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出走頭数があわや1桁… 積年の“宝塚記念、低調な顔ぶれ問題”

  • 2021年06月28日(月) 18時03分
教えてノモケン

▲牝馬では史上初のグランプリ3連覇を果たしたクロノジェネシス (C)netkeiba.com


 今年の中央競馬の上半期を締めくくる第62回宝塚記念(阪神、GI・芝2200m)が27日行われた。結果は圧倒的1番人気に推されたファン投票1位のクロノジェネシスが直線半ばで抜け出し、逃げて粘るユニコーンライオンに2馬身半差をつけて圧勝。レース連覇を飾り、グラスワンダー以来21年ぶり、牝馬では史上初のグランプリ3連覇を果たした。

 2着のユニコーンライオンは7番人気の伏兵だったが、それ以外は順当に上位人気馬が着順掲示板を占め、上位人気で凡走したのは4番人気で9着のアリストテレス1頭。クロノジェネシスの強さだけが目立った形だ。

 フルゲートだった昨年と一転して、今回は13頭立て。GI勝ち馬もクロノジェネシス、レイパパレ、キセキの3頭で、事前には頭数が1桁にとどまるという予測もあったほど。特別登録は15頭だったが、キングニミッツ、ヨシオが撤退した。

 宝塚記念は有馬記念とともに、ファン投票の得票数上位10頭に優先出走権が与えられる。1桁頭数となれば、ファン投票の意味がなくなる。特別競走で少頭数が予測される場合、JRAの番組編成部門が厩舎関係者に水面下で登録を働きかけるケースはあるようだ。増して今回は看板GIの1つであり、相当に力を入れたと思われる。

 ただ、質までは期待できない。実際、13頭中4頭はオッズ上もアウトサイダー扱いで、9頭立てと言っても過言でなかった。宝塚記念が低調な顔ぶれとなるのは積年の問題で、現役最強のクロノジェネシス、6戦無敗のレイパパレが参戦しただけマシだったかも知れない。

 ただ、春先は宝塚記念が好カードの期待を集めていたのも確かで、期待がしぼんだ背景には、昨年来のコロナ禍の影響があったこともわかる。

問われるファン投票の存在意義


 今回のファン投票結果は6月10日に発表された。有効投票件数はキャンペーンの効果で前年より20万530件多い160万5151件だが、得票数上位10頭中、実際に出走したのはクロノジェネシス、レイパパレに加えて、6位のカレンブーケドール、8位のキセキの4頭。

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1964年1月19日、東京都出身。87年4月、毎日新聞に入社。長野支局を経て、91年から東京本社運動部に移り、競馬のほか一般スポーツ、プロ野球、サッカーなどを担当。96年から日本経済新聞東京本社運動部に移り、関東の競馬担当記者として現在に至る。ラジオNIKKEIの中央競馬実況中継(土曜日)解説。著書に「競馬よ」(日本経済新聞出版)。

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