先週は、7カ月ぶりのコンビ復活となったタガノウィリアムで見せ場十分の4着。「間違いなく勝ち負けできる」と、改めて能力を確信したようです。そのレース回顧のほか、ユーザーからの質問を3つほどピックアップ。「デビュー前から、先行馬か差し馬かわかる?」「九州産と北海道産の違いは、やはり血統?」などなど、興味深い質問に答えてくれました。(取材・文:不破由妃子)
※このインタビューは電話取材で実施しました。
結果は4着やったけど、間違いなく勝ち負けできる!
――先週の競馬の目玉は、やはりタガノウィリアム(8月29日・小倉10R・RKB賞・4番人気4着)。ここ2戦は秋山(真一郎)騎手に手綱が渡っていましたが、7カ月ぶりのコンビ復活となりましたね。
小牧 いい競馬ができたけどね。前に行きたい馬がけっこういたから、どうなるかなと思っていたけど、なんせ揉まれんかったら大丈夫やなと思ってた。
――途中からハナに立って、すごくスムーズな競馬に見えました。
小牧 いい感じでしたよ。手応えよく直線に向いて、並ばれてからもしぶとかった。結果は4着やったけど、間違いなく勝ち負けできますわ。それにしても、この馬はコンスタントに頑張ってるよね。僕自身、久しぶりに着を拾ったわ。
――状態やレースぶりからして、今後、上積みはありそうですか?
小牧 調教で少しズブさを見せていたから、上積みはありそうやね。今回は内目の枠やったけど、外目の枠だったらもっと競馬はしやすいやろうし。ハナに限らず、揉まれなければ2、3番手からも行けるし、チャンスをもらえたらまた一緒に頑張りたいね。
――では、ユーザーからの質問を。「デビュー前の馬について質問です。調教に乗った段階で、この馬は先行だなとか差す競馬がいいなとか、ある程度は脚質が予測できるのでしょうか?」。
小牧 調教から一生懸命に走る馬とかは、前のほうに行こうと思うけどね。でも、新馬戦はなんとも言えんよ。競馬を教えながらという意識で乗っているから。
――調教の段階で、「この馬は切れそうだな」というのはわかりますよね。
小牧 うん、わかるね。昔から言っているように、そういう馬は乗り味のいい馬が多い。走ることがわかっている馬は、先々を考えてジックリ乗ることが多いね。逆に、ズブそうな馬は、スタートから気合いを入れて行くかな。
――続いては、「熊本県産のヨカヨカが北九州記念を勝ちました。これまで乗ってきて、九州産の馬と北海道産の馬では、どういった違いを感じますか? その違いとは、単純に血統によるものなのでしょうか」という質問です。
小牧 やっぱり血統でしょう。九州産に、リーディングの上位に入るような種馬の仔はおらんからね。繁殖牝馬にしても、どうしても北海道のほうがいいお母さんがたくさんいるでしょ。
――ヨカヨカのお母さん(ハニーダンサー)も、もともとは北海道の浦河で繁殖されていた馬。そう考えると、やはり血統が占める比重の大きさを痛感します。小牧さんが手綱を取った九州産といえば、橋口弘次郎厩舎のキリシマオジョウが印象的です。ヨカヨカと同じ、スクワートルスクワートの産駒でしたね。
小牧 ああ、懐かしいね。スピードがあって、新馬、ひまわり賞と2連勝したけど、どちらも九州産限定戦で、そのあとは…。でも、ヨカヨカの成功例がきっかけとなって、九州にもいい馬が入ってくれば、これまで以上に走る馬が出てくると思うよ。
――では、最後の質問です。「馬が引っ掛かったとき、とにかく抑えるか、そのまま行かせるか、やはりジョッキーは迷うのでしょうか? メイケイエールのキーンランドCを見ていて、最初から思うままに行かせたらどうなるのかなぁとふと思いました」。
小牧 とりあえず、最初はみんな抑えるでしょ。それでどうしようもなかったら行かせるしかないけど、道中でマクる形になって、そこから大逃げになって、結果オーライになったことも何回もあるよ。
――ということは、どちらが正解というのはないと。
小牧 そうやね。馬によるし、ペースにもよる。後ろがけん制し合っていたら、そのまま残ることもあるし。なんせ展開やね。
――抑えるか行かせるか、その瞬間はやはり迷うものですか?
小牧 抑えられる自信があれば抑えるけど、これは手に負えないかも…と思ったときは、どうしても迷ってしまうね。