スマートフォン版へ

桜が見守ってきた勝者と敗者の歩み

  • 2021年04月06日(火) 18時00分
「桜花賞の季節になりましたね」――その名を聞くと胸は高鳴り、競馬好きの間では季語としても使われる桜花賞。

今年も心が躍る季節がやってきました。本州の桜は例年より早い開花で、阪神競馬場でも今週の桜花賞よりも先週の大阪杯(正しくはその前日)が見頃だった様子。桜は散り気味ですが、暖かな日差しにワクワク感が高まることに変わりはありません。

今回の「ちょっと馬ニアックな世界」では、過去の「桜と馬」写真を集めてみました。素人がデジカメで撮った写真という点はご容赦いただき、雰囲気だけでもお楽しみいただければと思います。

勝者も敗者も優しく包む検量室脇の桜


「ミッキー」の冠名で有名な野田みづきオーナーは「私は兵庫県の出身で、一度は桜花賞を使いたい、勝ちたいと思ってミッキークイーンをセレクトセールで買いました」と桜花賞への特別な思いを話されたことがありました。

 残念ながらミッキークイーンは桜花賞を抽選で除外となり、同日の忘れな草賞を快勝。そして、風薫る5月、オークスを見事制覇したのでした。

馬ラエティBOX

▲ミッキークイーンが抽選で除外となった年の桜花賞の誘導馬。桜をイメージしたファッションが素敵です。


 こちらはその翌年の桜花賞の看板。

 手前に桜の花が写っているのですが、このアングルに桜の木なんてあったっけ…?と疑問が浮かびますが、5年前のことを思い出せなくなっています。桜の見ごろのように、私の記憶力も近年は長くは続かないようです、トホホ。(まだ30代なのに!)

馬ニアックな世界

▲桜花賞の看板


 阪神競馬場の桜は場所によって開花時期が1〜2週間の違いがあります。

 最初に色づきはじめるポイントの一つが検量室から厩舎へ帰る道にある桜。

馬ニアックな世界

▲最初に色づきはじめる検量室前から厩舎に帰る道にある桜


 写真手前には上位に入った馬が鞍を外す枠場があって、それ以外の馬はこのように桜の手前のスぺースで鞍を外します。

 全身全霊で戦ったけれど、それでも入着を果たせなかった馬たち。冬場なんかは見ていて物悲しい雰囲気を感じることもあるのですが、この季節だけは「今日は負けちゃったけど、この経験が明日への勝利につながるはず!」と前向きなエールを送りたくなっちゃうから不思議なものです。

 幾多のメモリアルな瞬間もありました。牝馬三冠馬に輝き、史上最多の芝GI9勝を挙げたアーモンドアイが初めてGIを制覇したのは桜花賞でした。

馬ニアックな世界

▲桜花賞を勝利したときのアーモンドアイ


 数々の偉業はここからスタートしたといっても過言ではありませんね。

 その前週には大阪杯でスワーヴリチャードも念願のGI初制覇。

馬ニアックな世界

▲スワーヴリチャードのGI初制覇時にもバックには桜


 そして翌年の大阪杯はアルアインが勝ち、北村友一騎手がJRAでGIタイトルを初めて手にしました。

馬ニアックな世界

▲北村友一騎手にとって初の中央GIタイトルとなった大阪杯


栗東トレセンは桜のたもとに馬頭観音


 栗東トレセンもいたるところで桜が咲き誇ります。

 こちらは2016年、皐月賞へ向けた1週前追い切りを終えたばかりのマカヒキ。

馬ニアックな世界

▲1週前追い切りを終えたマカヒキと桜


 このあと皐月賞2着を経て、ダービー馬に輝きましたね。

 マカヒキの後ろに写っている桜の全体像はこんな感じ。桜のたもとには馬頭観音が祀られています。

馬ニアックな世界

▲さきほどの桜の全体像


 周回コースの3コーナー付近にも桜が。

 こちらは2018年3月29日の風景。桜が綺麗だったので、ちょうどやってきた3頭併せプラスその前を走る単走追い切りに思わずシャッターを切りました。

馬ニアックな世界

▲トレセンの周回コースにある桜


 最後に番外編。

 勝運や馬の神様として知られ、競馬関係者も訪れる藤森神社(京都市伏見区)。

 境内の入り口の桜と新緑のコラボレーションで心が清らかになりました。(2017年4月16日撮影)

馬ニアックな世界

▲藤森神社にある桜

競馬リポーター。競馬番組のほか、UMAJOセミナー講師やイベントMCも務める。『優駿』『週刊競馬ブック』『Club JRA-Net CAFEブログ』などを執筆。小学5年生からJRAと地方競馬の二刀流。神戸市出身、ホームグラウンドは阪神・園田・栗東。特技は寝ることと馬名しりとり。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング