スマートフォン版へ

【日本ダービー予想】基本はエフフォーリアの相手探し!

  • 2021年05月23日(日) 18時00分

■日本ダービー(GI・東京芝2400m)フルゲート18頭/登録18頭


★3行でわかる! 日本ダービー 攻略の糸口

1.Cコース替わりで一気に超内枠有利&先行勢優勢と化す!
2.前走「僅差負け」の馬が絶好の狙い目。マイナス体重も◎
3.人気薄は「3着激走」が多い。乗り替わりは大幅マイナス

データ特注推奨馬
 ★エフフォーリア


 今年も大いに注目されるのが、B→Cコース替わりによる馬場バイアスの変化だ。今開催の東京芝はこれまでのところ、直線の長いコースらしく「差し優勢」という印象だが、オークス週を経てのCコース替わりで、一気に内&前が圧倒的に有利なバイアスに変わるケースが多い。超高速で前が止まらず、差すに差せないような馬場が出現するのかどうかを、土曜日のうちにしっかりチェックしておく必要がある。

 データ面では、前走での「着差」に注目。近年のダービーでは、前走1着馬か「前走0秒5以内の着差で敗れていた馬」がよく走っているからだ。前走で0秒6以上の着差をつけられていた馬が巻き返したケースもなくはないが、トータル[1-0-3-71]で複勝率5.3%、複勝回収値21という内容では、狙う価値ナシ。信頼度が高く回収値も優秀である「前走僅差負け」組を重視するスタンスをオススメしたい。

 それ以外では、レース当日に「マイナス体重」で出走してくるかどうかも超重要。頂上決戦の舞台らしく、前走から少しでも絞れている馬のほうが、格段に期待できる。あとは、人気薄が「3着」に激走するケースが多いことや、鞍上の乗り替わりが大幅マイナス材料で、1着がまず期待できないこと、キャリア4〜5戦で出走する馬が突出して好成績であることなども、取捨選択で積極的に活用したいデータといえる。

 データ特注推奨馬は、無敗の皐月賞馬エフフォーリア。枠番や馬場バイアスといったファクター抜きでの話になるが、データ的には文句なしに「買い」といえる内容だ。割引材料をあげるならば、継続騎乗予定の横山武ジョッキーが、22歳と非常に若いこと。近年のダービーは若手が勝てないレースと化しており、あの武豊騎手でさえ、初ダービー制覇は29歳だった。ダービー1番人気の重圧に勝てるかどうかも、勝負の分かれ目となる。

【コース総論】東京芝2400m Cコース使用

・コースの要所!

★1番人気を筆頭に人気サイドが強いコース。穴は10〜12番人気が断然狙い目。
★平均人気の差が大きいとはいえ、内枠の内容は優秀。回収値の高さも目立つ。
★やや先行勢が優勢も、勝ち負けには決め脚の鋭さが高いレベルで要求される。





 コースデータは、先週のオークス回で掲載したものとまったく同じ。同じ内容を何度も繰り返すのはくどいので、今回はサラッと流させていただく。詳細な内容を知りたい場合は、お手数ながら前回の内容をお読みいただきたい。もっとも、クセの大きなコースではないので、この「簡易版」の内容を把握しておけば問題ないと思われる。

 基本的には広々とした「紛れのないコース」で、当然ながら1番人気馬は高信頼度。ここは素直に信頼したい。狙ってオイシイのは10〜12番人気のゾーンで、波乱含みの一戦ならばここから入るのもアリだろう。枠番は「内枠有利」の傾向が強く、Cコース替わりとなる今週は、なおさらこれを意識すべきタイミングといえる。近年はここで、メチャクチャ「前&内有利」の馬場が出現している。

 脚質は、一応は先行勢が優勢ながら、上がり3F順位の上位馬が圧倒的な強さを見せているように、勝ち負けには決め脚の鋭さが高いレベルで要求される。逃げた馬が全敗しているように、東京の長い直線を最後まで踏ん張り抜くのは、かなり難しい。また、近年は「超高速馬場で先行勢の上がりが速くなり、物理的に差せない」といったレース結果が増えてきている点に注意が必要だ。

【レース総論】日本ダービー(GI) 東京過去10回

・レースの要所!

★1番人気など人気サイドが好内容を残す。穴では10〜12番人気が断然の狙い目。
★強烈なまでに内枠有利&外枠不利。人気薄での激走例も内枠が圧倒的に多い。
★コースデータより「前」が優勢。青葉賞組よりも京都新聞杯組のほうが優秀。
★キャリア4〜5戦組や、当日マイナス体重の馬は買いが正解。継続騎乗組も◎。










 レースの平均配当は、単勝1382円、馬連3460円、3連複6万2486円と、馬連平均だけが低いという珍しいカタチ。なぜこうなるかといえば、ダービーは「3着紛れ」が非常に多いレースだからである。12番人気のロジャーバローズが勝った2019年のようなケースもあるが、圧倒的に多いのは昨年のヴェルトライゼンデ(10番人気3着)のように、3着にくるパターン。1〜2着は、わりと順当に決まる傾向にある。

 実際に人気別成績をみても、3番人気以内はトータル[8-6-4-12]で連対率46.7%、複勝率60.0%、複勝回収値103という素晴らしい成績。1番人気が突出して強いわけではなく、2〜3番人気の内容がいいというのも、覚えておきたいポイントだ。それとは対照的に、イマイチな結果に終わっているのが、4〜6番人気や7〜9番人気の中穴ゾーン。ここを狙うならば、思いきってもっと人気のない、10〜12番人気を狙ったほうがいい。

 次に枠番だが、こちらはよく知られるように、近年は圧倒的に「内」有利。先週のオークス回と比較すると面白いのだが、同じコースとは思えないほど、馬場バイアスが変化している。その背景にあるのがこの週からのCコース替わりで、シャレにならないほど内枠有利の馬場バイアスとなるケースが多い。さすがに少しは馬場のつくりを変えてくるかもしれないが、それでもやはり、内枠有利の傾向が継続する可能性が高いだろう。

 そしてこのCコース替わりは、脚質面にも多大な影響を与えている。最後の直線が長く、瞬発力の要求レベルが非常に高いコースであるにもかかわらず、なんと馬券に絡んだ馬の半数が先行勢なのだ。4コーナーを6番手以内で回った馬が圧倒的に強く、人気薄で上位に食い込んだのも、前々でレースしていた馬ばかり。上がり最速の馬よりも、上がり2位の馬のほうが好成績なのが、その裏付けとなる。

 前走レース別成績からは、京都新聞杯組の活躍に注目。回収値が高いのはロジャーバローズの「一発」がきいているためだが、そのほかにもキズナやサトノラーゼンなどの好走馬が出ており、その内容は青葉賞組よりも高く評価できる。そして、皐月賞組が強いのはレースレベルを考えれば当然。ただし、NHKマイルCからのローテは近年サッパリの結果に終わっているので、注意が必要だ。

 そして、オークスと同様にダービーでも重視したいのが、レースキャリア別での成績。レースでの消耗を避けるために極力「使わない」ローテが重視されるようになっており、近年は「ダービーまでに4〜5戦」というのが理想的といえる。もっとも高く評価したいのがキャリア5戦の馬で、こちらは人気を問わず大活躍中。昨年3着のヴェルトライゼンデや一昨年の勝ち馬ロジャーバローズのように、人気薄での激走例も多い。

 それに次いで評価が高いのがキャリア4戦で出走する馬だが、こちらはレース当日に3番人気以内に支持されることが、好走の条件となる。4番人気以下だった場合は[0-0-0-19]と全滅しているので、手出し無用だ。あとは、キャリア3戦の馬についても注意が必要。今年はこの組がけっこう人気を集めそうだが、過去10年の好走例はゼロ。フサイチコンコルド(キャリア2戦で優勝)のような例もあるにはあるが、相応の割引が必要だろう。

 非常にシンプルなデータながら活用する価値が大アリなのが、レース当日の馬体重増減別での成績。ダービーはご覧のとおり、マイナス体重で出走する馬のほうが圧倒的に強いレースなのだ。さすがは大一番といった印象で、人気薄での激走例も、マイナス体重だった場合のほうが格段に多い。当日プラス体重でも「買い」といえるのは、3番人気以内に推されていた場合くらいのものだ。

 最後に騎手関連データだが、よく知られているように、日本ダービーは「乗り替わり」では勝てないレース。1986年までの過去35年を対象としたデータでも、継続騎乗組が[35-26-26-372]で乗り替わり組が[0-9-9-178]と、その信頼度には天と地ほどの差がある。今年は鞍上が乗り替わる馬が多くなりそうだが、それでも変わらず、勝ち負けに持ち込めるのは継続騎乗組だろう。

【血統総論】


 血統面では、ディープインパクト産駒、ルーラーシップ産駒、オルフェーヴル産駒、ロードカナロア産駒、エピファネイア産駒をプラス評価の対象とした。これだとプラス評価の馬のほうが多くなってしまうが、実際に素晴らしい成績を残しているのだから致し方なし。アーモンドアイの活躍で成績が押し上げられているロードカナロア産駒にしても、距離をこなせるタイプの当該コース適性は、かなり高いと思われる。

★特別登録馬 総論×各論

 登録のあったダノンザキッドが、残念ながら骨折でダービーを回避。特別登録がピッタリ18頭だったので、ダービーが18頭立てとなった1992年以降で初となる「フルゲート割れ」となる。これについてはひと言もふた言も言いたいところだが、そういう趣旨の原稿ではないので割愛。勝負にならない馬は出すべきではない──といった意見もあるのだろうが、何が起こるかわからないのもまた、競馬の魅力だと思う次第である。

 人気の中心は、無敗の皐月賞馬エフフォーリア。桜花賞の2着馬サトノレイナスの果敢な挑戦も、かなり楽しみだ。毎日杯組のシャフリヤールとグレートマジシャンや、久々で青葉賞を制したワンダフルタウンなど、別路線組に面白そうな馬が多いのも、今年のダービーの特色といえそう。昨年に続いて無傷の二冠馬が誕生するのか、それとも逆転があるのか──今年も大いに楽しませてくれそうだ。

 馬場バイアスと枠番が非常に大きな影響を与えているレースだが、これについては現時点では「不明」としか言いようがない。ただし、ある程度は前有利の馬場になる可能性が高いはずだ。となれば、人気馬も穴馬も「4コーナーを6番手以内」で回れる馬を重視すべき。特別登録メンバーから、そう速い流れにはなりそうもないというのも、そう考える理由のひとつである。

 トップ評価は皐月賞馬エフフォーリア。レースごとの消耗が大きなタイプで、この中間も放牧先のノーザンファーム天栄で、綿密なスケジュールによる立て直しが行われている。その甲斐あって、ダービーにもいいデキで出走できそうな雰囲気だ。皐月賞を好内容で勝ったが、本質的には東京のほうが向くタイプ。距離についてもまったく問題なさそうで、脚質もプラス。中心不動で、ここは相手探しの一戦となると思われる。

 二番手評価にタイトルホルダー。弥生賞DI記念が4番人気、皐月賞が8番人気と、不思議なほどに人気にならない馬である。とはいえ、本馬が皐月賞で2着に好走したことや、弥生賞2着のシュネルマイスターがNHKマイルCを制したことで、ようやくその能力の高さが認められてきた。うまく内枠を引き当てて、4コーナー先頭〜2番手から押し切るようなレースができれば、ここでも好勝負が可能なはずだ。

 三番手評価に、青葉賞の勝ち馬であるワンダフルタウン。青葉賞の勝ち馬という時点で「1着ではなく2〜3着で狙うべき」とのジャッジとなるが、今年の相手関係ならば好走自体はかなり期待できそうだ。何より大きいのが、今年の登録馬では意外に少ない「継続騎乗組」であること。また、長期休養明けを叩かれての上積みが確実に見込めるのも、魅力的なポイントといえる。血統から、距離適性の高さもトップクラスのはずだ。

 以下はサトノレイナス、ステラヴェローチェという評価の序列。サトノレイナスはデータ面からの買い材料はかなり多いのだが、ネックなのが「脚質」で、出遅れて最後方からの競馬となる可能性もありそう。差しバイアスにでもなれば話は別だが、例年通りの馬場だと、厳しい面があるのは否めない。穴人気となりそうなシャフリヤールとグレートマジシャンは、近年実績のない「キャリア3戦」というのが、大きな割引材料となった。

 あとは当日の人気と馬場、枠番次第。人気薄が3着に激走するケースが多いのは前述の通りで、その候補はやはり「内枠」に入った馬となる。脚質にもよるが、今年も人気薄での激走候補は、ひとケタ馬番から選びたいところだ。当日の馬体重がマイナスかどうかで、成績が激変するレースだというのも、お忘れなく!


■総論×各論・先々週の馬券回顧




激アツ!からのハズレ(#^ω^)ビキビキ

悩みに悩んで購入したのが、04イベリスと14ディアンドルの複勝と、06グランアレグリアからこの2頭に流したワイド2点。そして、14番人気で単勝176.9倍だった14ディアンドルが「クビ差4着」でハズレでござるよ(痛恨)。06グランアレグリアだけが強くて、それ以下は差がないという見立ては合っていただけに、コレはけっこう悔しい。まあ、攻めた馬券で勝負できたこと自体は、自分で自分を褒めてあげたい。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2011年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング