スマートフォン版へ

【中京記念・函館記念予想】あの人気馬に不安材料!? 日曜2重賞の追い切りを徹底解説!

  • 2021年07月14日(水) 18時00分

調教内容からは高い評価はできない


 先週はダートでレコードが出た小倉競馬場。プロキオンSは単勝9番人気の勝利で波乱でしたが、同日ダート1700mの1勝クラスを勝ったのも14番人気。この2頭に共通するのは、今回の追い切りで栗東坂路4F時計の自己ベストを更新していたという点。今の小倉ダートの高速決着にはスピード調教が有効なのかも知れません。

 実は芝でも1800mは栗東坂路での自己ベスト更新組が好走中。日本レコードを出したエスコーラも最終追い切りが4F52.1秒で自己ベストを更新していました。ということは、今週の中京記念でもスピードは重要になるのかどうか、これは大きなポイントになりそうです。

【函館記念/バイオスパーク】

 昨年の3着馬が昨年同様、栗東で追い切りを消化してから函館競馬場へ移動するというパターンで仕上げています。ここでは、栗東での追い切りの様子を分析、解説したいと思いますが、そもそも今回は追い切り開始が早いなあという印象。6月16日に坂路で時計を出したかと思うと、その後も週中にCWで追い切り。

 そういった意味では今年の方が入念に乗り込まれています。7月7日に函館競馬場に入厩したようなので、7月2週目の週中に時計が出ていないのは当然でしょう。このパターン自体が昨年と同じですし、あとは最終追い切りがどんな内容か、これで馬券的な評価を決めたいと思います。

調教Gメン研究所

昨年より入念に乗り込まれているバイオスパーク(6月29日撮影)


【中京記念/ボッケリーニ】

 中日新聞杯で重賞を制して、その後もハンデ重賞に出走して2着と5着。掲示板を外さない、堅実な走りができているという見方ができますが、もうひとつ上のレベルを目指すなら、ちょっと物足りない内容という解釈もできるでしょう。ちなみに中日新聞杯とその後の2戦での最終追い切りの違いはCWで6Fから追い切るか、半マイルか。

 今回の最終追い切りはここ2戦と同じCWでの半マイル追い。サラッと流すといった感じで、特に目立つ内容ではありませんでした。そして、先週末は珍しくDPで時計を出しており、これは近走なかったパターン。これはあまり良い変化とは思えないだけに、そこと連動しての最終追いの内容で、高い評価はできない調教内容といった気がします。

調教Gメン研究所

ボッケリーニは調教パターンの変化がどう出るか(7月14日撮影)


【中京記念/カテドラル】

 前走安田記念は12着でしたが、58キロを背負って、33.9秒の上がりをマークしているわけですから、この馬なりに走っているという解釈でよいのではないでしょうか。そこから中5週のローテーションになりますが、かなりしっかりと乗り込まれています。

 1週前追い切りはCWで福永祐一騎手が騎乗。これは朱鷺Sを勝った時と同じパターンになります。最終追い切りは坂路で4F目最速ラップが踏めていますし、2F24.7秒なら決して遅くない数字。あとは後方一気の脚質で届くかどうかといったところだと思います。

【中京記念/ディアンドル】

 2歳3歳時は1200mの実績しかなかったものの、低迷期を経て、今ではマイルから中距離が活躍の場に。前走はハナにこだわらないレースをしながら、東京マイルのGIで4着ですから、本当に大したもの。今回は小倉大賞典で3着した時と同じ舞台ですから、逃げにこだわらないにしても、スムーズに先行するレースになるのかも知れません。

 そうなった時のペース配分ですが、この馬は坂路で前半と後半が大きな差をつけて走ることができるタイプ。2F目から3F目に一気に2秒近く加速することも珍しくありませんが、1週前追い切りが2.2秒もこの区間で加速。最終追い切りはそこまで大きな加速にはならなかったようですが、後半が24.8秒でまとめて、4F目は12.2秒。前走東京での1分31秒8の走破時計から、今の高速馬場に対する適性も低くはなさそうです。

調教Gメン研究所

高速馬場への適性もありそうなディアンドル(7月13日撮影)


【中京記念/ロータスランド】

 1勝クラス、2勝クラスと着実に階段を上がっていましたが、前走は飛び級でオープン制覇。とはいえ、2番人気に支持されていたわけですから、すでにオープンでやれるだろうというファンのイメージはあったのでしょう。私自身も坂路での追い切りの動きを見ていると、パワーが必要なマイル前後なら相当なパフォーマンスを発揮できるタイプと思っていました。

 今回はコーナーが4つの高速馬場。そこはポイントになるかも知れませんが、坂路での追い切りの動きを見るかぎり、前半ゆっくりと入ることができるタイプなので、コーナーが4つになったからといって行きたがることはなさそう。これには枠順も重要になってくると思うので、印評価は直前まで悩もうと思います。ただ、1週前追い切りの坂路2F24.0秒、1F11.5秒は本当に強烈です。

調教Gメン研究所

1週前では強烈な時計をマークしたロータスランド(7月13日撮影)


◆次走要注意

・7/11 七夕賞【トラストケンシン】(14人/7着)

 後方からのレースはいつも通りでしたが、外を回っては届かないと内を突いたのは吉田豊騎手の好判断だと思います。ただ、ゴール前はスペースがない状況にもなりましたし、こればかりは仕方ないところ。この経験で次走以降の走りに厚みが増してくるはず。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]最終追い切りがラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<福島ダート1150m>
◎最終追い切りが南Wで併せ馬を追走して先着
◎馬ナリ平均
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ

 馬ナリ平均に関しては、開幕週の傾向から追加した調教適性。そのおかげで、7月11日の彦星賞は馬ナリ平均坂路で最終追い切り美浦坂路で4F目最速ラップを踏んだグラスボイジャーに本命を打つことができました。逃げてくれたことが好走要因ではあると思いますが、◎〇の調教適性で単勝4560円の配当は妙味ありすぎです。ちなみに2着3着は○に該当だったので、馬連と3連複も的中することができました。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング