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開催迫るドバイワールドCナイト 馬券発売がないレースにも注目

  • 2021年03月24日(水) 12時00分

日本馬3頭が出走予定G2UAEダービー


 第25回ドバイワールドCナイトの開催が、土曜日(27日)に迫っている。日本で馬券発売のあるサラブレッド4競走については、様々なメディアで展望が行われているので、ここでは、日本では馬券発売のないサラブレッド4競走の見どころをご紹介したい。

 まず、現地16時15分、日本時間の21時15分発走予定のG2ゴドルフィンマイル(ダ1600m)。ここには、加藤征厩舎のデュードヴァン(牡4、父デクラレーションオブウォー)が出走する。

 ダート1600mという競走条件ならば、北米勢を重視すべきで、中でも実績上位なのが、昨年12月のG1シガーマイル(ダ8F)2着をはじめ、この路線の重賞での入着を7度重ねているスナッパーシンクレア(牡6、父シテイジップ)だ。

 相手となるのは、前哨戦のG3バージナハール(ダ1600m)を快勝したミッドナイトサンズ(牡5、父スパイツタウン)か。英国、米国を拠点としていた時代は、実績らしい実績を残していないが、メイダン競馬場はここまで7戦6勝と、滅法得意としている。

 そのバージナハールで、ハイペースで逃げて2着に粘ったチーフダム(セン6、父ザファクター)、今季のG3ファイアブレークS(ダ1600m)勝ち馬シークレットアンビション(牡8、父エクシードアンドエクセル)らが3〜4番手評価。メイダンの路面に対する適性が高ければ、デュードヴァンにもチャンスはあるはずだ。

 続いて、現地16時50分、日本時間の21時50分発走予定のG2ドバイゴールドC(芝3200m)。格で言えば、昨年10月にパリロンシャンのG1ロワイヤルオーク賞(芝3100m)を制している英国調教馬サブジェクティヴィスト(牡4、父テオフィロ)が最上位だ。ただし、ここがシーズンの始動戦で、仕上がり状態が鍵を握ることになりそうだ。

 その点で、使われた強味があるのが、2月20日にリヤドで行われたレッドシーターフH(芝3000m)からの転戦組と、2月25日にメイダンで行われたG3ナドアルシバトロフィー(芝2810m)で脚慣らしを済ませた組だ。

 中でも、今季初戦だったレッドシーターフHで3着に入ったゴドルフィンのシークレットアドヴァイザー(セン7、父ドバウィ)は、メイダンで2戦2勝(うち1勝は20年のG3ナドアルシバトロフィー)の実績があり、狙い目の立つ馬だ。

 また、昨年秋のG2ドンカスターC(芝17F197y)勝ち馬で、今季初戦だったレッドシーターフHで2着に来ているスパニッシュミッション(牡5、父ノーブルミッション)も、争覇圏にいる馬である。

 続いて、現地時間17時30分、日本時間で22時30分発走予定のG1アルクオーツスプリント(芝1200m)。馬券発売のないレースだが、もしもあったなら、頭をおおいに悩ませることになったのが、このレースだ。

 実績最上位は、ゴドルフィンのスペースブルース(牡5、父ドバウィ)だ。昨年8月のG1モーリスドゲスト賞(芝1300m)勝ち馬で、圧倒的1番人気に推された前走リヤドの1351ターフスプリント(芝1351m)も、人気に応えてきっちり勝ち切っている。

 ただし、1200m戦はこれまで1度しか走ったことがなく、その唯一の機会となった昨年のG3ナドアルシバターフスプリント(芝1200m)は7着と、この馬にしては珍しく大崩れしている。

 逆に、1200mはベストの距離より長いのが、昨年6月のG1キングズスタンドS(芝5F)2着馬で、2月18日にメイダンで行われたG2メイダンスプリント(芝1000m)を快勝したイクイラテラル(セン6、父エキアーノ)だ。

 昨年、G1ダイヤモンドジュビリーS(芝6F)4着、G1ジュライC(芝6F)4着の成績を残したカーデム(牡5)が、6Fの実績では上位だが、ここは8カ月ぶりの出走で、仕上がり状態に懸念がある。

 続いて、現地時間18時05分、日本時間23時05分発走予定のG2UAEダービー(ダ1900m)。ここには、森秀行厩舎のピンクカメハメハ(牡3、父リオンディーズ)とフランスゴデイナ(牡3、父ウイルテイクチャージ)、加藤征厩舎のタケルペガサス(牡3、父ダンカーク)と、3頭の日本調教馬が挑む。完璧な競馬でサウジダービー(ダ1600m)を制したピンクカメハメハは、300mの距離延長が気になるところだが、初勝利は1800m戦だっただけに、克服してくれることを期待したい。

 そのサウジダービーに出走を予定しながら、出国検疫中に熱発して回避したのがフランスゴデイナだ。阪神で、ダート1800mの未勝利と1勝クラスを連勝した内容は非常によく、状態に問題がなければ、世界をあっと言わせる可能性もありそうだ。

 タケルペガサスも、今年の日本におけるダート3歳世代では上位の力量の持ち主。ライアン・ムーアの騎乗で確変すれば、これも面白い存在になりうる。

 前哨戦のLRアルバスタキヤ(ダ1900m)を含めて2戦2勝の成績でここへ臨むパナドル(牡3、父フラッター)、G3UAE2000ギニー(ダ1600m)勝ち馬ムーヒーブ(牡3、父フラッター)らが、倒すべき相手となりそうだ。なお、馬券発売4競走の筆者の見解は、週末にnetkeibaで公開させていただく予定だ。

 また、ドバイワールドCナイトの模様は、グリーンチャンネルで生中継(23時から26時30分の予定)されるので、ぜひご注目いただきたい。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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