雨が降れば堅い決着とはならない？

　当コラムで「潔く山を張れば」と書いたにもかかわらず、最終追い切りが栗東坂路で3F目以降12.9秒以下のラップで、4F目最速ラップに本命を打てなかった高松宮記念。でも、結局は1番人気から3番人気で馬券圏内が決着したと思えば、まあしゃあないかなというのが本音。ただ、4着トゥラヴェスーラもこの調教適性に該当していただけに、この単勝16番人気が馬券に絡んでいたら、しゃあないでは済まなかったかも知れませんね。

　今週の大阪杯。先週のように堅い決着となるのかどうか。netkeiba.comの予想オッズでは3番人気と4番人気の差が大きく、ユーザーの皆様は堅いと予想されているんでしょうね。でも、レース当日の日曜日は雨予報。勝ち時計が2分を超えた2019年は1週前追い切りも最終追い切りも栗東坂路だった9番人気アルアインが優勝。雨が高配当の使者になるような気はします。

【ダービー卿CT/カテドラル】

　前走は2ヶ月ぶりのレースでもCWと坂路を併用して、しっかり乗り込まれていて、最終追い切りは坂路で4F55.1秒と時計は遅いものの、ラスト1F12.0秒で最速ラップが踏めており、レースで好走しそうなイメージが湧く調教内容でした。

　今回も2週前追い切りのCWでの動きが抜群。これを見た時に引き続き、という気持ちになりましたが、どうやら先週は火曜日の坂路で時計になったことで、水曜、木曜の追い切りは控えたようですね。その分、金曜日に追い切って、最終追い切りが坂路。前走のような週中、週末といったきれいな追い切りパターンでない点はちょっと気になります。


【ダービー卿CT/ボンセルヴィーソ】

　昨年の2着馬ですが、昨年の東風Sが12着に対して、今年は2着。この馬自身の調教内容には大きな変化がなかったと思えるだけに、メンバーレベルなどの要素が着順に大きな影響を与えたと判断しています。

　今年も昨年と同じ中2週ですが、昨年は1週前に坂路で4F55.8秒をマークしていたのに対し、今年はそれがありません。その分、週末に4F59.3秒ですが、この数字はかなり遅め。この調教開始が遅くなった点が前走2着の代償ではないか、と勘ぐってしまいます。堅実に走るタイプだけに疲れなどはないかも知れませんが、やっぱり昨年と調教パターンが変わった点はマイナス評価にすべきでしょう。

【大阪杯/コントレイル】

　前走ジャパンカップに関しては、初めて中3週後に中4週を経験するということで、パフォーマンスを落とす可能性が高いと予想していましたが、その根拠は1週前追い切りCWでの併せ馬の動きでした。結果が2着ですから、果たして、それが事実だったかどうかは釈然としない部分もありますが、初めて負けたパターンであることは事実といってよいと思います。

　そういった意味で今回も1週前追い切りは注目でしたが、その動きはもう貫禄もの。3頭併せを後ろから追走して、大外を回って、楽々と差し切り。次元が違うとは、まさにこの動きだと思います。このあたりは2週前追い切りの坂路で4F50.1秒の自己ベストをマークしたスピードが前面に出てきたという動きなのかも知れません。

　現時点では雨馬場になる可能性が高く、スピードよりもパワーが重要になるかも知れませんが、いずれにしてもそれらを兼備しているのがこの馬。それが表れた最終追い切り坂路4F50.6秒だと思いますし、2F目以降が12秒台というスピードの持続。調教内容としては、有力馬の中でも最上位評価できると思います。


【大阪杯/レイパパレ】

　デビューから無傷の5連勝。条件クラス、前走チャレンジCではすでに牡馬との対戦もある4歳牝馬。ここで人気する理由も分かりますが、55キロの斤量や休み明けなど、パフォーマンスを下げそうな理由もあります。そんな中で個人的に最も気になるのは追い切りの本数。日曜日、水曜日というパターンで追い切りを消化していますが、それが4本になります。

　これは大原Sと同じ。当時も休み明けですから、その比較なら確かにこれでも足りるかも知れません。ただ、大原Sは3勝クラスのハンデ戦。それと強力メンバーのGIで同じ仕上げで同じパフォーマンスを発揮できるかどうか。レース当日に雨が降って、タフな条件になれば、より厳しい条件になるのではないかと予想しています。

【大阪杯/アドマイヤビルゴ】

　前走日経新春杯は案外な結果に終わりましたが、その敗因が馬場なのか、距離なのか、それとも能力なのか。個人的には釈然としない部分があるだけに、今回に対する評価にも迷いがあります。というのは、調教内容は決して悪くないから。

　岩田望来騎手が跨った1週前追い切り、CWでのレッドアネモスとの併せ馬はしっかりと動けていました。また、最終追い切りは初めてCW。併せ馬でしたが、6F81.6〜5F66.6〜4F52.6〜3F39.1〜1F12.3秒と速い時計もマークしています。ただ、日曜日の雨予報で馬場が緩くなった時に前走のような頼りなさが出てしまわないかという心配もあります。

◆次走要注意

・3/28　六甲S【クリスティ】(2人/1着)

　1週前追い切りがCWで併せ馬を追走して先着。その動きが素晴らしかっただけに、本命を打つことも考えましたが、追い切り本数がちょっと少なめ。それで躊躇しましたが、このパターンでブエナビスタCも勝っているので、この馬にとって重要なのは1週前追い切りの併せ馬です。

[メモ登録用コメント]　[ヴィクトリアM]1週前追い切りがCWで併せ馬を追走先着なら馬券圏内

◆開催おすすめの調教適性

＜阪神ダート1200m＞
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップか4F52.0秒以下
○1週前週末(土日)栗東坂路で4F55.0秒以下

　先週、3月28日の4歳上2勝クラスの1着から3着が最終追い切り坂路馬場で4F目最速ラップに該当。その3連複が342.9倍という配当ですから、単純な調教適性でも高配当になります。

　ちなみに同日の3歳1勝クラスを勝ったのは、最終追い切りが栗東坂路で4F51.0秒でした。良馬場でも雨馬場でもこの調教傾向には偏りがないので、週末の天気予報に迷わされることもないでしょう。

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