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【毎日杯予想】先月急逝した名牝の仔に期待

  • 2021年03月26日(金) 18時00分

ここを快勝してクラシック主役候補に名乗りを上げたい


 皐月賞は、ここ2年連続して2歳戦以来になった馬が勝っている。牡馬の頂点は5月末の日本ダービーであり、春前半には決して無理をしないスケジュールを選択する馬が増えた。このレースで注目の2戦2勝馬グレートマジシャン(父ディープインパクト)も、ここで結果を出したあと「皐月賞は(おそらく)出走せず、日本ダービーに向かう」とする展望を掲げている。丈夫なタイプではなく、使い込めないことも大きい。

 ただ、直前に急上昇した馬のほうが有利なのがクラシックの歴史であり、今年は、先週(20日)の若葉Sを圧勝したアドマイヤハダル(父ロードカナロア)や、この毎日杯で台頭した新星が快走する皐月賞になる可能性もある。

 人気の1頭シャフリヤール(父ディープインパクト)は、2017年に「毎日杯1着→皐月賞1着」のローテーションを決めたアルアインの全弟。

 もう1頭、ルペルカーリア(父モーリス)は、2月27日に急死したシーザリオ産駒の3兄弟種牡馬(エピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリア)の下になる注目馬。

 ともにまだ2戦だけの浅いキャリアだが、順調にきているのが強み。3戦目のここを勝てるようなら、少なくとも「皐月賞→日本ダービー」の伏兵となって不思議ない。

 1週前に、土曜の日経賞に出走するワールドプレミア(2019年の菊花賞馬)をあおるくらいの動きを見せたルペルカーリアに注目したい。

 父モーリスは、昨年2歳馬をデビューさせ、2018年生まれの世代別ランキング(現在の3歳馬)は、常勝ディープインパクトと大接戦の2位。シンザン記念のピクシーナイト、Fレビューのシゲルピンクルビー、ファルコンSのルークズネスト。もう今年のJRA3歳重賞を3つも制し、産駒は成長力を示している。

 ルペルカーリアの半兄サートゥルナーリアは4戦目の皐月賞を制覇した。母シーザリオも4戦目に桜花賞をアタマ差の2着している。もし、ルペルカーリアが3戦目のここを勝てるようなら、血統背景からキャリア不足とはならないだろう。重馬場の前走は平凡な勝ち時計だが、道中、行く気満々に口を割るのをなだめながら、抜け出した直線のフットワークは余力十分だった。3馬身離したモンテディオは次走を快勝し、すみれSをディープモンスターの3馬身差3着。レベルの低い未勝利戦ではなかった。

 中山の「日経賞」は完全な良馬場の見込み。前走、不良馬場で切れを削がれたうえ、坂上でアリストテレスと、ヴェルトライゼンデの間に入って狭くなる不利のあったラストドラフト(父ノヴェリスト)の巻き返しに注目。人気のカレンブーケドール(父ディープインパクト)をマークして進めるはずだ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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