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【桜花賞予想】GIでタイム差なしの接戦を演じた2頭、その次走は!?

  • 2021年04月06日(火) 12時00分

有力馬の「再度の直接対決」をデータで見てみると…


 今年の桜花賞は、阪神JF1、2着馬のソダシとサトノレイナスがそろってぶっつけでの出走となった。

 この2頭の阪神JFにおける着差はハナ差。ハナ差であっても先着したのだからソダシが有利だと考えることもできれば、たかだかハナ差なのに今回2番人気になるならサトノレイナスのほうがおいしいと考えることもできる。

 そこで今回はこんな調査をしてみた。さすがにハナ差だとサンプルが限られるし、その2頭が次のレースでまた同じレースを走ることも数としては少ないと思われるので、

1.2001年以降の平地GIでタイム差なしの1、2着だった馬を集める
2.それらの馬の次走成績を見る
3.直接対決の結果ということではないが、「タイム差無し1着馬の次走」と「タイム差なし2着馬の次走」を比較する

 ということで見てみよう。着順は入線順でなく確定着順を使用する(降着失格があっても確定後の着順着差を採用)。2010年オークスの1着同着はどちらも1着チームに入れている。

前走平地GIタイム差なし1着馬の次走は
[19-20-14-63/116] 勝率16.4%・複勝率45.7% 回収率単58%・複75%

うち次走もGIだったケースは
[7-8-8-35/58] 勝率12.1%・複勝率39.7% 回収率単57%・複75%

前走平地GIタイム差なし2着馬の次走は
[30-22-12-55/119] 勝率25.2%・複勝率53.8% 回収率単114%・複80%

うち次走もGIだったケースは
[11-8-3-23/45] 勝率24.4%・複勝率48.9% 回収率単199%・複90%

 驚いたことに、タイム差なしの接戦を制した側より、接戦に敗れた馬のほうが次走の成績が良い。過去20年のうち後半の10年だけに限るとこの差は縮まるのだが、少なくとも負けてきた組が弱いという数字は出ない。

 前述のようにこれは「再度の直接対決」を前提にしたものではなくそれぞればらばらに走ったケースのほうが圧倒的に多いし、個々のレースの結果どちらに軍配が上がるかが常に一定なわけではない。ただこうしてみると、「接戦で勝った馬」「負けた馬」の人気差があればあるほど、「負けてきた馬」側の妙味が増すようにも思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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