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【大阪杯】藤沢師「本当に素晴らしい牝馬」グランアレグリア偉業達成へ!

  • 2021年03月31日(水) 12時01分
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グランアレグリアを管理する藤沢調教師(C)netkeiba.com


今週末の大阪杯に出走するグランアレグリア。短距離界で圧倒的な強さを見せてきた彼女が、初の2000mでどんな走りを見せてくれるのか、ファンの期待も高まります。大注目の一戦を前に、管理する藤沢和雄調教師にお話を伺いました。

(取材・文=筑波遼)

2000mを使ってみたかったし、アメリカに連れていきたい気持ちも…


──今回、大阪杯に向かうことになった経緯を教えてください。

藤沢和雄調教師(以下、藤沢師) ずいぶんと気持ちが穏やかになり、安田記念やマイルCSのレースぶりからも1600mを上手に走れるようになってきた。高松宮記念で去年のリベンジを狙うプランもなくはなかったけどね。1200mのスプリンターズSも勝たせてもらったけど、ついていくのが大変だったし、この馬に向いていないことは明らか。それは誰もが気付いたでしょう。

 私自身、今年は距離を延ばしていきたいと思っていたし、どこかのタイミングで2000mを使ってみたかった。秋には天皇賞があるし、アメリカ(ブリーダーズカップ)に連れていきたい気持ちもある。クリストフ(ルメール騎手)の意見も「2000mのほうが楽に(前の)ポジションを取りやすい」と…。その上でオーナーサイドと相談した結果、この春は2000mの大阪杯を使うことにしました。

──普段の様子やレースぶりなどデビュー当時から変化したと感じるところはありますか?

藤沢師 若いうちは繊細でカイバの食いにも心配なところがあったけど、ずいぶんと大人になった。体つきも去年の春から大きくなりつつあると思っていたんだけどね。見込み通り、ひと夏を越して一段と大きくなった。乗り手と上手にコンタクトを取れるようになっているし、2歳や3歳の頃に比べたら調教も楽。逞しくなったよね。

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3歳春、桜花賞出走前のグランアレグリア(C)netkeiba.com


──2000mの適性についてはどうお考えですか?

藤沢師 今の時代、1600mでも2000mでも大事なのはスピードがあること。それが絶対条件だし、そういう血統が代を重ねながら残っている。この馬はスピードがあるし、切れる脚もある。キンキンとしていた2歳や3歳の頃を思うと2000mでダービー馬と一緒に走れるようになるとは思わなかったけどね。確かにハードルは一段と高くなる。大変だと思うけど、うまくいってくれたらいいね。

──その無敗の三冠馬、コントレイルとの初対決について思うことは?

藤沢師 なんと言っても無敗のダービー馬だし、こうして一緒に走るのは光栄なこと。こっちも牝馬のクラシックホース(桜花賞馬)だし、上手に走って頑張ってもらいたい。私自身も楽しみにしています。

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デビューから安定して好走し続けるグランアレグリア(C)netkeiba.com


──1200m→1600m→2000mと距離が延びるにあたり、調教の仕方などを変えたことがあれば教えてください。

藤沢師 特別に距離を意識した調教はしていないけど、ワンターンじゃなく、コースを周回する競馬を経験していないところがあるからね。この中間は途中で後ろの馬に抜かせたり、色々と試している。イレギュラーな追い切りで外から抜かれても我慢することができているし、勝手に走っていかなくなった。十分に落ち着いているし、この感じなら特に問題はないと思う。

──グランアレグリアの強みはなんですか?

藤沢師 1200mと1600mのGIを両方とも勝つのは大変なこと。そうはいない。昔とは違ってレース体系が整備されているし、3歳馬同士のクラシックレースとも訳が違う。それぞれのカテゴリーを得意としたスペシャリストが出てくるし、その中で見事なパフォーマンスを見せてくれた。本当に素晴らしい牝馬だよね。

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「1200mと1600mのGIを両方とも勝つのは大変なこと」(C)netkeiba.com


──今年の初戦を迎えるにあたり、状態面はいかがですか?

藤沢師 休み明けになるし、1週前の段階では追い切ったあとの息遣いがフーフーとしていたけどね。テンションが高まることもなく、ちょうどいい感じなんじゃないかと思う。

杉原誠人騎手(中間の追い切りに騎乗) 他の馬たちに抜かれても僕の指示を待てるようになっているし、うまくいっていると思います。昔ならグンと追いかけていったと思うけど、そのあたりが成長を感じるところ。年齢を重ねながら乗りやすくなっています。(変則的な追い切りについては)常日頃から新しいことにチャレンジするのが藤沢先生の真骨頂。去年の秋と比較しても馬自身のコンディションは高いレベルで安定していると思います。

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グランアレグリアの調教に跨がる杉原騎手※2020年11月撮影(C)netkeiba.com


──グランアレグリアにも、先生にとっても現役生活は残りあと約1年ですね。

藤沢師 あと1年だからというわけじゃないけど、たくさんの人たちが応援してくれているからね。馬主さんやファンも含め、みんなの期待に応えられるように頑張らせてもらいます。おかげさまで楽しみな2歳馬もいるしね。チャンスがあれば海外にも行きたいと思っていますよ。

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