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京都新聞杯レッドジェネシスのVロード レースで“道を作る作業”とは 【月刊 川田将雅】

  • 2021年05月20日(木) 18時02分
VOICE

▲京都新聞杯から、川田騎手のレース中の思考に迫ります (撮影:桂伸也)


今回のテーマは直近の話題をお届けする「月刊 川田将雅」。レッドジェネシスで制した京都新聞杯の回顧を中心にお届けします。

このレースは川田騎手の進路取りに、思わず筆者も唸った一戦。解説の中で、川田騎手から「道を作りにいく」というキーワードが。いったいそれはどういうことなのでしょうか? 川田騎手のレース中の思考に迫ります。

(取材・構成=不破由妃子)

勝敗を左右した「椅子取りゲーム」


──5月は3週目が終わった時点で早くも10勝。3回中京の初日は5戦4勝という川田デーで、なかでも京都新聞杯(レッドジェネシス)でのエスコートには思わず唸りました。あのレースは、イメージしていた通りの展開だったのでしょうか。

川田 イメージしていた通りというよりは、乗りながら流れのなかでレースに対応し、道を作っていく感じでした。ゲートを出て、「もう少しポジションを取りにいかないといけないかな」と考えているときに、(福永)祐一さんの馬(2着ルペルカーリア)と(藤岡)佑介の馬(8着ワイドエンペラー)が接触して…。

──ああ、スタートして各馬のポジショニングが決まる前に、ちょっと接触がありましたね。福永さんも「あれでエキサイトしてしまった」とコメントされていましたが、接触したことでルペルカーリアがグッとハミを噛んで。

川田 はい。それを見た瞬間、今日はポジションを取りに行かなくていいと判断して、すぐに下げました。

──スローにはならないと読んだから?

川田 早く追いかけに行くレースにはならないと判断したからです。いつもほかの馬の動きを見ながら競馬を組み立てていくんですが、あのときは並び的に、ちょっと引けばすぐ内に入れられるスペースができることがわかっていたので、接触を見たと同時にすぐに引いて、スピードを乗せずに内に入れることを選択したんです。

──そのまま内を進むのかと思いきや、ちょっとずつちょっとずつ外に出して…。

川田 向正面からは、今度はどこに進路ができてくるのかを考えないといけないので。それ以前に、内に入れた段階から、ほかの馬たちの動きを観察しつつ、レッドジェネシス自身のリズムも作りながら、どういう競馬にしていくのが最善かを考えながら乗ってました。その結果、ああいう選択をしたということですね。

──3〜4コーナーで浜中さん(3着マカオンドール)が外から上がってきたタイミングで、外目に誘導していきましたよね。

川田 内に閉じ込められないようにということもありますが、それ以上に、内にいた和田さん(4着トーホウバロン)を出さないように、3コーナー過ぎでいったん少し外に進路を切り替えたんです。

 というのも、僕が選んだ進路を和田さんも選ぶことができる形だったんですよ。だから、和田さんが選ぶ前に、僕がその進路を取ってしまおうと。先手を打つことで、向こうは動けるスペースがなくなりますから。

──なるほど…。静かなポジション争いが展開されていたわけですね。

川田 簡単に言うと、椅子取りゲームですよね。あそこでジッとしていたら、外からきた(浜中)俊に行かれて、俊が僕の進路を取ったかもしれないし。そうなる前に、こちらが制しにいったというシーンですね。

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1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。

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