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【マーメイドS予想】場外ホームラン級の高配当も狙える一戦!

  • 2021年06月13日(日) 18時00分

■マーメイドS(GIII・阪神芝2000m内)フルゲート16頭


★3行でわかる! マーメイドS 攻略の糸口

1.人気サイドの信頼度はワーストレベル。7〜9番人気が◎!
2.瞬発力の要求レベルが非常に高い。差し&追い込み優勢。
3.格よりも勢い重視。前走馬体重440〜479キロの馬が中心。

データ特注推奨馬
 ★ソフトフルート

 数あるJRA重賞のなかでも、ここまで人気サイドが信用できないレースはない──と言い切ってしまってもいいほど、マーメイドSは人気馬が弱い。順当に決まった年は過去10年で一度たりともなく、人気薄が毎年のように上位に食い込んでいる。昨年は人気のセンテリュオとリュヌルージュが好走したが、それでも勝ったのは7番人気のサマーセント。おそらく今年も、波乱決着となることだろう。

 レースの大きな特徴が、瞬発力の要求レベルが非常に高いということ。中団からの差しや後方からの追い込みがバンバン決まっており、最速上がりをマークした馬は[5-3-1-1]で連対率80.0%、複勝率90.0%と、鉄板級の信頼度を誇っている。鋭い決め脚がある馬は、それだけで狙う価値アリのレース。前走での上がり3F順位が「3位以内」の馬を重視して、馬券を組み立てるべきだといえる。

 そして、前走の「格」がまったく問われないというのも、このレースの大きな特徴。前走でGIなどに出走していた組が強いのが普通だが、マーメイドSに関しては、前走が3勝クラスどころか2勝クラスであってもまったく問題ない。前走が自己条件戦やオープン特別だった組を重視して、重賞からのローテで出走する組の評価を下げる。これが、このレースで大きく儲けるためのセオリーだ。

 意外なところでは「馬体重」に注目。というのも、前走での馬体重が480キロ以上だった馬や、439キロ以下だった馬が、サッパリの結果に終わっているのだ。前走440〜479キロというのが、このレースで勝ち負けする上での「適正」馬体重。複勝率30.9%、単勝適正回収値109.9、複勝回収値135と、信頼度の高さと爆発力を兼ね備えている。

 現時点でのデータ特注推奨馬は、前走で中京のシドニートロフィー(3勝クラス)を快勝したソフトフルート。秋華賞で3着に好走した実績があるとはいえ、ここはオープン昇級初戦となる。末脚のキレ味は文句なしで、前走馬体重も470キロと問題なし。さらに、ディープインパクト産駒というのも大きな強みとなる。

【コース総論】阪神芝2000m内 Aコース使用

・コースの要所!

★人気サイドは高信頼度だが人気薄も侮れず。7〜9番人気の1着狙いに妙味アリ。
★内枠である馬番01〜04番が好内容。人気になるが出している結果はそれ以上。
★一応は先行勢優勢もデータ不足。決め脚の要求レベルが高いのは間違いなし。





 ホームストレッチにある急坂の手前がスタート地点。しかも、内回りで序盤のポジション争いが重要であるため、スタート直後のラップはけっこう速くなる傾向にある。中盤が緩む流れとなることが多いが、最後の直線が短い内回りコースであるため、仕掛けるタイミングはおのずと早くなる。以上のような理由から、緩急の大きなラップが刻まれやすい性質のコースといえるだろう。

 展開的な紛れも相応にあるため、人気薄が1着に激走するケースが多発。人気サイドの信頼度はけっこう高いが、人気別成績でもっとも目立っているのは、7〜9番人気がマークしている高い勝率と、210.0と猛烈に高い単勝適正回収値である。さらに、10〜12番人気の複勝率や複勝回収値もかなり高いことから、思いきった穴狙いもできそう。人気馬からのヒモ荒れを狙うのに、かなり適しているコースだ。

 次に枠番だが、内枠である馬番01〜04番が好内容。複勝回収値は122と、他とは比較にならない高さとなっている。信頼度が高いのは「人気馬が多い」のも理由だが、人気になってもそれ以上の結果を出しているのだから文句なし。ただし、内外を比較したデータでは外のほうが高信頼度であるように、極端に内有利なコースというわけではない。内枠に入った馬を少しだけプラスに評価する程度が適切だろう。

 最後に脚質面だが、こちらはデータ母数の少なさから大きな偏りが出ている。一応は先行勢が優勢という結果だが、あまりアテにはできないので注意が必要だ。ただし、瞬発力の要求レベルが非常に高いコースであるのは間違いなし。最速上がりをマークした馬が残している内容は、特筆に値するレベルだ。あとは、コーナーで加速できる器用さを備えていたり、小回り向きのピッチ走法であれば、それもプラス評価の対象となる。

【レース総論】マーメイドS(GIII) 阪神過去10回

・レースの要所!

★人気サイドの信頼度が非常に低いレース。7〜12番人気を重視した買い目を!
★コースデータとは異なり外枠が好内容。外から差す&追い込む馬は要注意。
★前走上がり3位以内の馬を重視すべき。馬体重は軽すぎても重すぎてもダメ。
★前走が条件戦〜OP特別だった馬が強いレース。格よりも勢いを重視したい。










 レースの平均配当は、単勝1017円、馬連8576円、3連複3万487円という高水準。堅く決まった年が近年まったくないという、きわめて波乱傾向が強いレースである。その背景にあるのが人気サイドの弱さで、3番人気以内はトータル[4-3-3-20]で複勝率33.3%と、まったく人気に応えられていない。人気馬を嫌ってナンボ、穴を狙ってナンボという、まるで高知のファイナルレースのような一戦である。

 狙ってオイシイのは7〜9番人気と10〜12番人気。とくに重視したいのが、過去10年で4勝8連対と大活躍中の7〜9番人気で、ここは「すべて買う」のが正解といっても過言ではない。さすがに13番人気以下となると信頼度はガクンと落ちるが、それでも2回は馬券に絡んでいるだけに、スパッと切り捨てるのは怖い。買い材料がある馬ならば、人気を気にせずに買うのが正解となりそうだ。

 次に枠番だが、こちらはコースデータとはいささか異なる結果となった。内枠である馬番01〜04番はここでも悪くない結果を残しているが、内容がいいのは外枠のほう。人気を大幅に上回る結果を出していることから、外枠のほうがややベターといえる。ただし、今年は例年とは違って開幕週。春の阪神が超高速馬場だったのを考えると、内&前が圧倒的に有利な馬場となる可能性もあるか。

 そして脚質だが、「後方待機組の信頼度がもっとも高い」という、まずお目にかかれないような結果が出ている。こちらに関しても当日の馬場バイアス次第ではあるのだが、瞬発力の要求レベルが非常に高いというのは、コースデータとも共通する傾向。鋭い決め脚のある馬は、それだけで狙ってみる価値がある。具体的には、前走での上がり3F順位が「3位以内」の馬を重視するのがオススメだ。

 年齢別では4〜5歳の馬ばかり走っているが、今年は出走馬のほとんどが4〜5歳馬になりそうなので、あまり気にする必要なし。意外なところでは、馬体重が「軽すぎても重すぎてもダメ」というのを押さえておきたい。馬体の大きな牝馬が珍しいものではなくなりつつある昨今だが、このレースに関しては、前走馬体重480キロ以上馬は大不振。440〜479キロの範囲内にあるかどうかを、必ず確認しておきたい。

 あとは、前走レースの「格」がまったく問われないというのも、このレースの大きな特徴。前走が条件戦やオープン特別だった組が強く、逆に前走で重賞に出走していた組が弱いという、かなり特殊なレースとなっている。[0-2-1-24]とサッパリの結果に終わっている前走GIII組は、評価を大幅に割り引くべきだ。

 最後に騎手関連データだが、鞍上の乗り替わりがマイナスにならないという点だけ押さえておけばオッケイ。コレという傾向は見受けられないので、どんなジョッキーが騎乗していようとも、あまり気にする必要はない。ちなみに、ハンデ戦なのに斤量についてのデータを掲載していないのは、こちらも「あまり気にする必要ナシ」というのが結論だから。さらにいえば、現時点では出走馬のハンデが読めないという大人の事情もある。

【血統総論】


 血統面は、ディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒、ハービンジャー産駒、ステイゴールド産駒、ロードカナロア産駒をプラス評価の対象とした。改めてその優秀さに感心するのがディープインパクト産駒で、これだけの出走数がありながら、その複勝率は4割に届きそうな勢い。瞬発力の要求レベルが非常に高いという傾向から考えても、このレースに向くのは間違いない。人気薄でも軽視は禁物だ。

★出走予定馬 総論×各論

 本稿執筆段階で、出走の意向を把握できているのは21頭。フルゲートになるのは間違いなく、収得賞金1500万円の馬は抽選待ちとなる。中山牝馬Sからのローテで出走するシャドウディーヴァや、福島牝馬Sで3着に好走したサンクテュエールあたりが人気を集めそうという時点で、荒れそうな気配がプンプンと漂っている。おそらく今年も、かなりの高配当が出ることだろう。

 現時点でのトップ評価は、データ特注推奨馬でもあるソフトフルート。前述したように非常に買い材料が多いのだが、上位人気になってしまいそうなのが唯一のネックだ。人気馬がまったく来ないというわけではないので杞憂に終わるかもしれないが、ここは人気薄を狙ってナンボのレース。本馬が3番人気以内に推された場合は、相手には人気薄「だけ」を買うのが望ましい。人気→人気の組み合わせを買うのはナンセンスだ。

 二番手評価にロータスランド。こちらは前走で2勝クラスを勝ち上がり、その勢いをかっての格上挑戦となる。3着以下に敗れたのはGIの阪神ジュベナイルFだけで、そのポテンシャルの高さは大きな魅力。末脚のキレもかなりのもので、格下とはいえこのレースならば上位争いができる可能性が十分にある。さすがに上位人気にはならないと思われるので、ぜひ抽選をクリアして、7〜12番人気のゾーンに入ってほしいものだ。

 三番手評価にレッドベルディエス。前走がGIのヴィクトリアマイルで、しかもそこで3位の上がりをマークしている。こちらもディープインパクト産駒らしい末脚のキレが身上なだけに、極端に内&前が有利な馬場になるとお手上げだが、差しが届く馬場バイアスならば面白いはず。人気になるならば一気に評価が「消し」まで落ちるが、人気薄ならば積極的に狙っていきたい1頭である。

 四番手評価にイズジョーノキセキ。収得賞金1500万円なので抽選となりそうだが、それがクリアできれば一発があって不思議ではない。早くから素質の片鱗を見せていた馬で、末脚の鋭さだけならば、ここに入ってもナンバーワンクラス。好位でうまく流れに乗れるので、相手なりに走れるという強みがある。さすがに1着まではどうかだが、2〜3着ならば大いに期待できそうだ。

 以下はアブレイズ、アンドラステ、ホウオウエミーズという評価の序列だが、これらはあくまで、ハンデや人気などがまったく読めない段階でのもの。最終的には上下が大幅に入れ替わると思うので、その点はご了承願いたい。いずれにせよ、ここは大ホームランを狙ってブンブン振り回すべき一戦。宝塚記念前の景気づけとばかりに、筆者も大物をガンガン狙っていく所存である。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



外の人気薄は来たけども(#^ω^)ビキビキ

 「内の人気馬と外の人気薄」が強い安田記念。ならば、軸は素直に05グランアレグリアを選ぶのが正解デスヨネ。問題は外の人気薄の取捨で、前段階での評価が高かった07ラウダシオンと14カテドラルを選んだところ、どちらもまったく見せ場ナシ。馬体重増減ネタで08インディチャンプの評価を下げられたのだけが、救いといえば救いか。

 けっこう追いかけてきた11ダノンキングリーを見限ったところで激走されたという心理的なダメージも加わって、立ち直るのにしばしの時間が必要でございました。うーむ、なかなか厳しい戦いだったよなあ(反省)。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2011年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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