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NHKマイルCはどの重賞で好走してきたかが重要

  • 2021年05月08日(土) 19時00分
 前回5月2日のWIN5は293万3760円の配当で決着。2レース目の端午S(阪神10R)を単勝オッズ12.9倍(7番人気)のルーチェドーロが制したこともあり、やや高めの払戻金となりました。単勝オッズ4倍未満の支持を集めていた3頭がすべて2着以下に敗れたのも、配当を押し上げた一因と言えるでしょう。

 なお、単勝オッズ4倍未満の馬が3頭以下だったのは2020年の6月14日以来で、通算27回目。WIN5全体(計552回)に対する割合で言うと、5%弱にすぎません。ちなみに最少記録は2頭で、2013年の3月10日、2014年の3月16日、2015年の3月29日と、これまでに3回あります。

 単勝オッズ4倍未満の支持を集めるような馬があまりいない、すなわち混戦模様のレースが多いということは、それだけ極端な低額配当で決着する可能性が低いということ。少点数で的中させるのは難しくなりますが、普段よりも手を広げるならばこういった回を選びたいところです。

 明日5月9日のWIN5は総出走頭数が76頭、総組み合わせ数が78万6240通り(土曜12時現在)。対象5レースすべてがオープンクラスという、豪華なレース構成になりました。

【2021年05月09日発売分の1点予想】

中京10R 2.ポールネイロン
東京10R 4.エルデュクラージュ
新潟11R 9.サトノエルドール
中京11R 10.クリノガウディー
東京11R 8.グレナディアガーズ

【1レース目 橘S(中京10R)】

 実績馬が優勢。「“JRA、かつ1400〜1600m、かつオープンクラスのレース”において6着以内となった経験のない馬」は2016年以降[0-2-1-25]と勝ち切れていません。マリーナ・カイトゲニーらは評価を下げるべきでしょう。

 今年はポールネイロン・ニシノアジャスト・ヴィジュネル・エルカスティージョあたりが有力。コース替わりがプラスに働きそうなポールネイロンは特に楽しみです。


【2レース目 ブリリアントS(東京10R)】

 前走好走馬を重視したい一戦。「前走の着順が2着以下、かつ前走の1位入線馬とのタイム差が0.4秒以上だった馬」は2018年以降[1-0-1-37]と苦戦していました。ハヤヤッコ・バンクオブクラウズらは扱いに注意すべきだと思います。

 マサハヤニース・タマモサンシーロ・ラストマンあたりもそれぞれ面白い存在ですが、中心はやはりエルデュクラージュ。特に不安要素が見当たりません。

【3レース目 新潟大賞典(新潟11R)】

 こちらも基本的に前走好走馬が強いレース。「前走の着順が4着以下、かつ前走のコースが芝、かつ前走の馬場状態が良だった馬」は2015年以降[0-2-1-51]です。

 また「“同年、かつJRAのレース”において2着以内となった経験がない、かつ前走との間隔が中8週以内の馬」も2015年以降[0-0-1-36]。トーセンスーリヤなど、年明け以降のレースで連対を果たしていない馬は過信禁物と見るべきでしょう。

 さらに「前走のコースが京都・阪神・中京・小倉だった馬」は2015年以降[2-0-0-40]。ボッケリーニ・サンレイポケット・ポタジェ・ダノンマジェスティといった、中京以西のレースを経由してきた馬も信頼し過ぎない方が良いと思います。

 狙ってみたいのはサトノエルドール。暖かい時期の方が良いタイプですし、コース適性の高さは証明済みですから、今回も侮れません。

【4レース目 鞍馬S(中京11R)】

 キャリアが豊富過ぎる馬は不振。「出走数が25戦以上の馬」は2016年以降[1-0-1-38]と安定感を欠いていました。

 チャンスがありそうなのはマリアズハート・ナランフレグ・エレナアヴァンティ・ケイアイサクソニー・クリノガウディー・ケープコッドあたり。実績上位のクリノガウディーは素直に押さえておきたいところです。

【5レース目 NHKマイルC(東京11R)】

 直近のパフォーマンスがポイント。「前走の着順が1着だった馬」は2017年以降[0-0-0-18]、「前走の着順が6着以下だった馬」は2017年以降[0-0-0-26]と、それぞれ上位に食い込めていません。主要な前哨戦とは微妙に異なった資質を求められるレースなので、大敗直後の馬だけでなく、前走を勝ち切った馬も評価を下げるべきでしょう。今年もルークズネスト・バスラットレオン・ホウオウアマゾンらは扱いに注意すべきだと思います。

 なお、近年は阪神芝1600m外や左回りの重賞で好走したことのある馬が中心。「“阪神芝1600m外、かつ重賞のレース”において4着以内となった経験がない、かつ“JRA、かつ左回り、かつ重賞のレース”において2着以内となった経験がない馬」は2017年以降[0-2-0-37]でした。シュネルマイスターなど、この条件に引っ掛かっている馬は割り引きが必要です。

 ちなみに「生産者がノーザンファーム以外、かつ父にディープインパクト系以外の種牡馬を持つ馬」も2017年以降[0-1-1-34]と勝ち切れていません。

 これらの条件を綺麗にクリアしているのはグレナディアガーズ・ピクシーナイトの2頭。休養明け2戦目のグレナディアガーズは特に有力と見て良いでしょう。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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