【高松宮記念予想】抜きんでたスピード能力で短距離王の座へ
阪急杯で示したトップスプリンターの才能の片鱗
快晴の土曜日に、日曜の中京の芝状態(雨)をイメージするのは難しい。直前の日曜の午後にならないと芝コンディションが判明しない。
高松宮記念(中京)が1200mのGIとして「重、不良」だったのは25回中(11年は阪神、1996年〜97年は高松宮杯の名で施行)にわずか3回だけ。スズカフェニックスが勝った2007年は先行馬が甘く「差し=差し」の決着だったが、2014年はコパノリチャードの2番手抜け出しが決まり、3馬身差2着に追い込みが台頭。モズスーパーフレアが繰り上がり1着の2020年は逃げ切りで、のちにスプリンターズを驚異の切れで差し切ったグランアレグリアが3位入線の繰り上がり2着だった。
同距離のGIスプリンターズS(中山)が「重、不良」だったのは、31年間(新潟で2回)にわずか2回のみ。2004年はカルストンライトオが逃げて圧勝。4馬身差の2着が追い込んだデュランダル。2007年はアストンマーチャンが一気に逃げ切り、先行したサンアディユ、アイルラヴァゲインがそのまま2着、3着。
総じてだが、この距離の渋馬場だと切れ味が削がれるので、切れる「差しタイプ」より先行できる馬に有利に展開する。
レシステンシア(父ダイワメジャー)が勝った前走の阪急杯1400mの中身は、序盤から先頭に立ち、「34秒0-(11秒4)-33秒8」=1分19秒2の快レコード。ただし、猛然と行ったのではなく、余裕十分の先行で1000m通過は56秒6。そこからスパートした残り2ハロンは「10秒8-11秒8」だった。1200m通過は「1分07秒4」になる。後半3ハロンの方が速いから、スプリント戦らしくない1400mだったと同時に、苦しくなる後半にスパートして勝つのは、(もしレシステンシアにスプリンターとしての資質十分なら)、これこそトップスプリンターの勝ち方。位置取りや、戦法は関係ない。仮に良馬場の1200mなら、どう乗っても1分07秒4前後で乗り切れることを示しているからだ。
あのスピード能力は、1400mの途中記録なのに、例年の1200mのGIを上回りかねない記録であり、未経験でもむしろ1200mの方が合うと思えた。
追って伸びて後半「33秒8」は、懸命に追撃して2着のミッキーブリランテ、切れ味が身上の4着インディチャンプと同じ上がりで、差は少しも詰まっていなかった。
外枠は有利ではないが、他馬と互角の出足になったときにもまれる心配がない。内から飛ばすはずのモズスーパーフレアを射程に入れて進めば、2-3番手追走でも直線抜け出してくるだろう。重馬場の桜花賞は2着に負けたが、差して勝ったのは無敗の3冠牝馬デアリングタクトであり、レシステンシアも渋馬場をこなしていた。
相手本線は1200mで7勝のダノンスマッシュ、本質スピード型のダノンファンタジー。連穴には充実中のマルターズディオサ、渋馬場は平気なラウダシオン、サウンドキアラを入れておきたい。