シンプルな血統の見方でもダービーとは全く異なることが一目瞭然

　血統が馬券に活用できるのは、至ってシンプルな分類、タイプ分けで傾向が出るから。JRAのダービーの過去10年の血統傾向も至ってシンプル。勝ち馬10頭のうち8頭はサンデー系。うち7頭はディープインパクト産駒。連対馬20頭のうち18頭は父がサンデー系かキングマンボ系。それ以外の系統で連対した2頭はエピファネイアとその産駒。なお、過去10年の連対馬はすべて牡馬。(出走馬の系統はスマート出馬表を参照)

　ところが、今週末の宝塚記念はシンプルな血統の見方でもダービーとは全く異なることが一目瞭然。過去10年のうち3年で父がサンデー系でもキングマンボ系でもない馬が優勝。ディープ産駒で優勝したのは1頭。その1頭も牝馬ですから、ダービーに強い牡馬のディープ産駒は未勝利。

　ディープ産駒で馬券になった7頭中6頭は牝馬。牡馬で唯一馬券になったダノンバラードはGI未勝利馬(クラシックに実績がない馬)。宝塚記念で馬券になるディープ産駒はダービーとはズレた方向性を持ちます。

　ダービーとは違う能力は問われるものの、異なる方向性で優れた馬。すなわち「日本の主流父系ではないものの、他国では超一流」の血統が狙い目。

　なかでも注目は日本以上に欧州で名血と呼ばれる血統が強調された馬に注目。宝塚記念はJRAの競馬の中ではゴール前の失速率が高いレース。よってガッツが問われる。さらに欧州競馬では日本以上に問われやすく、なかでも最高レベルのガッツが問われるイギリスの名血を濃く持つ馬が走りやすいのです。

　ユニコーンライオンの父は欧州の一流種牡馬ノーネイネヴァー。先日もガッツが問われるイギリスで行われた欧州最高峰のマイルG1コロネーションSを勝ったアルコールフリーもノーネイネヴァー産駒。さらに、その父は世界的名種牡馬スキャットダディ。アメリカでは三冠馬のジャスティファイ。ヨーロッパでも複数のG1勝ち馬を出し、日本でもミスターメロディが高松宮記念を優勝。運動神経に加えてガッツも超一流の種牡馬。でなければ、アメリカ、日本、ヨーロッパでG1勝ち馬を出すことはできません。

　日本では、スキャットダディの優れたガッツはまだまだ知名度が低いため、才能が過小評価される傾向にあります。スキャットダディを持つ馬はJRAの芝レースで買い続けた場合、複勝回収率129％。複勝率34％。特筆すべきは前走4着以内の好調馬は単勝回収率が128％。複勝回収率が130％。複勝率55％と抜群の期待値を示すこと。良血であることが馬券プレイヤーに全く評価されないからこその成績。

「好調のスキャットダディ」は宝塚記念でも、馬券で貢献してほしいものですが、万が一(笑)成果が出なくても、今後の芝競馬の馬券で貢献してくれるはずです。

　さらに母父はハイチャパラル。G1を10勝したソーユーシンクが代表産駒。父系も母父も欧州の超良血。かつJRAのダービーとは縁遠い血統。宝塚記念にピッタリの方向性を持つ良血。

　なお、ハイチャパラルを持つ馬もJRAの芝競馬でベタ買いしてもプラス収支。シゲルピンクダイヤ、シゲルピンクルビー姉妹もハイチャパラル持ち。大変お世話になっております。

　カレンブーケドールは父がディープインパクトの牝馬。さらに、GIレースで惜しくも勝ちきれていないプロフィール。これは大昔から宝塚記念の買いパターン。

　宝塚記念は芝GIで未勝利の馬、あるいは400mで割れる距離のGI(春のクラシック)では未勝利の馬が優勝するケースが多いレース。

　ここ数年でもミッキーロケット、サトノクラウンは当レースを迎えるまでJRAのGI未勝利馬。リスグラシュー、マリアライトもJRAでのGI勝利は400mで割れない距離のみ。

　母父がガッツに長けるスキャットダディ。ダメ押しの買い材料ではないでしょうか。

著しい成績を挙げ、殿堂入り予想家となった亀谷敬正の宝塚記念予想はレース当日までにウマい馬券で公開！