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母でも成功する可能性が高いラヴズオンリーユー

  • 2021年04月26日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・4/25 クイーンエリザベス2世カップ(G1・シャティン・芝2000m)
 中団を追走したラヴズオンリーユーが残り200mで外から先頭に立ち、さらに外から追い込んだグローリーヴェイズを3/4馬身抑えました。全兄リアルスティールはドバイターフを勝っているので、兄妹で海外G1を制覇したことになります。

「ディープインパクト×ストームキャット」の組み合わせは定番のニックスで、多数の重賞勝ち馬が出ています。海外のレースに強いのも特長で、この兄妹の他にもスタディオブマン(仏ダービー)、エイシンヒカリ(イスパーン賞、香港カップ)、キズナ(ニエル賞)が海外重賞を制覇しています。

 3代母ミエスクは80年代の世界最強マイラーで、2代母モネヴァッシアは名種牡馬キングマンボ(キングカメハメハの父)の全妹。母ラヴズオンリーミーは「ストームキャット+キングマンボの全妹」という配合なので、ロードカナロア(キングマンボ×ストームキャット)と配合構成がよく似ています。

 不出走馬ながら繁殖牝馬として大成功し、仔の世代だけでなく孫の世代からも重賞勝ち馬(テルツェット/ダービー卿チャレンジトロフィー)を出しており、その目覚ましい活力は、今後何年にもわたってわが国の生産界に実りをもたらすでしょう。もちろん、ラヴズオンリーユーもいずれ母となったときに成功する可能性が高いと思われます。

・4/25 フローラS(GII・東京・芝2000m)
 好位を追走したクールキャットが残り300mで先頭に立ち、内で粘るスライリーに1馬身差をつけて快勝しました。スクリーンヒーロー産駒のフローラS優勝は、昨年のウインマリリンに次いで2年連続です。

 スクリーンヒーロー産駒は基本的に東京芝よりも中山芝を得意としているのですが、東京芝2000mに限ると[9-2-4-29]で、勝率20.5%、連対率25.0%、複勝率34.1%と抜群の成績です。

 クールキャットはトリオンフ(中山金杯など重賞3勝)の半妹で、母メジロトンキニーズはダイヤモンドSで2着となったステイヤー。初戦でソングラインに完勝しているように能力は高いのですが、3走前のアルテミスSは序盤に力んで折り合いを欠き、2走前のフェアリーSは向正面から一気にスパートして先頭を奪うという無理な競馬がたたって直線で失速。前走は出遅れて位置取りが悪くなるという不利がありました。今回はスタートからゴールまでスムーズにレースを運ぶことができたのが勝因です。

 この馬が挙げた2勝はいずれも鞍上がルメール騎手です。母が3400mの重賞で2着となっているので、2400mをこなすだけのスタミナは十分あるでしょう。ルメール騎手はオークスでアカイトリノムスメに乗ることが決まっているので、新しい鞍上がスムーズにエスコートできるかどうかだけです。

今週の血統注目馬は?


・5/1 矢車賞(1勝クラス・阪神・芝2200m)
 キズナ産駒は阪神芝2200mで連対率26.7%。2011年以降、当コースで産駒が15走以上した22頭の種牡馬のなかで第3位という優秀な成績です。当レースにはアサケレディとハギノピリナの2頭が登録しています。前者は前走の忘れな草賞で5着と好走し、後者は今回と同じ阪神芝2200mの未勝利戦(重)を勝ち上がってここに臨みます。いずれもチャンスがありそうです。

今週の血統Tips


 ロードカナロアのニックスはいくつかありますが、「母の父ハーツクライ」はその代表例のひとつです。ハーツクライはスタミナ寄りの血なので、スピードを武器とするロードカナロアと合うのでしょう。

「連対率22.0%、1走あたりの賞金額385万円」は、ロードカナロア産駒全体の「20.9%、245万円」を上回り、出走馬わずか17頭からケイデンスコール、トロワゼトワル、ヴァルディゼールと3頭の重賞勝ち馬が出現しています。とくに芝1600mの成績が素晴らしく、勝率27.3%、連対率36.4%は圧巻です。馬券だけでなくPOGでもこの配合は積極的に狙いたいところです。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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