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【金鯱賞・フィリーズR・中山牝馬S予想】今週から中京開催! 出走予定馬の調教を徹底分析!!

  • 2021年03月10日(水) 18時00分

デアリングタクトの追い切りは!?


 先週で小倉開催が終了し、今週から中京開催がスタート。ここから3週間でそのラストを飾るのが高松宮記念。その翌週は阪神競馬場で大阪杯、ということで、いよいよGIが毎週続くという感じになってきます。その大阪杯には昨年の牡馬三冠コントレイルが出走予定。直行になりますが、3月6日に大山ヒルズから栗東へ帰厩しています。

 昨年の牝馬三冠デアリングタクトは逆にひと叩きするローテーションで今週の金鯱賞を予定。登録頭数は10頭ですが、なかなか個性的なメンバーが集まったような気がしますから、ここでどんなレースを見せるかということで、大阪杯での注目度も違ってくるでしょう。はたまた、新しい主役候補が生まれるのか。楽しみなレースになりそうです。

【中山牝馬S/リアアメリア】

 約4ヶ月ぶりのレースになりますが、休み明け自体はローズSでの勝利があり、久しぶりを苦にするタイプではないでしょう。むしろ、今回も休み明けにしては軽めの調教内容となっており、1週前追い切りの坂路では4F56.1秒と遅めの時計。この分、3月7日の週末にCWで6Fから82秒台の時計を出し、負荷をかけているようです。

 このパターンはローズSと同じ。当時は週末の追い切りが左回り、ローズSが左回りという利点があるからと思っていましたが、レースが右回りの今回もこのパターンできたということは、最終追い切りであまり負荷をかけてこないのだろうなという推測はできました。ただ、CWで半マイル54.0秒は思っていたよりも速い時計でしたし、最後の直線も気合をつけて11.9秒。やれるだけの攻めでしっかりと仕上げてきたという感じはします。

リアアメリア

しっかりと仕上げてきたリアアメリア(3月10日撮影)


【中山牝馬S/フェアリーポルカ】

 前走は最終追い切りが坂路で2F23.8秒、1F11.9秒と素晴らしい時計で動いていただけに、どんなレースを見せてくれるか注目していましたが、4コーナーでは勝ちそうな雰囲気も結局は8着。馬場状態に苦戦したようですが、若駒S以来の牡馬相手のレースという状況もこの着順の要因なのかもしれません。

 今回は昨年制したレース。今年はレース間隔が違うこともあり、昨年の1週前追い切りCW、最終追い切り坂路とはパターンが違います。これはレース間隔の違いだと判断してよいと思いますし、今回の最終追いが坂路4F53.8秒、2F24.8秒。全体時計としては昨年よりも速く、4F目最速ラップを踏んだのは同じ。あとはそもそもレース間隔が詰まったことがどう影響するかでしょう。

【中山牝馬S/ランブリングアレー】

 前走愛知杯は最終追い切りが坂路で2着でしたが、ターコイズSはCWで7Fから時計を出した最終追いで7着。ただ、カシオペアSは最終追いが半マイルのCWで1着ですから、あまり長めから時計を出さなければ、最終追いの馬場は坂路でもCWでもといった感じではないでしょうか。

 今回の最終追い切りはCWで半マイル。動きとしては、カシオペアSのようにゴールへ向かって、力強く伸びている、そんな印象でした。むしろ今回の方がパワフルに動けていたと思いますし、走り自体には安定感もあったように思います。中7週で4本の追い切り本数は決して多くありませんが、このあたりは関東圏へ輸送した時に馬体が減ってしまうことを考慮しているんだと思います。

ランブリングアレー

力強く伸びたランブリングアレー(3月10日撮影)


【フィリーズR/オパールムーン】

 ファンタジーSで2着、阪神JFは6着もメンバー3位の上がりを使っており、ここまでの重賞、GI実績は出走メンバーの中でも上位。それゆえにnetkeiba.comの予想オッズでも1番人気に推されるのはもちろんだと思います。ただ、今回の休み明けの調教内容を見ていると、果たしてそれに見合っただけの結果を残せるのかなあという疑問はあります。

 というのも、まず1週前追い切り。前2走はCWで6F81秒台でしたが、今回は87秒台。併せ馬自体は先着しましたが、時計的な負荷という意味でどうなのか。そして、最終追い切りは前2走の坂路と違ったCW。マテンロウスパークとの併せ馬でしたが、ここでは遅れ。時計は6F86.0〜5F69.9〜4F54.1〜3F39.5〜1F11.8秒と遅く、果たして仕上がりはどうなんだろうと思います。

オパールムーン

遅い時計が気になるオパールムーン(写真右、3月10日撮影)


【金鯱賞/デアリングタクト】

 JC以来の休み明けとなりますが、秋華賞が5ヶ月ぶりのレースで勝っているくらいですから、久しぶりを苦にするようなタイプではありません。2週前追い切り、1週前追い切りをCWで行っている点は秋華賞の時と同じですし、負荷としてはしっかり。むしろ、動き自体は4歳になって、力強さが出てきた印象があります。

 それを数字で示したのが最終追い切り。坂路で4F52.9秒は秋華賞の時の4F54.7秒よりもぐんと速くなりました。そして、注目は2F時計。これまでの最速はエルフィンSの最終追いでマークした25.5秒でしたが、今回は24.7秒。これまでの時計と比較してもかなり速くなった数字ですし、ここは順当に4歳として成長した姿を見せてくれそうです。

デアリングタクト

力強さを数字で示したデアリングタクト(写真中央手前、3月3日撮影)


◆次走要注意

・3/7 大阪城S【ロードマイウェイ】(9人/4着)

 結果は4着でしたが、大収穫はスタートを出たこと。これについては、岩田望来騎手から阪神競馬場のポケットからだと出るという話を聞くことができました。とはいえ、厩舎とジョッキーが噛み合ったからこその結果だと思うだけに、次走以降も当然注目したいと思います。

[メモ登録用コメント] [阪神芝]最終追い切りCWなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中京ダ1400m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
○最終追い切りが併せ馬を追走して同入か先着
○最終追い切りが坂路馬場で3F目12.9秒以下

 今回は昨年の春開催だけではなく、今年の1回中京開催のダート1400mの結果も参考にした調教適性としています。春開催、1回開催、ともに高配当の1着馬が行っていた調教内容が最終追い切りが栗東坂路で4F目最速ラップです。これに加えて、併せ馬を追走して同入か先着にも該当していたので「追いかける」ということが重要な条件であることは間違いありません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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