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【フィリーズR】春の訪れに花をそえる牝馬

  • 2021年03月13日(土) 12時00分

ヴィクトワールピサの血を受けるオパールムーン


 気難しい季節の3月もここまでくればあと少し、もうすぐ浅緑色につつまれるシーズンを迎える。

 これに花をそえるのが、春のGI戦線に名のりを上げる有力馬たち。ちょっと数えただけでもわくわくする。色とりどりの花々が競い合うようだ。

 さて、自分の気に入った花は。特に、牝馬の活躍が目立つ競馬の流れを受け、いよいよ有力牝馬たちのレースに注目が集まる。中でも、史上初の無敗での三冠牝馬になったデアリングタクトには、アーモンドアイの後継女王への期待が大きい。

 金鯱賞を4歳の第一歩とし、今年は世界も視野に入れている。昨秋のジャパンCでは、アーモンドアイ、牡馬無敗の三冠馬コントレイルに迫って3着、さらなる進化が見込まれ、とにかく今後を占う大切な一戦だ。

 それにしても凄い牝馬たちが目白押しで、次世代にその偉業が受け継がれるアーモンドアイを追って、昨年11頭目の同一年度グランプリを連覇したクロノジェネシス、マイルのGI連覇に加えスプリンターズSも勝ったグランアレグリア、さらに最優秀2歳牝馬で4戦全勝で年を越したソダシと多士済々。特に白毛で初めて芝の重賞を勝ったソダシは、かなりの人気を集めることになるので、今から桜花賞が楽しみだ。

 今週のトライアル、フィリーズレビューは阪神内回りの1400米で、外回りの1600米の桜花賞とは、レース全体の質が異なる。3コーナーからの下り勾配が続くので道中息が入りにくく、前傾ラップの流れでハイラップになりやすい。ここ6年連続で最速の上がりを記録した馬が好成績を上げている。

 昨年はヤヤ重でも1分21秒0で5番人気3戦1勝だったエーポスがメンバー最速の上がりで勝っていた。ジャスタウェイの産駒でスタミナのある血統背景と言える。

 ハーツクライの血を持つものでは、2年前に12番人気で1着同着だったノーワンも、ヤヤ重の馬場で最速の上がりをマークしていた。

 この2年はどんなタイプがこのレースに適合しているかを見せてくれていた。

 フィリーズレビューは1番人気が苦戦していて、6年前にクイーンズリングがハイペースの中、大外枠から目の覚めるような差し脚を決めたのが最後。それまで2戦2勝、そのいずれもが大外枠からの競馬を克服しての勝利だった。

 マンハッタンカフェの産駒、勝利の裏付けのある人気馬だったと言える。

 スプリンタータイプではなくマイル以上でスピードの持続力が問われる一戦で、その面で先々も見通しておきたい。個人的には、先日他界したネオユニヴァースの産駒ヴィクトワールピサの血を受けるオパールムーンを。追い込む脚が目に浮かぶ。距離適性から九州の星ヨカヨカも上位の可能性がある。

「春迎え 気になる牝馬 咲きぐあい」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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