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【七夕賞・プロキオンS予想】舞台替わりで「波乱」の予感!人気馬3頭の状態に明暗!?

  • 2021年07月07日(水) 18時00分

状態は変わらず順調 あとはレース展開次第か…


 先週から函館、小倉開催がスタートしたことで、今の時期が最も栗東の在厩頭数が少なくなります。追い切りなんかも馬場が開場された直後にドッと集中して、その後はガランといった感じ。いかにも夏っぽいですね。

 今週の重賞は七夕賞とプロキオンS。七夕賞はいつもの福島芝2000mですが、プロキオンSは小倉ダート1700m。これに出走メンバーを見渡すと、いかにも「波乱」を感じさせる構成になっており、ここはなんとしても仕留めたいところ。

【七夕賞/ヴァンケドミンゴ】

 前走の福島民報杯は福島競馬場ではなく、新潟競馬場で行われたレース。そんなこともあって、13着大敗は想定内の結果だと思っています。今回は馬券圏内を外したことがない福島ですから、まず崩れることは考えにくいと思います。

 1週前追い切りはCWでの3頭併せ。コーナーリングの素晴らしい馬ですが、それを見せつけるような4コーナーでの推進があって、ゴール前は圧倒的な先着。この時点で仕上がり万全といった感じですが、最終追い切りもCWで消化。調教量は十分ですし、昨年3着以上を期待できる状態だとは思います。

調教Gメン研究所

調教量を十分に積めているヴァンケドミンゴ(7月6日撮影)


【七夕賞/クラージュゲリエ】

 前走鳴尾記念は最終追い切りが坂路。これは初めてのパターンでしたから、凡走は当然というのが個人的な見解。特に1週前追い切りも坂路だった点から、なにかしら、いつもとは違う状態だったのではないかと推測しています。

 中4週の今回はいつもと同じ、1週前追い切りも最終追い切りもCWというパターン。1週前の遅れ、そして最終でもボッケリーニに遅れ、併せ馬では相手にかなり見劣る動きでした。もともと動かないタイプではありますが、それにしてもといった感じ。6日に坂路でその姿を確認した時はいい状態に思えましたが、この最終追いを見てしまうと、といった感じです。

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1週前、最終ともに併せ馬に遅れておりやや不安の残るクラージュゲリエ(写真手前・7月7日撮影)


【プロキオンS/ワイドファラオ】

 近走は1週前追い切りがCW、最終追い切りが坂路で調整パターンは安定してきました。今回も1週前CWは同じ。そこで併せ馬を課すというのも同じですし、5F70秒超えという数字的な負荷もほぼ同じ内容になっています。

 最終追い切りは坂路。時計だけ確認しましたが、4F54.0秒は帝王賞4着時の最終追いと同じ数字になります。状態に関しては変わらず順調といった感じだと思いますが、問題はレース展開。芝も含め、重賞勝ちはすべてハナを切った時ですから、今回はそこにこだわるのかどうか。またこだわるとすれば、レースの流れがどこまで速くなるのか。この馬次第という部分は大いにあります。

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状態は変わらず順調にきているワイドファラオ(6月29日撮影)


【プロキオンS/ウェスタールンド】

 昨年のJRAでの出走はエルムSとアンタレスSの2走のみ。これが札幌ダート1700mと阪神ダート1800mですし、ダイオライト記念や浦和記念が小回りだったことを思えば、この条件だからこそ、ここへ出走してきたんだろうなという印象はあります。問題は9歳という年齢。セン馬は年齢はあまり関係ないと言いますし、昨年の成績を考えると、そこからひとつ歳を重ねてどうってことないのかもしれません。

 1週前追い切りの坂路では舌を出し、仕掛けられるとそれを収める仕草。このあたり、いい意味でオンオフできていると思いますが、逆にオフモードの時はどうも良く見えません。それが6日の坂路でのキャンターの様子でしたが、GIで連対したあの頃の雰囲気はないよな、といった感じ。あとは最終追い切りの映像を見て、しっかりと判断したいと思います。

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全盛期の頃の雰囲気は感じられない9歳馬ウェスタールンド(7月6日撮影)


【プロキオンS/ダノンスプレンダー】

 ポルックスSでオープンを勝ち、前走アンタレスSでは帝王賞を勝ったテーオーケインズの4着。着実に成績を上げていくタイプらしく、一戦毎にパフォーマンスが向上しているといった印象があります。ただ、2走前の東海Sは超がつく不良馬場で先行して失速。この内容はちょっと気になっていましたが、その最終追い切りは坂路で4F57.7秒と遅い時計でした。

 今回も最終追い切りは坂路で4F57.1秒。これは前走時の最終追い坂路4F53.9秒と比較しても遅い数字になります。東海Sの時とはレース間隔が違う今回ですから、時計の意味合いも違うとは思いますが、1週前追い切りの併せ馬で遅れた点も含めて、あまり高い評価はできないかな、と思います。

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最終追い切りではタイムが出ておらず高い評価はしづらいダノンスプレンダー(7月6日撮影)


◆次走要注意

・7/4 ラジオNIKKEI賞【プレイイットサム】(6人/7着)

 最終追い切りCWでの併せ馬が緩慢な動きだったこともあり、太目が残っているのかなと思っていましたが、レース当日の馬体重は-10キロ。とはいえ、これまでとは違うレースぶりですから、やっぱり体調は良くなかったと思います。次走はきっと変わってくるはず。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]最終追い切りが併せ先着なら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<小倉ダート1700m>
◎最終追い切りが坂路馬場で1F目と2F目か2F目と3F目かそれとも両方とも1秒以上加速するラップ
○連闘

 7頭立てではありましたが、7月4日の西部スポニチ賞は1着から3着がすべて、最終追い切りが栗東坂路で両方の区間で1秒以上加速していました。ちなみに7月3日の九州スポーツ杯は1着が2F目と3F目、2着3着は両方の区間での加速。この調教適性は今週も継続するはずです。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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