お買い得だったスターホースも


 3月31日(水曜日)にフロリダ州のガルフストリームパーク競馬場で行われる、「ファシグティプトン・ガルフストリーム2歳トレーニングセール」のカタログが完成した。

 かつて開催場所がコールダー競馬場(現在のガルフストリーム・ウェスト)だった時代に、去る1月17日に他界したクロフネが発掘されたセールとして、日本の競馬関係者の間でも広く認知されているマーケットだ。

 ここから出現した最新のスターホースが、2月20日にリヤドのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われた第2回サウジCナイトで、準メインのリヤドダートスプリント(ダ1200m)を制したコパノキッキングである。

 17年のガルフストリーム2歳トレーニングセールに上場番号35番として登場した同馬を、小林祥晃オーナーの代理として臨場していた村山明調教師が購買し、日本で走ることになったのだが、セール2日前の公開調教で1F=10秒フラットという好時計をマークしていたにもかかわらず、購買価格は10万ドル、当時のレートで約1142万円であった。現在のコパノキッキングが、既に4億円近い賞金を収得していることを考えれば、超がつくバーゲンプライスだったと言えよう。

 この春、日本の馬産地・北海道からも、ガルフストリーム2歳トレーニングセールにまつわる話題が聞こえていた。社台スタリオンステーションでスタッドインした新種牡馬ナダルと、ブリーダーズスタリオンステーションでスタッドインしたフォーウィールドライブが、いずれも19年の同セールに上場されていた馬たちだったのだ。G1アーカンソーダービーを含む4戦4勝の成績を残すことになったナダルが、購買価格70万ドル、G2BCジュヴェナイルターフスプリントを含む2重賞を制することになるフォーウィールドライブが、82万5千ドルで主取りで、いずれも高価格帯での争奪戦となっていた。

 今年の上場予定馬は185頭。北米リーディングの上位に名を連ねる種牡馬の産駒がずらりと顔を揃える、豪華な品揃えとなっている。

 例えば、19年、20年と2年連続リーディングを獲得したイントゥミスチフの子が7頭スタンバイしている。中でも、上場番号84番の牡馬は、祖母パシフィックスコールがG1ハリウッドオークス勝ち馬という牝系出身で、血統的にもおおいに注目を集めそうである。

 あるいは、14年から16年まで3年連続で全米リーディングを獲得し、今年の3歳世代にもエッセンシャルクオリティ、グレーテストオナーと2頭の有力なケンタッキーダービー候補がいるタピットの産駒は、6頭が上場予定。中でも、上場番号119番の牝馬は、母がG1アルシバイアデスS勝ち馬ゴーモーという良血馬で、将来の繁殖牝馬候補としても魅力のある1頭だ。

 16年、19年と、過去5年で2度にわたって全米リーディング2位となっているカーリンの産駒は、7頭が上場予定。母がG1オグデンフィップスS勝ち馬ティズミススーという上場番号46番の牡馬や、G1ケンタッキーダービー勝ち馬オールウェイズドリーミングの半妹にあたる上場番号126番の牝馬などは、特に購買者たちの熱い視線を浴びそうである。

 2歳トレーニングセールは、この世代が初年度産駒となる新種牡馬たちの子供たちが、公開調教でどのような動きを見せるかをチェックすることも、重要なファクターとなる。

 今年の2歳が初産駒となる、18年に北米でスタッドインした種牡馬の中で、関係者の注目度が特に高いのが、アロゲートとガンランナーの2頭だ。

 3歳夏から4歳春にかけて、圧倒的な強さを発揮し、G1トラヴァーズS、G1BCクラシック、G1ペガサスワールドC、G1ドバイワールドCと4連勝したのがアロゲートだ。18年に7万5千ドルの種付料を設定されて種牡馬入りした同馬の初年度産駒は、昨年の1歳市場で42頭の産駒が平均価格22万5167万ドルという高値で購買されている。そのアロゲートは昨年6月、7歳という若さで早世してしまったため、残された産駒には希少価値が生じている。

 今年のガルフストリーム2歳セールには、アロゲートの産駒が8頭上場予定。中でも、母が09年の全米2歳牝馬チャンピオンのシービーワイルドという上場番号19番の牝馬や、G1トリプルベンドH勝ち馬デンマンズコールの半弟にあたる上場番号158番の牡馬などを巡って、激しい争奪戦が展開されそうである。

 17年の全米年度代表馬で、18年に7万ドルの種付料を設定されて種牡馬入りしたのがガンランナーだ。同馬の初年度産駒も、昨年の1歳馬市場で51頭が購買され、平均価格は23万8569ドルと、アロゲートを更に上回る高評価を得ている。

 ガンランナーの産駒は、母がブラジルの最優秀2歳牝馬アナルイサという上場番号70番の牡馬を筆頭に、7頭が上場を予定している。

 昨年はコロナ禍で中止となってしまったため、2年振りの開催となるガルフストリーム2歳セールで、どんなマーケットが展開されるかに注目したい。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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