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【フローラS予想】波乱の立役者は内枠の人気薄!

  • 2021年04月18日(日) 18時00分

■フローラS(GII・東京芝2000m)フルゲート18頭


★3行でわかる! フローラS 攻略の糸口

1.波乱傾向が非常に強いレース。馬番01〜06番は特注級!
2.勝つのは末脚キレッキレ型。ただし人気薄の前残りに注意。
3.前走1勝クラス組が強く1着馬や関西馬は◎。2月生まれ○

データ特注推奨馬
 ★現時点ではなし
 波乱傾向の強さはトップクラスで、毎年のようにふたケタ人気が突っ込んでくるのがフローラS。クラシックのトライアルGIIとは思えないほど、よく荒れる一戦である。昨年は堅く決まったほうだが、それでも3連単は7万馬券だ。4番人気以内馬が8勝しているように、1着はそれなりに堅く決まるのだが、2〜3着は何が飛んできても不思議ではない。3連単や3連複を買うならば、かなり手を広げる必要があるだろう。

 最重要ファクターは枠番で、馬番01〜06番が圧倒的な強さを見せている。信頼度だけでなく回収値もメチャクチャ高いので、盲目的に「ぜんぶ買う」のもアリだ。それとは対照的に、外枠である馬番13〜18番はサッパリ。開幕週でもあり、特殊なコース形態の影響がいつも以上に強まってる様子である。勝ち負けに持ち込むには、最低でも「真ん中よりも内」の馬番がほしい。

 脚質や展開については「勝つのは瞬発力に秀でた差し馬で、2〜3着に人気薄の先行勢」といった決着が多い。折り合い重視でゆったりした流れになり、最後の直線に入ってからの上がり勝負に──といったパターンが多いということだ。あとは、前走で1勝クラスに出走していた組が[7-5-4-55]と大活躍しているのも、このレースの大きな特徴。前走で重賞やオープン特別に出走していた組よりも、こちらのほうが格段に強い。

 枠番や人気が重要なレースなので、現時点でのデータ特注推奨馬は「なし」となる。あえていうならば「馬番01〜06番を引き当てた先行力のある人気薄」だろうか。それくらい枠番が重要なレースで、いつも以上に内枠有利&外枠不利だというのを、しっかり意識しておきたい。

【コース総論】東京芝2000m Aコース使用
・コースの要所!

★人気サイドは高信頼度もヒモが紛れる印象。7〜9番人気など人気薄も要警戒。
★内枠のほうが信頼度は格段に高い。多頭数ならば、真ん中よりも内が欲しい。
★イメージよりも差せないコース。とくに人気薄は先行勢を重視するのが正解。




 天皇賞・秋の舞台であり、GI開催コースでは屈指の「クセの強さ」がある東京芝2000m。1コーナー奥のポケットからスタートしてすぐにバックストレッチへと進入するが、そこでは「直角」に近い急カーブを曲がることになる。かなり特殊なコース形態で、誰がどう見ても外枠が不利。スタートからバックストレッチ進入までの区間を、いかにロスなく立ち回るかという、ジョッキーの手腕が問われてくる。

 そんなトリッキーなコースではあるが、人気サイドの信頼度はけっこう高め。人気馬を必要以上に疑うファンが多いためか、回収値もかなり優秀だ。ただし、人気サイドでキッチリ決まるようなコースではなく、ヒモはかなり荒れるイメージ。7〜9番人気はもちろん、10〜12番人気や13番人気以下の大穴に至るまで、その激走率はかなりの高さだ。相手はあまり絞らず、手広くとったほうがよさそうな印象を受ける。

 次に枠番だが、こちらはやはり内枠有利&外枠不利。単純に内外を比較したデータだけでも、外枠のキツさは一目瞭然だ。大外である馬番17〜18番は意外に健闘していたりするのだが、トータルで見ればやはり内枠のほうがベター。内容がもっとも優秀なのは、「やや内」である馬番05〜08番となっている。平均人気の差もあるとはいえ、枠番による影響がここまでハッキリと出るコースというのは、かなり珍しい。

 最後に脚質面だが、こちらはイメージよりも前が残っている。「東京芝の中距離=いかにも差せそう」な印象だが、4コーナーを5番手以内で回った先行勢信頼度は、連対率20.2%、複勝率28.4%と非常に高い。また、最速上がり馬よりも上がり2位の馬のほうが高信頼度というのも、差し優勢ではない裏付けとなる。差せるコースではあるが、じつは前から狙ったほうが、オイシイ馬券にありつきやすいのだ。

【レース総論】フローラS(GII) 東京過去10回
・レースの要所!

★ふたケタ人気馬の激走率が猛烈に高いレース。2〜3着には穴馬を積極的に!
★コースデータ以上に内枠有利&外枠不利。内枠はぜんぶ買うのが正解かも。
★かなり差し優勢で瞬発力の要求度が高いが人気薄の前残りも多発している。
★前走1勝クラス組を最重視。前走芝1800m以上組や2月生まれの馬も高評価。









 レースの平均配当は、単勝1117円、馬連1万6396円、3連複5万6193円という高水準。馬連平均がここまで高いレースは、かなり珍しいはずだ。2015年のように堅く決まった例もなくはないが、それ以上に目立っているのが大波乱。ふたケタ人気の大穴がガンガン激走する、きわめて波乱傾向の強い一戦となっている。それだけに狙いを絞りづらい面はあるが、うまくハマれば超高配当も狙えそうだ。

 このレースにおける最重要ファクターといえるのが「枠番」である。開幕週で、超高速馬場になるケースが多いのも影響しているのだろうが、それにしても内枠の強さは圧倒的。内枠である馬番01〜06番と、外枠である馬番13〜18番では、信頼度に天と地ほどの開きがある。内枠のほうが人気にはなっているのだが、出している結果はレース前の評価をゆうに上回るもの。馬番01〜06番に入った馬は、もう「すべて買う」のが正解かもしれない。

 次に脚質面だが、コースデータよりも差し優勢であるのは間違いなし。折り合い重視でスローペースになると、最後の直線での瞬発力勝負になりやすいというのは、当然の話だ。上がり最速〜2位の馬が過去10年で9勝をあげているのだから、勝ち負けには末脚のキレが必須といえる。ただし、人気薄で穴をあけた馬は先行勢のほうが多いので、差し・追い込み勢だけを狙い撃ちにするのはオススメできない。

 前走クラス別成績では、前走が1勝クラスだった馬が[7-5-4-55]と大活躍中。なかでも素晴らしいのが「前走1勝クラス1着馬」と「前走1勝クラス出走の関西馬」で、この条件をクリアする馬は文句なしに買いだ。それ以外では、前走が未勝利戦だった馬も意外に侮れない。前走GIII組も2着が4回、3着が4回と存在感はそれなりに発揮しているが、1着がゼロというのはもの足りない結果である。

 前走で出走していたレースの「距離」も、かなり重要。ここは前走が芝1800m以上だった組が圧倒的に強く、人気でも穴でも好成績。それとは対照的に、前走が芝1600m以下だった馬は[1-1-1-42]で複勝率6.7%と絶不調で、しかも3番人気以内でしか好走できていない。今年も、前走で芝マイル以下を使われていたような馬は期待薄で、よほど強い材料がなければ「消し」が正解となることだろう。

 因果関係がよくわからないアノマリー系データからは、生月別での成績に注目したい。簡潔にいえば「早生まれのほうが強い」レースで、1〜2月生まれとそれ以外とでは、信頼度に大きな差がある。この時期の牝馬は完成度のバラつきが大きいので、やはり早生まれのほうが有利なのだろう。とくに内容がいいのが2月生まれの馬で、なんと馬券に絡んだ馬の半数近くを占めている。昨年はサッパリだったので、ぜひ巻き返しを期待する。

 最後に騎手関連データだが、勝率や連対率が高いのは継続騎乗組。上位人気から軸馬を選ぶ場合には、継続騎乗組を重視したほうがいいだろう。しかし、両者の複勝率はまったく同じで、複勝回収値は乗り替わり組のほうが圧倒的に高い。ということは、1着には継続騎乗組を、2〜3着のヒモには乗り替わり組の穴馬を狙うのがベターという結論になるか。

【血統総論】


 血統面では、ディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒、スクリーンヒーロー産駒、ヴィクトワールピサ産駒をプラス評価の対象とした。なかでも注目に値するのが、スクリーンヒーロー産駒が見せている超抜級に高いコース適性。もし出走してくるようならば、超人気薄でも買いたくなるほどだ。同様に、ヴィクトワールピサ産駒も高い爆発力を秘めているので、積極的に狙っていきたい。

★出走想定馬 総論×各論
 本稿執筆段階で出走の意向が把握できているのは15頭。アルメリア賞を制して2戦2勝でここに駒を進めてきたオヌール、桜花賞を回避してここに照準を合わせてきたユーバーレーベン、牡馬を相手に若駒Sを制しているウインアグライアなどが、上位人気候補となりそうだ。しかし、特別登録の段階でもっと頭数が増える可能性もあり、実際にどのような人気順になるかはサッパリ読めない。

 しかも、このレースの最重要ファクターが枠番であるのは、繰り返し解説してきたとおり。トップ評価の馬でも外枠に入れば「消し」になるのだから、現時点でのジャッジに何の意味もない。というわけで、今回や通常とはいささか異なる形式で、出走予定馬についての「各論」を述べていきたい。

 まずはユーバーレーベンについて。阪神ジュベナイルFで僅差の3着だった本馬の強さは、ソダシとサトノレイナスが桜花賞でもワンツーを決めたことで、改めて証明された。しかも今回は、鞍上がM.デムーロ騎手に戻る予定。いかにも買いたくなるが、前走重賞組の成績がイマイチであることなど、懸念材料はけっこう多い。「2〜3着はあっても1着はなさそう」というのが、現時点でのジャッジとなる。

 それとは対照的に、買い材料が豊富なのがオヌール。母がアヴニールセルタンで全姉がデゼルという、この世代でも屈指の超良血だ。完成するのが遅い血統で、さらに本馬は遅生まれでもあるので、本当によくなるのはまだまだ先だろう。それでも、「前走で芝1800mの1勝クラスを勝ったディープインパクト産駒の関西馬」ならば、通用する可能性は十分にあるはず。個人的には、ユーバーレーベンよりもこちらを高く評価している。

 人気は読めないが、データ的にはもっとも「買い」といえるのが、関東馬のパープルレディーだ。初勝利までに3戦を要したが、前走のゆりかもめ賞では接戦をモノにして、2連勝でここに駒を進めてきた。全兄にミッキーグローリーとカツジがいる血統だが、兄たちとは違って、こちらはかなり小柄に出ている。東京開幕週の軽いスピード馬場は大歓迎のはずで、末脚のキレも申し分なし。あとは、枠番次第か。

 人気薄となりそうなところでは、オメガロマンスが面白そう。収得賞金400万円なので出走馬が増えると抽選となるが、おそらく大丈夫だろう。前走の中山・ミモザ賞では、重い馬場でよさをまったく発揮できなかった印象。着順以上の大敗だったが、軽いスピード馬場になれば、ガラッと一変する可能性を秘めている。キャリア2戦は割引材料も、全姉にオークス馬ヌーヴォレコルトがいる血統など、魅力も大きい。

 以上が、レースのカギを握りそうな4頭についての「各論」となる。あとは人気と枠番次第だが、このままいくと逃げ・先行勢が少なく、かなり前有利な組み合わせになる可能性アリ。開幕週なので、どういった馬場なのかをしっかり確認しておく必要もある。難解な一戦だが、うまく的中できればリターンは特大級。GIシリーズの資金稼ぎには、ある意味もってこいのレースといえる。


■総論×各論・先々週の馬券回顧


いいタテ目である(#^ω^)ビキビキ
いきなり出現した超高速馬場で、しかも土曜日から外差し傾向が非常に強かった阪神。「ならばなおさら!」と、トップ評価の10アールドヴィーヴルから勝負。この馬券は本線で、
相手はもっと手広く買っております。で……あの展開を前々から押し切るんだから、04ソダシはマジで強いよね。そして、18サトノレイナスの末脚もさすがのモノ。このタテ目をまったく押さえていない俺も、ある意味さすがダヨネ(自嘲)。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2011年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気―平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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