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【中京記念AI予想】混戦ムードで意外と妙味も!? AIが指名した連軸候補はこの馬!

  • 2021年07月12日(月) 18時00分

七夕賞は例年と異なり内が有利な展開に…(C)netkeiba.com、撮影:小金井邦祥


netkeibaにある膨大な競走成績を人工知能によって機械学習するAiエスケープを開発したAIマスター・Mと、レースデータの分析を専門とする競馬評論家・伊吹雅也による今週末のメインレース展望。コンピュータの“脳”が導き出した注目馬の期待度を、人間の“脳”がさまざまな角度からチェックする。
(文・構成=伊吹雅也)

上位人気馬の好走率はやや低めだが……


AIマスターM(以下、M) 先週はサマー2000シリーズ開幕戦の七夕賞が行われました。

伊吹 道中で2番手を追走していたトーラスジェミニが、逃げ粘るロザムールをゴール直前でかわして勝利。いわゆる“行った行った”の決着でしたね。

M 3着のショウナンバルディ、4着のマウントゴールドを含め、内枠の馬が上位を占めました。

伊吹 近年の七夕賞はどちらかと言うと外枠有利だったんですけどね。ここまで正反対の結果になるとは……。

M 馬場状態の発表は稍重でしたし、外枠有利な展開になりそうな気もしたのですが。

伊吹 やはり、4月10日〜5月2日に予定されていた春の開催が中止となったことで、例年とは芝のコンディションが異なっていたのだと思います。

M 水分を含んでいたものの、例年ほどはインコースが荒れていなかったんですかね。

伊吹 そういうことでしょう。

M 今週の日曜小倉メインレースは、サマーマイルシリーズ第2戦の中京記念です。昨年は単勝オッズ163.0倍(18番人気)のメイケイダイハードが制しています。

伊吹 あれは衝撃的なレースでしたね。18頭立ての最低人気馬が勝ち切るところなんて、そうそうお目にかかれませんから。

M 当然ながら、3連単は330万2390円の高額配当決着となりました。ハンデ戦ですし、やはり波乱含みと見ておいた方が良いんでしょうか。

伊吹 芝1600mのコースで施行されるようになった過去9年の中京記念における単勝人気順別成績を見ると、1番人気馬はわずか1連対。2番人気や3番人気の馬もあまり上位に食い込めていません。


M 1〜3番人気の馬よりも、4〜6番人気馬の方が好走率は高いんですね。

伊吹 より細かく見てみると、5〜6番人気の馬が[4-5-1-8](3着内率55.6%)と飛び抜けて優秀な数字をマークしていました。人気の中心になっているような馬があまり信頼できないレースと言えるでしょう。

M なるほど。そんな中京記念でAiエスケープが指名した特別登録時点の注目馬は、ボッケリーニです。

伊吹 あらまあ。こんな話を用意していた週に上位人気馬を推してくるとは……(笑)。

M 混戦ムードなので何とも言えませんが、1番人気になる可能性もありますね。

伊吹 まぁ、断然の1番人気ということはまずないでしょうし、意外と妙味あるオッズに落ち着くかもしれません。

M 前走の新潟大賞典は5着どまり。単勝2番人気の支持を裏切ってしまいました。

伊吹 大きく崩れたのは久しぶりですし、これで多少なりとも評価が下がってくれると良いですね。

M レースの傾向から見るとどうでしょう。やはり、近走成績が良い馬を高く評価するべきなんでしょうか。

伊吹 そうですね。2015年以降の過去6年に限ると、同年3月以降のレースで連対を果たしていない馬は苦戦していました。


M メイケイダイハードのように、大敗続きの馬がいきなり激走した例は少ないんですね。

伊吹 その通りです。ボッケリーニは厳密に言うとこの条件をクリアしていませんが、2月下旬の小倉大賞典で2着に好走していますし、大きく評価を下げる必要はないでしょう。

M 昨年の中京記念は5歳馬が上位を占めました。馬齢別の成績に何か傾向はありますか?

伊吹 2016年以降の過去5年に限ると、6歳以上の馬はほとんど上位に食い込めていません。


M おぉ、ハッキリと明暗が分かれていますね。

伊吹 2018年に当時6歳のグレーターロンドンが勝っているとはいえ、やはり高齢馬は評価を下げるべきでしょう。

M 5歳のボッケリーニにとっては心強い傾向と言えそうです。

伊吹 極端に使い込んでいる馬だとちょっと心配ですが、この馬はまだキャリア14戦ですからね。

M 他に注目しているポイントがあったら教えていただけますか。今年は施行コースが小倉芝1800mに替わるので、参考にできる傾向も限られてしまうと思いますが。

伊吹 そうですね。今年のメンバー構成を考えると、牝馬が苦戦している点は気になります。


M 昨年は単勝1番人気の支持を集めたギルデッドミラーが6着に敗れてしまいました。

伊吹 2016年以降の過去5年に限ると、馬券に絡んだのは2019年3着のプリモシーンだけ。ただ、この馬も単勝1番人気でしたから、好走と言えるかどうか微妙なところです。

M “夏は牝馬”と言いますし、今回も何頭かは注目を集めそうですが、過信禁物と見た方が良さそうですね。

伊吹 ヴィクトリアMからの直行だと中途半端に間隔があいてしまいますし、近い時期にクイーンSという選択肢もありますから、実績ある牝馬が万全の態勢で臨むのは難しいのかもしれません。

M なるほど。この傾向もボッケリーニにとっては歓迎材料と言えます。

伊吹 もともと私もボッケリーニには重いシルシを打つ予定でした。コース適性の高さは証明済みですし、特に不安要素が見当たらないな、と。

M Aiエスケープも同じように考えているようです。

伊吹 心強いですね(笑)。単勝人気順別成績の傾向を考えると、この馬から人気薄の馬にながすようなイメージで買い目を組み立てたら面白いかもしれません。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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