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【NHKマイルC予想】良馬場の東京開催だが、内&前にこだわる舞台設定ではない

  • 2021年05月08日(土) 19時00分
毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。


 3週目に入った東京の芝は引き続きAコース。金曜に0.5ミリ(JRA発表)の降雨を記録したが、土曜は良馬場で終日行われた。土曜朝の時点のクッション値は「9.2」(標準)で雨の影響はほとんどなかった。むしろ、いいお湿りとなった印象。ただ、パトロール映像で見る限り、3〜4コーナーの内ラチ沿いは傷んで、芝が薄くなっている箇所が見られる。

 今春の東京開催は開幕週から決して前&内有利ではなく、差しも決まっている。1週目はかなり速い時計が出ていた。今週も開幕週ほどではないが、速い時計が出ている。先週日曜は特別3鞍の勝ち馬の最終4コーナーの位置は「10番手、7番手、8番手」と差し馬が活躍。その傾向は土曜8日も見られた。

 土曜は、芝競走は5鞍。勝ち馬の4コーナーの位置は「2番手、2番手、2番手、9番手、2番手」。これだけを見ると一見先行勢が有利に見える。ただ、2着馬の4コーナーの位置を見ると「9番手、11番手、5番手、2番手、4番手」で差し馬の浮上もあった。

 NHKマイルCと同じ1600mの5R・3歳未勝利戦は2番手追走の3番人気ヴルカーノが抜け出して勝った。勝ち時計1分34秒1。2着は中団追走の1番人気エンブレムコードが上がり3F33秒3で届いた。このレースの前半3F36秒0、後半3Fは33秒8で完全なスロー。この流れで1分34秒台前半が出る状況を考えると、NHKマイルは「1分32秒台」は確実に出る。

 続く6R・3歳1勝クラス(芝1400m)は2番手追走の3番人気アビッグチアが好スピードで押し切って1分21秒0。4コーナー11番手の11番人気ペイシャフェスタ(上がり3F33秒3)が2着に届いたのは驚いたが、瞬発力がある馬はやはり警戒が必要。

 日曜は引き続き好天。高速決着への対応力はポイントになってくる。NHKマイルCはそれなりに先行型がいて、前の組の隊列や流れ次第では「差し決着」になる可能性も。内&前にこだわる舞台設定ではない分、個人的には意外に先行勢の折り合いがついて、Mペース想定とみているが、果たしてどんな展開になるのでしょう。

スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。

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