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凡庸な成績の母が大物を出したのは血統の成せる業

  • 2021年08月02日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・8/1 クイーンS(GIII・函館・芝1800m)
 ゴール前で抜け出したマジックキャッスルを、さらに外から交わしたテルツェットが重賞2勝目を飾りました。

 前々走のダービー卿チャレンジトロフィーは、展開が向いたとはいえ牡馬相手に快勝。前走のヴィクトリアマイルは力を出し切れず惨敗しましたが、間隔をあけてリフレッシュした今回は本来の実力を発揮することができました。

 母ラッドルチェンドは、リアルスティール(ドバイターフ)とラヴズオンリーユー(オークス、クイーンエリザベス2世C)の半姉にあたる良血。

 現役時代(JRAで3戦未勝利、南関東の大井で6戦1勝)に関わった方に話を聞いたところ、血統以外は凡庸で、乗り味を含めてまったく見るべきところはなかった、とのことです。にもかかわらず繁殖牝馬として大物を出したのは、血統の成せる業でしょう。

 本馬と前述のリアルスティール、ラヴズオンリーユーは4分の3同血(父が同じで母同士が親子)で、3代母モネヴァッシアは名種牡馬キングマンボ(キングカメハメハの父)の全妹、4代母ミエスクは80年代の世界最強マイラーです。

 将来、繁殖牝馬としても楽しみな存在です。

・8/1 新馬戦(新潟・芝1800m)
 中団の外を追走したルージュスティリアが残り500mで先頭に立ち、そのまま押し切って1番人気に応えました。レース後のインタビューで福永騎手は「先頭に立つのが早すぎた」と語りましたが、それだけ反応がいい証拠でしょう。

「ディープインパクト×ストームキャット」はキズナ、リアルスティール、エイシンヒカリ、ダノンキングリーなど国内外で9頭のGIホースを出しているニックス。レース前の段階でこの配合は、新馬戦の勝率34.7%、連対率53.1%と驚異的な成績を挙げており、今回の勝利でさらに数値が上昇しました。

 バークリア≒ハイトオブファッション3×4という4分の3同血クロスは、皐月賞とダービーで3着となったステラヴェローチェを彷彿させます。そして、2代母ワンデスタは米芝牝馬チャンピオン。次走が楽しみです。

今週の血統注目馬は?


・8/8 松前特別(2勝クラス・函館・芝1800m)
 函館芝1800mと相性のいい種牡馬はルーラーシップ。前週までの段階で連対率30.6%と素晴らしい成績を挙げています。2011年以降、当コースで産駒が20走以上した33頭の種牡馬のなかで第2位。当レースにはルヴェルソーが登録しています。

 当コースで行われた前走のかもめ島特別は5番人気ながら3着。勝ったイカットは続くクイーンSで格上挑戦ながら7着、直線の不利がなければ勝ち負けになっていた可能性が高いという実力馬です。ここでもチャンス十分です。

今週の血統Tips


 昨年からエルムSとレパードSが同日に行われるようになりました。JRAで1日に複数のダート重賞が行われるのは年間を通じてこの日だけです。派手さはないものの名物ウィークのひとつといっていいでしょう。

 2010年代の全日本ダート種牡馬ランキング(中央ダート+地方)は、ゴールドアリュールとキングカメハメハが激しい戦いを繰り広げました。しかし、すでに両馬ともこの世になく、順位を下げつつあります。

 現在のベスト5は、ヘニーヒューズ、サウスヴィグラス、ロードカナロア、シニスターミニスター、パイロ。首位に立つヘニーヒューズは、今年18歳と決して若くないのですが、アベレージが高く、1000mから1800mまで距離適性も幅広いので、効率よく賞金を稼いでいます。

 2つの重賞のうち、エルムSに産駒のレピアーウィットが出走します。3月のマーチSの覇者で、アジアエクスプレス(朝日杯フューチュリティS、レパードS)の全弟にあたる良血です。2位サウスヴィグラスは2018年春に死んでいるため、今年の2歳世代がいません。1位ヘニーヒューズ、2位サウスヴィグラスのまま年末まで推移する可能性が高いと思われます。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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