素晴らしい安定感をみせた一頭とは…

　今週は日本でのGIは中休み。とはいっても、マイラーズCを筆頭に楽しみなレースが3つもありますが、香港ではチャンピオンズデーが開催され、クイーンエリザベス2世Cにはデアリングタクトなど4頭、チェアマンズスプリントPにはダノンスマッシュといった日本馬が参戦を予定しています。

　ダノンスマッシュに関しては、安田隆行調教師から出国前から状態が良いことは伺っていましたが、現地でもすこぶる順調とのこと。JRAのホームページでは、J.モレイラ騎手のコメントが掲載されていますが、毎日騎乗してくれているそうです。高松宮記念を制して、国内外のGIを制覇。ここまで充実してくれば、快進撃を続けてほしいですね。

【福島牝馬S/シゲルピンクダイヤ】

　前走は愛知杯で9着。にもかかわらず、netkeiba.comの予想オッズでは1番人気(4月21日時点)の支持を受けているようですから、本当に人気のある馬。これだけ注目されれば、そろそろ重賞勝利の勲章が欲しいところでしょう。

　今回は休み明けですが、調教量自体は入念。1週前追い切りはCWで単走でしたが、これは中日新聞杯を2着した時と同じパターン。前走時の1週前併せ先着から微妙に調教内容を変更しています。その分、最終追い切りは坂路でしたが、前走よりも時計を出して、4F53.8秒。個人的には2Fに注目していましたが、これが25.1秒。24秒台なら中日新聞杯の最終追いと同じだけに巻き返し必至と思っていましたが、この数字は少し微妙なところもあります。

【福島牝馬S/ミスニューヨーク】

　紫苑Sが0.3秒、秋華賞とエ女王杯は0.9秒というのが勝ち馬からの着差。前走3勝クラスを勝ち上がったばかりとはいえ、実力はすでに重賞で通用するものを見せているというのが個人的な判断です。

　それにゆえに1週前追い切りの動きも注目していましたが、CWで素晴らしい併せ馬先着でした。最終追い切りは坂路で4F目が最速になるラップを踏んでおり、このパターンは前走時と同じ。良馬場になって、時計が速い決着になった時が心配だと思っていましたが、今の新潟芝は夏開催のようなスピードではありません。まして、先週雨の影響を受ける中での開催でしたから、馬場適性の心配もありません。

【フローラS/オヌール】

　デビュー前の追い切りが動くなあとは思っていましたが、ここまで無傷。4ヶ月ぶりだった前走は1週前追い切り、最終追い切りがともにDPでしたが、2月28日に坂路で4F52.5秒を挟んでいて、いかにも友道康夫厩舎らしい、週末追い切りの負荷をかけての勝利でした。

　ここまで2戦、調教のパターンが固定されていないだけに、今回もまた違うといった内容。1週前追い切り、最終追い切りともに坂路というのはもちろん初めてです。1週前には川田将雅騎手が跨っていましたが、素晴らしい安定感でしたね。4F54.6秒が遅いというのは全く関係ないと思います。最終も4F53.8秒と時計は遅くなっていますが、問題はどんな動きを見せているか。坂路追いはライブで見ることができないので、映像で確認後に重賞捜査網でしっかり解説します。

【マイラーズC/ケイデンスコール】

　安田隆行調教師から「最終追い切りは明日(22日)やります」と聞いた時は、正直？でしたが「今回は前日輸送がないので」と聞いて納得。確かに、京都金杯の時は1月2日に追い切って、中2日で当日輸送の中京。今回も22日に追い切れば、中2日で阪神ですから、勝った時のパターンを大切にしたといったところです。

　ちなみに2週前追い切りにも1週前追い切りにも岩田康誠騎手が跨り、2F24.6秒、24.5秒と素晴らしい時計でまとめています。個人的にはオーロCで岩田康誠騎手が跨って追い切ったことが復調のきっかけだったと思っています。そういった意味では、今回も変わらず順調。あとは最終追い切りがどのような動きか。こちらも重賞捜査網で解説させていただこうと思っています。

【マイラーズC/ギベオン】

　前走は展開的にハナを切ってしまえば有利かも知れないけど、調教内容としては強調できる部分が見つけられない。そんな無印だっただけに、悔しい思いもありましたが、過去の好走時との比較だと、あの軽い最終追い切りが好走の要因と推すことはできません。

　今回は1週前追い切りCWでの併せ馬が非常に軽い内容。時計は遅くなりましたが、自分のリズムで前受けすれば、やっぱり強いよなあという感じ。最終追い切りはCWで単走でしたが、こちらは前走よりも時計が速くなって、5F67.3秒。これまた前走とパターンが違ってくるので、判断が難しいところ。ただ、動きとしては、やっぱり自分のリズムで走ることができた時の強さがありますし、西村淳也騎手との手も合っています。



◆次走要注意

・4/18　3歳未勝利【ハクサンタマテバコ】(10人/8着)

　前半3Fは32.8秒。とんでもなく速いラップを刻みながら、最後まで見せ場十分のレース内容でした。父ハクサンムーンを彷彿させるレースぶりはこれからも注目すべき先行力だと思います。

　馬体重は-18キロでしたが、レース内容を見るかぎり、これがベスト体重。次走以降も最終追い切りが美浦坂路で4F目最速ラップなら、必ず勝ち上がるチャンスがやってくるでしょう。

[メモ登録用コメント][短距離]最終追い切りが美浦坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

＜阪神ダート1800m＞
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
◎最終追い切りが坂路馬場で3F目12.5秒以下かつ4F目12.9秒以下
○最終追い切りが併せ馬で先着
○調教タイプが標準多め坂路

　4月18日の3歳1勝クラス、牝馬限定戦。3連複14万オーバーの高配当でしたが、これを演出したのが、3着バージョンアップ。その最終追い切りは栗東坂路で4F目12.2秒の最速ラップで、併せ馬を追走して先着。◎○の調教適性に該当しての激走でした。

　中16週と休み明けで追い切り4本の軽目坂路でしたから、調教量だけで判定すれば、とても評価できません。ただ、ここは牝馬限定でしたし、量よりも質が重要だったいうこと。

　ちなみにウマい馬券は、最終追い栗東坂路で4F目最速の2着リアンクールを本命にして、1着ベルヴォーグは藤原英昭厩舎の勝負調教(調教タイプが馬ナリ平均併用)に該当していたので、うまく3連複も的中させることができました。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!